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木材成分リグニンを電子デバイス材料へ
リグニンの成形と機能性材料への変換
リグニンはセルロースに次ぐ賦存量がありますが、燃焼してエネルギーに使うしか、現在は有効利用がありません。このリグニンを繊維やフィルムに成形して、これらを電気二重層キャパシタ(EDLC)の電極やセパレータとして利用する研究を進めています。
研究の内容
EDLCは、Liイオン電池などの二次電池に代わる次世代蓄電池として注目されている電子デバイスであります。EDLCの中で、電極やセパレータと呼ばれる部材は、高分子物質から作られているので、この高分子を木質バイオマスの主要成分であるリグニンで代替するための研究を、我々は進めています。リグニンをエレクトロスピニングにより微細繊維に成形し、これを活性炭素繊維に変換することで、電極材料に要求される大きな表面積を達成しました。これにより、高いエネルギー密度とパワー密度を発現する電極の作製に至りました。また、リグニンを柔軟性に富むポリエステルフィルムに変換することで、従来のセパレータと同等の性能を発現する材料も調製できました。現在は、更なる高性能化に取り組んでいます。
浦木 康光 教授 Yasumitsu Uraki理学博士