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NEW レッドビートの生体影響を評価するヒト対象研究
レッドビート摂取による寒冷下の末梢循環促進と巧緻作業能力改善を解明
道内でも生産されるレッドビート(図1)の濃縮ドリンクの機能性を評価するヒト介入試験を行い、寒冷環境下での指先の冷えが緩和され、巧緻作業能力が改善されるエビデンスが示されました。
研究の内容
成人男性を対象に、レッドビートドリンクまたは水を単回摂取させた後、手部を冷水に30分間浸漬させて冷却し、その後の回復過程における指先の皮膚温、皮膚血流、血圧を測定しました。同時に、指先の巧緻性や調整力を評価する作業課題を行いました(図2)。その結果、水条件に比べてレッドビート条件で、冷却後の指先の血流と皮膚温の回復が促進され、また、巧緻作業パフォーマンスの改善が示されました。今後の課題として、冷凍庫内や冬季屋外作業現場などを想定した寒冷環境滞在時の生体応答評価や、レッドビートの長期摂取による影響のヒト介入試験を行う必要があります。
若林 斉 准教授 Hitoshi Wakabayashi博士(体育科学) -
中華圏の人々との関係構築
東アジアのメディアと広報
日本の地域に根ざす組織(企業、自治体など)の国際化は喫緊の課題です。特に成長する中国との関係構築は極めて重要。日本の地方組織がどのように中国・中華圏の成長を取り込めばよいのか、事例を積み上げつつ、その有効な方法をさぐります。
研究の内容
中国は経済成長を続けている。香港、台湾や周辺国・地域との経済連携が強化され、中華圏が形成されつつあり、当該地域は世界経済にとって成長エンジンとなっている。他方、日中関係には歴史認識や領土主権などの問題が横たわっている。拡大する中国が既存の秩序を壊すのではないかと憂慮する声もある。では、日本の地方は上記のリスク要因を配慮しつつ、どのように中国と関係構築をはかればよいのか。北海道大学東アジアメディア研究センターではこれまで東アジアのメディア動向の分析をすすめてきた。その基礎の上に、中華圏にどのように情報を流せばよいのか、未来に向けて東アジアの人々といかに良好な関係構築を築くのか。発信元の組織の特性を生かした方法を考える。
渡邉 浩平 特任教授 Kohei Watanabe修士 -
NEW 雪シミュレーションを用いた積雪寒冷都市デザイン
北海道・北方圏の気候風土に適した建築・都市・地域のデザイン
風雪環境を改善することにより除雪エネルギーを最小化し、屋内建築エネルギーと一体化した都市空間像である「北方型スマートシティ」の形成に向けて、CFDを用いた積雪シミュレーションによる都市デザイン手法の研究を行っています。
研究の内容
研究では、冬季の積雪が深刻な札幌都心部を対象に、街区内の屋外空間や周辺環境に与える風雪の影響について、粉体風洞実験による積雪シミュレーションにより明らかにし、屋外空間における除雪エネルギーを低減する街区空間モデル「北方型スマート街区」の計画手法を構築しました。
現在は、より簡便かつ広範囲を対象にできる雪CFDシミュレーションを用いて、北方型スマートシティの都市デザイン手法や積雪を考慮した地域デザインについて研究しています。渡部 典大 助教 Watanabe Norihiro -
水蒸気・水混合噴霧による超低環境負荷洗浄法
『水蒸気+水』の物理作用を利用した、
薬液を使用しない超精密安心洗浄法水と水蒸気を混合しノズルから高速噴霧する全く新しい水蒸気・水混相噴霧を用いた革新的洗浄法を開発しました。薬品を使用しない超低環境負荷であることに最大の特徴があり,半導体製造プロセス等の超精密洗浄で所定の性能を発揮することを確認しました。
研究の内容
私達は、これまでの研究成果により、凝縮性気体中を液滴が固体表面に衝突する場合には、空気の場合とは異なり、「飛沫(スプラッシュ)が抑制され薄い液膜(ラメラ)が高速で固体表面を伸展する」現象を発見しており、高速ラメラにより強力な流体せん断力が発生すると考え「水蒸気と水の混合噴流を用いた低環境負荷洗浄」が可能であると考えました。
これまでの研究成果により、水と水蒸気だけを用いる事により、半導体、LED、 太陽電池などの製造プロセスで要求される超精密洗浄に対する所定の洗浄性能を、本洗浄法は発揮することを確認しました。また、本洗浄法は水と水蒸気のみを用いるために、人体に有害となる洗剤等の化学薬品を全く用いないため、人体および環境にとって安全である超低環境負荷特性を有しています。渡部 正夫 教授 Masao WatanabePhD -
根で植物をコントロールする
根の再生を制御する方法
多くの植物にとって根は必要不可欠な器官であり、根の傷害は速やかに回復します。これは根と地上部のバイオマス比も一定値を保つ仕組みが働くためです。本研究室では根の再生メカニズムを明らかにし、バイオマス比をコントロールできる技術の可能性を示した。
研究の内容
盆栽などの園芸や果樹栽培では広く根の剪定(根切り)が行われ、経験的に根をコントロールすることで地上部をコントロールしてきました。これは根と地上部のバイオマス比が一定値を保つことを経験的に利用した手法です。私たちが発見したYUCCA9は根切りにおける根の再生に必要な植物ホルモン、オーキシンを合成する遺伝子でした。研究の過程で薬理学的に根の再生を阻害する薬剤の組み合わせや、遺伝的な形質によって根の再生が起こりずらい植物も作出することができました。
根の再生は陸上植物で広く見られる現象であり、栽培品種についても本研究を応用することで地上部のバイオマスを増加、減少させることが可能になり、農業作物、園芸品種において高収率、労働集約、コストコントロール、高付加価値が期待できると思われます。綿引 雅昭 准教授 Masaaki Watahiki博士(地球環境科学)