北海道大学 研究シーズ集

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11. 住み続けられるまちづくりを:41件

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  • 1. 貧困をなくそう
  • 2. 飢餓をゼロに
  • 3. すべての人に健康と福祉を
  • 4. 質の高い教育をみんなに
  • 5. ジェンダー平等を実現しよう
  • 6. 安全な水とトイレを世界中に
  • 7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
  • 8. 働きがいも経済成長も
  • 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 10. 人や国の不平等をなくそう
  • 11. 住み続けられるまちづくりを
  • 12. つくる責任、つかう責任
  • 13. 気候変動に具体的な対策を
  • 14. 海の豊かさを守ろう
  • 15. 陸の豊かさも守ろう
  • 16. 平和と公正をすべての人に
  • 17. パートナーシップで目標を達成しよう
  • UPDATE 多線種対応型放射線検出器の開発

    単一の受光素子で3種類の放射線を同時計測可能:多層シンチレータによる装置の小型・低コスト化と独自波形弁別技術による高精度化を実現

    3層のシンチレータと単一の光電子増倍管を組み合わせ、独自波形弁別技術によりα・β-・γ線を高精度に識別する技術を開発した。従来複数台に分かれていた測定器を一台に統合することで、作業効率の向上、小型軽量化、および製造コスト低減が期待される。

    • 多層型シンチレータ 概念図

    • ウラン(U-238)放射線の弁別結果 (N = 20,000)

    • ウラン(U-238)放射線 弁別結果

    • RI汚染探査ロボットへの実装 概念図

    研究の内容

    環境放射能測定等の現場では、対象核種や線種に応じた測定器の選定が必要となるため専門的な知識が必要となる。本研究では、α・β-・γ線に感度を持つ3種のシンチレータを積層し、単一の光電子増倍管(PMT)で受光する「多線種対応型検出器」を開発した。信号波形のピーク値と積分電荷量の比を用いた独自の波形弁別技術(PQD法)を用いることで、従来は困難であった3線種の同時弁別において、99.7%以上の極めて高い識別精度を達成し、さらに放射線エネルギーの定量も実現した。本技術は、複数台の検出器機能を一台に集約することを可能にし、測定器維持の簡略化や装置の小型軽量化、さらには現場における測定作業の効率化と運用コストの低減に寄与する。

    石川 正純 教授 Masayori Ishikawa
    博士(エネルギー科学)
  • NEW AI・データサイエンスと可視化アプリによる地方自治体のインフラ維持管理戦略

    人口減少・少子高齢化に対応する自治体支援Webアプリと持続可能なインフラマネジメント

    人口減少が進む北海道の市町村を対象に、道路・橋梁の維持管理を最適化する研究を行っています。各種オープンデータを地図上で可視化するWebアプリを開発し、将来の人口や交通網も考慮した持続可能な地域社会の実現を支援します。

    • インフラ可視化Webアプリ

    研究の内容

    北海道全179市町村を対象に、橋梁データや人口・財政等の情報をGISと機械学習で統合的に分析しています。社会条件に基づく維持管理特性の類型化や財政力が劣化に与える影響の解明に加え、道路・橋梁・公共施設・交通網(バス・鉄道)等のデータを地図上に重ねて可視化できる「Webアプリ」を開発しました。これにより、統計的な分析結果だけでなく、各自治体の具体的な地理条件や将来のまちづくり計画と連動した詳細な検討が可能になります。人口減少下において、画一的ではない各自治体の実情に即した科学的根拠に基づく管理計画策定を強力に支援するツールと手法を構築しています。

    長井 宏平 教授 NAGAI Kohei
    大学院工学研究院 土木工学部門 社会基盤マネジメント分野
  • 古くて新しいプロバイオティクス 薬剤耐性菌問題の克服も目指した新たな動物疾病制御法の実践研究

    古くて新しいプロバイオティクス

    子牛の感染症(下痢症や肺炎など)は成長に悪影響を及ぼし、時には死に至らしめることから生産性を低下させる重要な課題となっています。北海道大学は、「子牛の下痢を予防したりワクチン効果を向上させるプロバイオティクス」の開発に成功しました。

    研究の内容

    ・粉ミルク(代用乳)を原料した発酵代用乳を作製したところ、発酵品質が安定して、雑菌の混入がなく、「高品質で安全なプロバイオティクス」であることがわかりました。
    ・ロタウイルス感染による子牛下痢症モデルを用いた実験および下痢発生農場の子牛を用いた大規模な実証試験を実施し、発酵代用乳が子牛の下痢症の臨床症状を軽減し、腸炎による死亡を減少させることを証明しました。
    ・子牛へのプロバイオティクス(酪酸菌)の給与により、ワクチンに対する免疫応答が増強されることも 育成牧場での大規模実証試験で証明しました。

  • 台風強度及び豪雨の発達予測システム

    雷放電計測から数時間先の豪雨と数日先の台風発達を予測

    都市部でのゲリラ豪雨や大規模な台風は甚大な災害を引き起こす。災害を防ぐためには発達度をいち早く予測することが重要である。本研究は、局所発達する雷雲や台風勢力圏内で発生する雷放電活動から、数時間先の豪雨や1-2日先の台風強度を直前予測する。

    • V-POTEKA Network

    • 2019年台風13号の予測結果
      (黒線:雷数、赤線:風速、青線:気圧)

    研究の内容

    本研究は、雷放電から放射される1-50 kHz VLF帯電磁波動を複数拠点で同時観測し、都市部で発達する雷雲や、台風を構成する積乱雲における雷活動を準リアルタイムで監視することで、数時間先の豪雨や1-2日先の台風強度がどのように発達するかを簡便に直前予測する手法を提供する。豪雨や台風の規模予測に従来用いられている複雑で専門的な数値気象モデルとは一線を画し、雷放電数や放電規模といった雷活動の指標を用いることで、数時間から数日先までの強度発達を正確かつ簡易に予測可能とする。
    日本を含むアジア域の雷活動を監視するため、雷放電が放射する1-50 kHz VLF帯電磁波動の観測システム(V-POTEKA)を25拠点に設置している。そこで得たデータから雷発生時刻・位置・放電規模を準リアルタイムに推定している。

  • 栄養素を循環させる農業を多面的に達成する

    環境にやさしい農業、を、もっと身近に、もっとやりやすく

    牛は食べた栄養素の八割近くを糞尿にしてしまう。それを土に撒き、草が伸び、牛が食べ栄養素はリサイクルされる。しかし土は保持できない栄養素を環境中へ排出する。これら目に見えにくい循環を理解し是正していく。

    研究の内容

    農業に由来する環境負荷、例えば水質悪化や温室効果ガス排出は近年大きな問題となっています。これらを是正するには、多面的な研究が必要です。例えば土壌中に保持される栄養素を理解するには微生物学的知識が必要ですし、作物生育のムラなどが起きていることを判別するには画像解析技術などが役立ちます。また、農業が環境負荷を引き起こす原因を根本的に理解するには、農業現場でどのような人がどう利益を得ているのかを理解する必要があります。環境生命地球化学研究室では、「微生物学」、「衛星画像解析」、「農家データ解析」を大きな三本の柱としながら、農場内で、地域で、栄養素を確実に循環させ、環境負荷を極限まで減らした農業体系の確立を目指しています。

  • ポータブルな液体クロマトグラフ(化学分析装置)

    検査室から持ち出せる化学分析装置

    液体クロマトグラフはサイズおよび重量が大きいため、実験室での使用に限定され、試料の採取場所での分析や小規模な実験室での分析は困難でした。そこで、構成要素を根本から小型化することに取り組み、超小型・超軽量装置の開発に成功しました。

    研究の内容

    ・液体クロマトグラフ法(HPLC)
    各成分は、カラム内で充填剤との相互作用の程度の違いで分離されます。分離するため、成分どうしの干渉なしに分析できます。溶出時間で成分が特定でき、検出信号の強さから濃度を決定できます。

    ・ハンディーポータブルタイプ
    使用のつど収納でき、限られたスペースを有効活用
    低溶媒使用量で低コスト 現場での取扱いも容易
    シンプルな構造でセッティングとメンテナンスが容易
    極微量の試料導入量により希少サンプルの分析に最適
    入手容易な乾電池が使用可能
    従来スペースに複数台設置して分析効率を向上

    ・コンパクトオールインワンタイプ
    カラム(チップ)と検出器(ブロック)をモジュール化。各種検出法に対応し、交換可能。

  • 有機性排水浄化のためのハイブリッド伏流式人工湿地

    畜産排水などの有機性排水を、低コストで効率よく持続的に浄化するシステムです。
    高濃度汚水を対象に、寒冷地での実用化を実現しました。世界でもトップクラスの能力です。

    研究の内容

    伏流式人工湿地はヨシ等を植えた砂利や砂の層で汚水をろ過して浄化する方法です。
    伏流式には汚水を表面から散布して上から下へ流す好気的な鉛直流式と、浅い地下水としてゆっくり水平方向に流す嫌気的な水平流式があり、それらを組合せたハイブリッド式は特に窒素浄化能力に優れています。
    ヨシなどの植生は、表面の目詰まりを軽減し、人工湿地内の生態系を支えて浄化能力を高めています。

  • 低酸素水耕システムや過湿ポット栽培を利用した作物耐湿性の簡易サーベイ法

    短期間、幼植物を特別な環境で育てることで、耐湿性に優れた優良な育種母本や品種を探します

    一般的に湿害は作物収量や商品価値を著しく損なわせ、特に耐湿性の弱い品目を水はけの悪い畑で栽培するとその被害は甚大となります。本研究では簡易な栽培装置を用いて、短期間で作物の耐湿性サーベイが可能な手法を考案しました。

    研究の内容

    作物苗をポット栽培し、生育途中の5-10日間に、根域過湿条件になるようビニルで細工し、作物のバイオマス変化を追います。これにより、湿害が起き得る過湿期間や、湿害が起きやすい生育段階の割り出し、同品目内の耐湿性の品種間差をサーベイできます。
    ブロッコリーや加工用トマトで有効な手法でした。
    また、幼植物体を短期間、水耕溶液中に窒素をローディングして酸素分圧が低い状態とした水耕栽培システムで育成し、溶存酸素量が豊富な対照区と比べて根系のデザイン(長さ・太さ・分岐数など)やバイオマス量がどのように変化しているのかを調査します。これにより、根域低酸素耐性を有する品種を簡易にサーベイする試みです。ダイズの場合、従来言われている「耐湿性」とこの「根域低酸素耐性」には密接な関係性が示唆されます。

  • 雪シミュレーションを用いた積雪寒冷都市デザイン

    北海道・北方圏の気候風土に適した建築・都市・地域のデザイン

    風雪環境を改善することにより除雪エネルギーを最小化し、屋内建築エネルギーと一体化した都市空間像である「北方型スマートシティ」の形成に向けて、CFDを用いた積雪シミュレーションによる都市デザイン手法の研究を行っています。

    研究の内容

    研究では、冬季の積雪が深刻な札幌都心部を対象に、街区内の屋外空間や周辺環境に与える風雪の影響について、粉体風洞実験による積雪シミュレーションにより明らかにし、屋外空間における除雪エネルギーを低減する街区空間モデル「北方型スマート街区」の計画手法を構築しました。
    現在は、より簡便かつ広範囲を対象にできる雪CFDシミュレーションを用いて、北方型スマートシティの都市デザイン手法や積雪を考慮した地域デザインについて研究しています。

  • 建築物の構造性能評価と耐震性向上技術

    建物の耐震性などの構造性能を評価できます

    建物の構造性能を解析的・実験的に評価しています。例えば、 コンピュータシミュレーションによる地震時挙動評価や、振動台を用いた制振構造の制震効果検証実験などを行っています。

    研究の内容

    建物の耐震性向上技術の開発をしています。例えば、新型の制振ダンパーや、制震構造の開発とその性能評価を行っています。

  • 銀系化合物を用いる水素の活性化と接触合成反応

    高活性水素イオンの生成触媒の開発とCO2メタネーション反応への利用

    Gin De Ride(銀-Derived Hydride, GDR)は、当研究室が発見した銀系化合物から生成する高活性水素イオンで、一部を低温燃焼させることで熱を供給し、余剰GDRは例えばCH4合成に利用することで、反応が効率化できる。

    • 図1 GDR*生成触媒のイメージ図
      *GDR, Gin De Ride(銀-Derived Hydride)

    • 図2 GDR生成触媒を混合したニッケルアルミナ触媒の二酸化炭素メタネーション活性の例(上は反応器出口ガス濃度、下は熱電対温度)

    研究の内容

     水素の自然発火温度は525℃前後と高く、低温で燃焼させるためには、高活性水素を製造可能な触媒の利用が不可欠である。これまでパラジウムや白金系触媒が用いられているが、供給面や価格面などの不安を抱えている。
     当研究室では、従来の触媒に比べ供給面や価格面で有利な触媒の研究に取り組み、その結果、高活性な水素イオンを生成可能な銀系化合物を発見した。本触媒は、水素を供給すると高い活性を持つ水素イオン“Gin De Ride(銀-Derived Hydride, GDR)”を与えるため、まず低温で水素と酸素を同時供給することにより生成GDRを燃焼させ、次いで発生熱と余剰GDRを利用すれば各種合成反応を効率的に行うことが出来る。
     現在、CO2メタネーション用の触媒との複合化により、低温で反応が進行することを見出している。

  • 光干渉リソグラフィによる微細パターン創成

    空間位相制御によるマスクレスでの自由微細パターン創成

    光干渉リソグラフィに空間位相制御を導入して,マスクレスで自由パターンを転写創成する手法を開発。これまでに,従来の2ビーム干渉では実現困難であった2次元干渉パターンの生成に成功しており,現在パターン転写およびその精度向上に取り組んでいます。

    • 図1

    • 図2

    • 図3

    • 図4

    研究の内容

    半導体露光装置,超精密工作機械や精密計測機に用いられる超精密位置決め機構において位置検出センサとして用いられるリニアスケールでは,マイクロメートル級のピッチを有する回折スケール格子が位置検出の「目盛り」として用いられています。また近年,微細パターンを有する機能性表面に対する需要が様々な分野で高まっています。
    本研究では,空間位相変調したレーザ光の重畳で自在生成する干渉縞の転写で,マスクレス自由パターン創成を狙っています。これまでに,従来の2ビーム干渉では原理的に創成が困難であった2次元干渉パターンの生成に成功しています。

  • 超精密光学式角度センサ

    0.001 arc-second超の高分解能を実現し,回折スケール格子ピッチ評価に援用

    超精密位置決めステージなど,精密移動体の微小角度変位を検出する光学式角度センサを開発しています。レーザオートコリメーション法ベースの角度センサとして世界最高レベル(0.001 arc-second超)の分解能を達成しています。

    • 図1

    • 図2

    • 図3

    • 図4

    研究の内容

    半導体露光装置,超精密工作機械や精密計測機に用いられる超精密位置決め機構においては,ステージ移動中の微小回転運動誤差の影響が無視できません。
    本研究では,これら精密移動体の微小角度変位を高い分解能で検出する,高精度光学式角度センサの開発に取り組んでいます。低ノイズ信号処理回路の開発および光学系の最適化設計により,レーザオートコリメーション法ベースの角度センサとして世界最高レベル(0.001 arc-second超)の分解能を,帯域1 kHzレベルで達成しています。また,この角度センサ技術をもとに,回折スケール格子全長に渡り,位置検出の「目盛り」の揺らぎをピコメートル級分解能で校正する手法を開発中です。位置決め技術の更なる高精度化を狙います。

  • 社会実装に到達するマルチメディア人工知能技術

    産学連携研究を通してAI技術の実用化に迫る!

    本研究では、画像・映像・音楽・音声を中心とするマルチメディアデータを対象とした人工知能技術の開発を行っています。特に、産学連携研究を中心として、医用画像、社会インフラデータ、材料科学等に関わるデータを研究対象として扱っています。

    • 本研究において構築されている最先端のAI研究群

    • 本研究が加速する異分野連携と社会実装への挑戦

    研究の内容

    我々は、世界最先端の人工知能研究だけでなく、融合領域研究を推進し、実社会の課題解決に挑戦しています。具体的に、医用画像研究では国内の多数の医療機関と連携し、人間の診断精度を超えるAI技術を構築しました。また、医療・土木の研究では、AI研究の課題でもある少量データ学習を可能にするだけでなく、判定結果を説明可能にするExplainable AI (XAI)を構築し、実際の現場で利用可能な技術の実現を行っています。また、近年では、人間の脳活動データや視線データ等、人間の興味や関心に強く関連する情報をAIの学習過程に導入することで、人間のように判断可能なヒューマンセントリックAI技術の構築を行っています。

  • 小型電子加速器中性子源を用いた
    通信機器のソフトエラー試験

    宇宙線に起因する通信機器の誤動作を未然に防ぐ

    通信ネットワークを支える機器の半導体デバイスの高集積化が進展してきており、宇宙線中性子によるソフトエラーの確率が高まることが懸念されている。その対策のため、北大の小型加速器中性子源を利用して、通信機器のソフトエラー試験を実施している。

    • 中性子ソフトエラー試験の概念図(NTT提供)。3台の装置に同時にビームを照射することができる。

    研究の内容

    通信機器の大容量化・高機能化に伴い、半導体デバイスの高集積化が進んでいる。しかし、宇宙線中性子によって、ビット情報が反転し動作が混乱するソフトエラーの増加が懸念されている。そこでNTTと共同で、小型電子加速器駆動中性子源によりソフトエラーを再現させ、トラブルに対して事前に対策技術を開発できる場を提供できるようにした。これにより、故障発生率を事前に予測できるようになると共に、エラー検出や運用対処の確認が可能となり、機器の信頼性の向上につなげられる。
    本技術の特徴は「小型加速器中性子源」の活用である。従来は大規模加速器中性子源が必要とされてきたため、試験時間や実験スペースの十分な確保は困難であった。しかし本学における研究により、中性子強度が自然界の約数百万倍の施設でも、十分な試験が可能であることを実証した。

  • 文化遺産保存活用と観光に関する研究

    東南アジアにおける文化遺産国際協力プロジェクト立案・実施

    文化遺産のなかでも、特に遺跡に焦点を当て、東南アジアにおける文化遺産保存活用と観光の関係について研究をおこなっています。研究成果をもとに、他機関と協働し、文化遺産国際協力を実施しています。

    • アンコール・ワット

    • ピマーイ遺跡(タイ)

    • 現地行政とのまちづくり協議の様子(パダン)

    • 修復中の遺跡と観光客(ジャワ)

    研究の内容

    東南アジアには、アンコール遺跡群(カンボジア)、ボロブドゥール(インドネシア)など、多くの遺跡があります。政治的な混乱に加え、スマトラ沖地震・津波(2004年)などの自然災害による危機に直面しながら、各国は、それら遺跡の保存と活用に取り組んできました。観光は、遺跡に悪影響を与えると危険視されていましたが、1999年に国際文化観光憲章が採択されて以降は、文化遺産保存に不可欠なものとして捉えられるようになっています。例えば、年間約200万人以上の観光客を集客するアンコール遺跡群では、観光産業は国家レベルでの重要な外貨獲得手段となっており、広大な遺跡の保存事業も、観光客からの収益金があてられています。一方で、増え続ける観光客と遺跡保存のバランスは、地域の環境、貧困問題などが絡んで、より複雑なものとなっています。

  • 加速度センサーによるつまずき場所の特定

    高齢者の転倒予防のために

    転倒による重篤な怪我を避けるために予兆である“つまずき”の多い場所を普段の生活者の行動から探すシステムを検討した。サンダルに埋め込んだ加速度センサーによりつまずいたことを、天井の赤外線センサーネットワークによってつまずいた場所を特定する。

    研究の内容

    高齢者の緊急搬送の約8割は転倒事故だそうである(2014年東京消防庁調べ)。衰えた身体能力に意識が追いつかず小さな段差や履物、衣服につまずく。転倒を検出する研究は多いが実際に転倒を起こしてからでは遅い。そこで、よくつまずく箇所を検出して転倒を誘引する原因を予め取り除くことを考えた。ウェラブル(身につける)な装置は物忘れや装着への心理的抵抗に関して、監視カメラなどのノンウェラブル装置では死角やプライバシィの保護に関して問題がある。本研究では、普段履きのサンダルなどに加速度センサーをとりつけて“つまずいた”ことを検出する一方、連動して働く天井に設置した赤外線センサーネットワークでその箇所を特定する。実験では転倒は容易に区別できたが、つまずきを通常歩行から区別する精度は現状1/4程度であるため今後精度向上が望まれる。

    工藤 峰一 教授 Mineichi Kudo
    工学博士
  • クラウド版地中熱ヒートポンプ設計・性能予測プログラム
    ”Web Ground Club”と日本全国3次元グリッド地層データベース

    複層地盤や地下水流れ効果、冷却塔の付帯も計算できる

    10 年程前に地中熱ヒートポンプシステム(GSHP)設計・性能予測ツールGround Club(GC)を開発し,約150 本頒布.現在,クラウド対応の進化版ツールGCCを試用公開.日本全国 3 次元地層物性データベースを構築,GCCに搭載.

    研究の内容

     

    長野 克則 教授 Katsunori Nagano
    博士(工学)
  • イベント情報推薦システム

    イベント数週間前から開催日までにデータを収集して
    適切にイベント情報を推薦するシステム

    イベントに関する情報は情報としての有効期間が短く、従来の情報推薦技術では扱いにくいものでしたが、ユーザの興味や地理的特性など複数の要因を組み合わせることで柔軟に推薦を行う手法を開発しました。

    研究の内容

    ユーザの過去の情報閲覧履歴から、どのようなジャンルや情報源を好むのかを推定し、また興味の似通ったユーザの閲覧傾向を参考にしながら、対象ユーザが興味を持つイベント情報を推定します。さらに、ユーザの地理的特性を考慮して、最終的にユーザへ情報提示を行います。システム全体のパフォーマンスが上がるよう、情報配信のタイミングを全体で調整しています。

  • 高精度音響位置認識、時刻同期、選択的フリッカレス可視光通信

    サブミリオーダー位置計測とその展開

    従来手法より2桁高精度な測距技術および照明を用いた独自の時刻同期技術とを統合し、携帯端末やロボットの3次元位置ならびに速度を高速かつ正確に推定する。さらに、特定の移動体に対する選択的フリッカレス可視光通信や位置依存の情報配信を実現する。

    • スマートフォンによるジェスチャ認識

    • 室内照明による可視光通信と
      ロボット位置推定

    • ロボットトラッキングシステム

    研究の内容

    室内でのユーザや移動物体の位置をリアルタイムで正確に取得するため、位相一致法と呼ばれる高精度時刻基準点設定法を独自に提案した(測距誤差0.03 mm)。この技術を基にスマートフォンユーザのジェスチャ認識、ロボットトラッキングシステム等を開発した。さらに、カメラ機能搭載の携帯端末とLED照明を用いた独自のアルゴリズムにより、マイクロ秒オーダーの時刻同期を実現した。LED変調と端末位置の位置情報を統合することにより位置依存の情報配信や室内照明によるフリッカレス可視光通信が可能になる。