北海道大学 研究シーズ集

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    顕微イメージングソリューション プラットフォーム

    共用機器管理センターに設置している”同位体顕微鏡システム”を産学官共用に推進拡大する

    • 【利用例】核酸物質の細胞内局在を観察するにあたり、従来の蛍光物質で標識する方法では観察対象の化学的性質が変化してしまう可能性があります。
      本利用課題では、核酸物質を安定同位体18Oで標識し、それを同位体顕微鏡で観察することで、本来の局在を観察することに成功しました。(Hamasaki et al, 2013, Nucleic Acids Research, 41 (12), e126, doi: 10.1093/nar/gkt344)

    研究の内容

    ”同位体顕微鏡システム”の特質である「安定同位元素イメージング技術」を有効活用する利用課題を募集、選定、実施することにより産業イノベーションへの展開を図ります。
    同位元素というと、すぐに年代測定が思い浮かびます。事実、これまで同位体顕微鏡システムは主に鉱物など宇宙科学の分野で、同位体比の分析に使われてきました。これは、入手した試料の断面の「ありのまま」を観察して得られる成果です。その測定手法の発想を変えることで、同位体顕微鏡システムを産業応用に展開できます。すなわち、「ありのまま」を観るのではなく、積極的に同位体元素を調べたい試料に「ドープ」することで、今まで見ることができなかった目的のイメージングを測定することが可能になります。しかも、放射性同位体ではなく、安定性同位体を使って安全に作業することができます。

  • 中性子とX線を複合利用した超階層構造イメージング

    量子ビームを複合利用し、幅広いスケールに渡って不可知情報を非破壊的に可視化するイメージング

    パルス中性子透過分光イメージングは、他の顕微法では視えない情報を非破壊に可視化できる手法として注目を受けています。X線のような他の量子ビームと複合解析すれば画像だけではわからない情報も可視化することが可能になります。

    研究の内容

    小型加速器を利用する実験施設として半世紀近い歴史がある北大施設は、先導的な施設として世界的に注目されています。北大では主にパルス中性子ビームを作っており、それで得られる透過スペクトルから、結晶構造やミクロ組織、内部応力、温度等の情報を、試料全体にわたる分布として2次元の実像上にマッピングすることが可能です。一方、X線CTでは物体内部の3次元構造を測定できるので、両者の結果を複合的に解析し、相乗的に物体内部情報を理解する研究を行っています。図は中性子とX線による相乗イメージングとして、単独では得られない元素情報をX線CTによる内部構造にマッピングしたイメージを示しています。X線CTではAl円筒中のワイヤの存在がわかりますが、中性子の情報を加えるとそれぞれが異なる素材とわかります。