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1. 貧困をなくそう
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2. 飢餓をゼロに
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3. すべての人に健康と福祉を
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4. 質の高い教育をみんなに
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5. ジェンダー平等を実現しよう
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6. 安全な水とトイレを世界中に
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7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
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8. 働きがいも経済成長も
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9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
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10. 人や国の不平等をなくそう
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11. 住み続けられるまちづくりを
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12. つくる責任、つかう責任
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13. 気候変動に具体的な対策を
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14. 海の豊かさを守ろう
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15. 陸の豊かさも守ろう
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16. 平和と公正をすべての人に
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17. パートナーシップで目標を達成しよう
3. すべての人に健康と福祉を:54件
1. 貧困をなくそう
2. 飢餓をゼロに
3. すべての人に健康と福祉を
4. 質の高い教育をみんなに
5. ジェンダー平等を実現しよう
6. 安全な水とトイレを世界中に
7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
8. 働きがいも経済成長も
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
10. 人や国の不平等をなくそう
11. 住み続けられるまちづくりを
12. つくる責任、つかう責任
13. 気候変動に具体的な対策を
14. 海の豊かさを守ろう
15. 陸の豊かさも守ろう
16. 平和と公正をすべての人に
17. パートナーシップで目標を達成しよう
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UPDATE 多線種対応型放射線検出器の開発
単一の受光素子で3種類の放射線を同時計測可能:多層シンチレータによる装置の小型・低コスト化と独自波形弁別技術による高精度化を実現
3層のシンチレータと単一の光電子増倍管を組み合わせ、独自波形弁別技術によりα・β-・γ線を高精度に識別する技術を開発した。従来複数台に分かれていた測定器を一台に統合することで、作業効率の向上、小型軽量化、および製造コスト低減が期待される。
研究の内容
環境放射能測定等の現場では、対象核種や線種に応じた測定器の選定が必要となるため専門的な知識が必要となる。本研究では、α・β-・γ線に感度を持つ3種のシンチレータを積層し、単一の光電子増倍管(PMT)で受光する「多線種対応型検出器」を開発した。信号波形のピーク値と積分電荷量の比を用いた独自の波形弁別技術(PQD法)を用いることで、従来は困難であった3線種の同時弁別において、99.7%以上の極めて高い識別精度を達成し、さらに放射線エネルギーの定量も実現した。本技術は、複数台の検出器機能を一台に集約することを可能にし、測定器維持の簡略化や装置の小型軽量化、さらには現場における測定作業の効率化と運用コストの低減に寄与する。
石川 正純 教授 Masayori Ishikawa博士(エネルギー科学) -
古くて新しいプロバイオティクス 薬剤耐性菌問題の克服も目指した新たな動物疾病制御法の実践研究
古くて新しいプロバイオティクス
子牛の感染症(下痢症や肺炎など)は成長に悪影響を及ぼし、時には死に至らしめることから生産性を低下させる重要な課題となっています。北海道大学は、「子牛の下痢を予防したりワクチン効果を向上させるプロバイオティクス」の開発に成功しました。
研究の内容
・粉ミルク(代用乳)を原料した発酵代用乳を作製したところ、発酵品質が安定して、雑菌の混入がなく、「高品質で安全なプロバイオティクス」であることがわかりました。
・ロタウイルス感染による子牛下痢症モデルを用いた実験および下痢発生農場の子牛を用いた大規模な実証試験を実施し、発酵代用乳が子牛の下痢症の臨床症状を軽減し、腸炎による死亡を減少させることを証明しました。
・子牛へのプロバイオティクス(酪酸菌)の給与により、ワクチンに対する免疫応答が増強されることも 育成牧場での大規模実証試験で証明しました。
今内 覚 教授 Satoru Konnai獣医学博士 -
水産脂質の健康機能性評価と有効利用
水産資源を有効活用して人々の健康を守る
水産物をはじめとした水圏生物中には、陸上生物とは異なる機能性物質が数多く含まれている。脂質やカロテノイドなどの脂溶性成分に着目し、生活習慣病予防効果の解明や食品への応用技術など、生活に役立つ健康機能食品の開発にむけた研究を行っている。
研究の内容
1.ワカメから分離したフコキサンチンを非アルコール性脂肪肝炎誘導マウスに経口投与した結果、肝臓で誘導される脂質蓄積や脂質酸化を抑制し、炎症性サイトカインのmRNA発現を低下させることを見出した。
これまでの研究において、フコキサンチンの肥満予防や血糖値改善効果を明らかにしており、慢性炎症性疾患に対する予防効果が期待される。
2.北海道で生産量の多い水産物であるホタテガイの生殖巣は、未利用の加工残滓である。
卵巣には、EPAやDHAが高い機能性を示すリン脂質形態として含まれており、またホタテガイ特有のカロテノイドであるペクテノロンも含まれる。このような未利用物から、ホタテガイ卵巣脂質素材を調製した。
ホタテガイ卵巣脂質素材は、潰瘍性大腸炎モデルマウスに対して予防効果を示すことを明らかにした。細川 雅史 教授 Hosokawa Masashi -
レッドビートの生体影響を評価するヒト対象研究
レッドビート摂取による寒冷下の末梢循環促進と巧緻作業能力改善を解明
道内でも生産されるレッドビート(図1)の濃縮ドリンクの機能性を評価するヒト介入試験を行い、寒冷環境下での指先の冷えが緩和され、巧緻作業能力が改善されるエビデンスが示されました。
研究の内容
成人男性を対象に、レッドビートドリンクまたは水を単回摂取させた後、手部を冷水に30分間浸漬させて冷却し、その後の回復過程における指先の皮膚温、皮膚血流、血圧を測定しました。同時に、指先の巧緻性や調整力を評価する作業課題を行いました(図2)。その結果、水条件に比べてレッドビート条件で、冷却後の指先の血流と皮膚温の回復が促進され、また、巧緻作業パフォーマンスの改善が示されました。今後の課題として、冷凍庫内や冬季屋外作業現場などを想定した寒冷環境滞在時の生体応答評価や、レッドビートの長期摂取による影響のヒト介入試験を行う必要があります。
若林 斉 准教授 Hitoshi Wakabayashi博士(体育科学) -
プラズマ処理によるカビ様臭原因物質トリクロロアニソール除去技術の開発
カビ様臭原因物質をプラズマで効果的に除去可能
低圧アルゴン(以下Ar)プラズマおよび大気プラズマを用いて天然コルク中のカビ様臭の原因物質であるトリクロロアニソール(以下TCA)の除去を試みた。前者では最大40分の1程度まで効果的に減少させられることが分かった。
研究の内容
I. 低圧Arプラズマ照射による天然コルク中TCAの除去
・天然コルクにTCAを含侵させた試料(Control)に低圧Arプラズマを放電圧力などを変化させ照射
・Control試料の最大40分の1程度まで減少(特に低放電圧力で効果的)
II. 大気プラズマ照射による天然コルク中TCAの除去
・TCA含侵天然コルク試料(Control)に大気プラズマを放電電圧などを変化させ照射
・条件によっては3分の2程度まで除去山内 有二 准教授 Yamauchi Yuji -
1粒子解析技術に基づいたセンサー
エクソソームのスペクトル計測によるがんの識別方法
・長さが5 μm以下の微粒子(例えばエクソソームなど)の1粒子解析方法、または、微粒子を利用したセンサーのためのスペクトルデータの生産方法を提供する
・微粒子を高感度にスペクトル計測できる基板および計測装置を提供する研究の内容
本研究では、長さが5μm以下の生体微粒子などの測定が可能となる特徴を持ち、エクソソームの他、微粒子状の小さな細菌やウイルスなどが測定対象となります。また微粒子を利用したセンサーのためのスペクトルデータの生産方法を提供することが可能となります。
例えばエクソソームを測定することで、がんの検出や識別などに活用することが期待されます。
エクソソームとは細胞から分泌される体液(尿、唾液、血液など)に存在している微粒子で、近年は疾患のバイオマーカーとして注目されています。エクソソームの特徴として以下の特徴があります。
・表面分子組成が親細胞に依存している
・正常細胞はがん細胞から出てきたエクソソームを取り込むことでがん化する
・表面のタンパク質などの違いで、どこの細胞に入るか(がんの転移先)が決まる龍崎 奏 准教授 Sou Ryuzaki -
生体骨を模倣した3Dプリント可能で力学的高機能な多孔質構造体
生体骨の持つ構造的な特徴と力学的な特性を基に、3Dプリント可能で力学的高機能な新しい多孔質構造体を開発。破壊の進展が抑制可能で、高い吸収エネルギ性が可能。等方的な力学特性も実現可能。樹脂や金属を用いて3Dプリンタにより製造可能。
研究の内容
規則的な構造の繰り返しを有する一般的な多孔質構造体には、内部構造に起因した特定方向の強度低下や一度破壊が生じると容易に破壊が進展するという力学的課題がある。本シーズでは、生体内環境に最適化された多孔質材料である生体骨(海綿骨)に着目し、海綿骨の構造的な特徴と力学的な特性に基づいて確率的に構築したネットワーク構造を骨格とする新しい多孔質構造体「海綿骨模倣構造」を開発した。樹脂や金属を用いて3Dプリンタにより製造可能であることを確認した。圧縮破壊試験の結果、特定方向の強度低下が抑制でき、初期破壊後の破壊進展が抑制され吸収エネルギが高いことを確認した。本シーズにより、設計自由度が高く力学的に高機能な多孔質構造が設計・製造できる。
山田 悟史 准教授 Satoshi Yamada博士(工学) -
耐水性が高く透明な酸化グラフェン/抗菌・抗ウイルスコーティング
ナノカーボン材料の酸化グラフェンと,抗菌・抗ウイルス剤を複合化した,新しいコーティング法を開発しました。耐水性が高く,透明で基材の色に影響を与えないことから,水周り衛生に向けた新しいアプローチとして期待できます。
研究の内容
微生物は水の存在する湿潤環境を好むことから,手洗い設備等の抗菌・抗ウイルス性が強く求められています。しかし,これまで水周り環境に,簡便かつ長期的に安定して抗菌・抗ウイルス効果を得ることは出来ませんでした。酸化グラフェンは,厚さ約1nmのシート構造を持つナノカーボン材料で,多数の酸素官能基を有することから様々な分子やポリマーと強く相互作用します。この性質を利用して,基材の表面に酸化グラフェン超薄膜を強固に付着させ,さらに抗菌・抗ウイルス剤を結合させる新しいコーティング技術を開発しました。酸化グラフェン膜は透明で基材の色味を損なうことも無く,基材との結合も強いことから水で洗っても脱落しません。また水中で1か月間保管した場合でも,酸化グラフェン膜は剥離脱落することなく基材の表面に残存していることを確認しました。
宮治 裕史 教授 Hirofumi Miyaji博士(歯学) -
生体成分の代謝と未病
生体成分の代謝を考慮した非感染性病態発症機構の解明:食品の機能性評価系としての応用
生体成分(胆汁酸やミネラルなど)の代謝解析を基盤として、各種疾患の発症機構解明と実験動物を用いた未病モデルの確立に関する研究を行っています。食を介する疾患発症予防の作用点解明を目指しています。
研究の内容
加齢と摂取ネルギー過多により肝臓で合成される胆汁酸の内訳は変動し、その状態での胆汁酸の組成・濃度は概ね特定されます。したがって、特定の胆汁酸を実験動物にごく少量与えることで、この状況での胆汁酸環境を模倣した状態を構築することができます。その結果、脂肪肝や関連病態が生じることを見つけました。また、亜鉛の軽度欠乏が潰瘍性大腸炎の未病モデルとなることを見出しました。これらのことは、食生活の偏り(過剰・不足)により継続的に生ずる軽微な代謝変化が感染性・非感染性疾患の発症に関与すること、食事成分の制御で当該状況を模倣した実験系自体が「未病」のモデルとなり得ることを示しています。現在、各種未病モデルの構築を行うとともに、それらの発症メカニズム解析を実施しています。さらに、これらの系を用いて食品の機能性評価を行なっています。
石塚 敏 教授 Satoshi Ishizuka博士(農学) -
オプトジェティクスによる新規医療技術の開発
光の特性を利用した深部癌治療法、創傷治癒・組織再生促進療法の開発
様々な波長の光を利用して、生体内表面から深部にいたる病変(癌、損傷)を治療する技術を開発する。光による遺伝子発現の制御技術(オプトジェティクス)を基本技術として、さらに波長の異なる光を組み合わせることで体表から深部病変の治療法を開発する。
研究の内容
光照射においてはオン・オフをコントロールすることは容易であり、優れた時間分解能で操作することが可能である。また、狙った細胞に限定して光を照射することも可能であることから、空間分解能という意味でも優位性がある。一方、光の送達深度には限界がある。例えば、多くの光遺伝学的手法で頻用される青色光(400-500nm)は、生体透過性が低く深部組織への光照射は困難である。しかしながら、生体透過性が優れている近赤外光を利用することで、深部組織も治療ターゲットになり得ると期待される。
我々は、生体透過性が高く組織深部へ到達可能なX線領域あるいは近赤外領域の光による直接的あるいは間接的な遺伝子発現制御システムを研究しており、それにより癌細胞死を誘導あるいは傷害組織を再生する遺伝子・蛋白質を細胞内に発現させることを試みている。尾崎 倫孝 教授 Michitaka Ozaki医学博士 -
独創的糖鎖誘導体ライブラリの作成技術 × どこでも使用可能なマイクロアレイ解析システム
糖鎖自動合成技術を活用した独創的ライブラリ × オンサイト医療や研究を支えるマイクロアレイ技術
糖鎖関連相互作用は感染症やがん診断等において重要な標的である。糖鎖自動合成技術開発の過程で構築・蓄積した糖鎖、複合糖質、糖質関連阻害剤、およびその誘導体ライブラリの活用法としてどこでも利用可能なマイクロアレイ装置の開発を行った。
研究の内容
マイクロアレイ技術は構造や配列が明確な多数の化合物ライブラリと検体成分との相互作用を一斉比較解析可能な技術です。また、我々は糖鎖自動合成技術を核とした独自糖質化合物ライブラリをマイクロアレイ解析用分子として設計・制作するための最先端技術を有しています。糖質が有する相互作用情報は、血液型やO157等の血清型、がん診断マーカー(CA○○○)など、体外診断用バイオマーカーとして幅広く使用されています。さらに、感染症の変異に伴う感染パターン解析やワクチン効果の詳細な解析など、検体収取とマイクロアレイ解析をスマートホンを端末としてその場で行い、オンライン診断に使用可能な独立電源型モバイル解析装置の開発に成功しました。
比能 洋 教授 次世代物質生命科学研究センター 副センター長 Hiroshi Hinou博士(工学) -
糖タンパク質から直接糖鎖パターンを解析する技術
~【世界初】前処理不要の糖鎖選択的イオン化技術~ (北大単独出願、単独発明者技術です)
糖タンパク質や体液のような複雑な高分子や混合物中の糖鎖成分をMALDI法により選択的にイオン化する世界初の質量分析技術を発見しました。この技術は卵白や体液のような複雑な混合物中の糖鎖成分の直接解析にも利用可能であることも実証しました。
研究の内容
糖タンパク質上の糖鎖パターンはそのタンパク質の体内動態を決定する因子であり、重要なバイオマーカーです。これまで糖鎖パターン解析には糖鎖の切り出し、化学修飾、精製等の煩雑な操作が必要でした。質量分析は微量の生体分子を直接イオン化可能な超高感度高分解能分析技術です。しかし、糖タンパク質のような複合糖質や体液のような複雑な高分子や混合物中の糖鎖成分を選択的にイオン化する方法が存在していなかったため、先述の煩雑な前処理を必要としていました。我々は世界初の複合糖質糖鎖成分の選択的開裂と選択的イオン化を同時に達成し、糖タンパク質上の糖鎖パターンの直接解析に成功しました。また、この技術により卵白など複雑な混合物中の糖鎖パターンも直接解析可能となることを実証しました。
比能 洋 教授 次世代物質生命科学研究センター 副センター長 Hiroshi Hinou博士(工学) -
社会実装に到達するマルチメディア人工知能技術
産学連携研究を通してAI技術の実用化に迫る!
本研究では、画像・映像・音楽・音声を中心とするマルチメディアデータを対象とした人工知能技術の開発を行っています。特に、産学連携研究を中心として、医用画像、社会インフラデータ、材料科学等に関わるデータを研究対象として扱っています。
研究の内容
我々は、世界最先端の人工知能研究だけでなく、融合領域研究を推進し、実社会の課題解決に挑戦しています。具体的に、医用画像研究では国内の多数の医療機関と連携し、人間の診断精度を超えるAI技術を構築しました。また、医療・土木の研究では、AI研究の課題でもある少量データ学習を可能にするだけでなく、判定結果を説明可能にするExplainable AI (XAI)を構築し、実際の現場で利用可能な技術の実現を行っています。また、近年では、人間の脳活動データや視線データ等、人間の興味や関心に強く関連する情報をAIの学習過程に導入することで、人間のように判断可能なヒューマンセントリックAI技術の構築を行っています。
小川 貴弘 教授 Takahiro Ogawa博士(情報科学) -
独自の機能性脂質の開発を基盤としたin vivo核酸送達システム
世界トップクラスの核酸導入能と安全性の両立
siRNAの安全かつ効率的なin vivo送達を実現する独自の機能性脂質群を開発した。本脂質を含む脂質ナノ粒子は優れたエンドソーム脱出能力に起因する肝細胞への世界トップクラスのsiRNA導入効率および生分解性に起因する高い安全性を示した。
研究の内容
siRNAの実用化には優れた送達技術の開発がカギであるが、その送達効率には大きな伸びしろが残されている。また、実用性の観点では広い安全治療域を確保することも重要となる。さらに、特定の用途に限定されず、目的に応じた適切な製剤を提供可能なプラットフォーム技術の開発が強く望まれる。それらの実現のため、独自のpH感受性カチオン性脂質群を開発した。脂質ナノ粒子の体内動態に重要な因子である酸乖離定数の調節を実現し、標的に応じた分子設計を可能とした。また、新規脂質CL4H6を含む脂質ナノ粒子は肝細胞において世界トップクラスの効率で遺伝子発現抑制を誘導した。また、50%抑制投与量の約3,000倍もの投与量においても顕著な肝毒性は認められず、高い安全性が確認された。CL4H6はsiRNA送達後に速やかに分解除去された。
佐藤 悠介 准教授 Yusuke Sato博士(生命科学) -
先端研究基盤共用促進事業(先端研究設備プラットフォームプログラム)
顕微イメージングソリューション プラットフォーム
共用機器管理センターに設置している”同位体顕微鏡システム”を産学官共用に推進拡大する
研究の内容
”同位体顕微鏡システム”の特質である「安定同位元素イメージング技術」を有効活用する利用課題を募集、選定、実施することにより産業イノベーションへの展開を図ります。
同位元素というと、すぐに年代測定が思い浮かびます。事実、これまで同位体顕微鏡システムは主に鉱物など宇宙科学の分野で、同位体比の分析に使われてきました。これは、入手した試料の断面の「ありのまま」を観察して得られる成果です。その測定手法の発想を変えることで、同位体顕微鏡システムを産業応用に展開できます。すなわち、「ありのまま」を観るのではなく、積極的に同位体元素を調べたい試料に「ドープ」することで、今まで見ることができなかった目的のイメージングを測定することが可能になります。しかも、放射性同位体ではなく、安定性同位体を使って安全に作業することができます。圦本 尚義 教授 Hisayoshi Yurimoto理学博士 -
タンパク質代謝低下による新しい老化モデル
加齢により様々な代謝の変化が生じます。いわゆる「代謝が低下」した状態は老化や生活習慣病、老化関連疾患の発症リスクを高めます。タンパク質代謝の低下により老化を示すマウスモデルを開発しました。
研究の内容
細胞内タンパク質の分解に働くプロテアソームは種を越えて細胞に発現し、生体機能の維持に重要です。老齢個体ではプロテアソーム活性が低下し、加齢によるプロテアソームの機能低下が老化や老化関連疾患の発症に関与します。本研究ではプロテアソーム活性が低下し、老化をきたすマウスモデルを作製致しました。本モデルに高脂肪食を負荷すると脂肪肝が増悪し、タバコ煙を負荷すると肺疾患をきたします。本モデルを応用することで、様々なヒト疾患の原因となるタンパク質の異常、ターゲット分子が解明できます。
外丸 詩野 准教授 Utano Tomaru医学博士 -
ストレスによる病気の治療薬とバイオマーカーの開発
「病は気から」の分子機構に迫る分子心理免疫学
過労、不眠による突然死など社会的に広く問題となっている慢性的なストレスが、特定の神経回路の活性化を介して臓器障害と突然死をマウスに誘導する分子機構を明らかにしました。この系を利用して、ストレスに起因する病気の治療標的を探索できます。
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慢性ストレス負荷により室傍核(PVN)での交感神経が活性化(①)し,第3脳室,視床,海馬の境界部にある特定血管においてケモカインというタンパク質が産生され,血液内に存在する中枢神経系抗原を認識する自己反応性免疫細胞が血液脳関門を超えてこの特定血管周囲に集まり、微小炎症が誘導される。これが契機となり、新たな神経回路(②から⑤)が活性化し、胃・十二指腸を含む上部消化管での炎症が誘導されることで、心臓の機能不全により突然死が起こる。今回の研究による新たなブレークスルーは、「脳の特定血管での微小炎症が、新たな神経回路の活性化を誘導することで末梢臓器の機能障害が誘導されること」が明らかとなった点であり、ストレスゲートウェイ反射と呼んでいる。すでに様々な薬剤がこの実験系でテストされていて、消化管出血と突然死を防止する薬剤とその作用部位の例を示す。
ストレスにて脳内特定血管で発現上昇する遺伝子群をすでに同定しており、その中で6つの遺伝子(C2CD4D、VSTM2L、VSTM2A、TMEM5、LY6G6C、ADRA2C)は、抗体を使った抑制によってストレス後の突然死が抑制された。
研究の内容
私たちは、ストレスと病気の関連を研究しています。最近、慢性ストレスを加えたマウスに中枢神経抗原に対する自己反応性T細胞を移入すると、マウスが突然死しました。死因は、ヒトと同様に胃・十二指腸の出血による心不全が原因でした。ストレス特異的な神経回路活性化にて脳内の特定血管に移入T細胞などが集まり微小炎症が誘導され、これを起点に活性化する新たな神経回路がこの胃腸障害・心不全を引き起こしました。これまで、分子機構が解明されているストレスの動物モデルは無く、本モデルは、ストレスに起因する病気の新たな薬剤のスクリーニングに有用です。さらに、この系を用いて、ストレス時に脳内特定血管で発現上昇する分子群を同定し、それら分子に対する抗体が突然死を抑制しました。また、現在、ヒトでも自己反応性T細胞のマーカー候補を同定しています。
村上 正晃 教授 Masaaki Murakami医学博士 -
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未修飾シアリル化糖鎖および複合糖質の高感度・高分解能構造解析を実現するMALDIマトリックス
シアル酸のカルボン酸部位を修飾することなく、シアリル化糖鎖及び複合糖質をイオン化し、シアル酸残基が脱離することなく高感度かつ高分解能(リフレクターモード)で解析可能なマトリックスを開発した
研究の内容
糖鎖および複合糖質のシアリル化(シアル酸の付加)は発生、分化、疾患、感染、免疫等の様々な生命現象に関与する重要なバイオマーカーである。MALDI(マトリクス支援レーザー脱離イオン化)法は簡便かつ高感度なソフトイオン化法であるが、未修飾のシアル酸を有する糖鎖はイオン化効率が低く、さらにシアル酸の開裂等によりスペクトルが複雑化するという問題が存在する。本技術では、従来のマトリックスに対する添加系を改良することにより、一切の修飾工程を経ることなくシアリル化糖鎖及び複合糖質を、シアル酸の脱離を抑制した状態で高感度・高分解能測定に成功した。開裂パターン変化と高感度化に伴い、TOF/TOF解析や疑似MS3解析等も超微量サンプルで実施可能となった。本法は化学修飾と分離工程が不要であり、反応追跡や迅速検体解析が可能となる。
比能 洋 教授 次世代物質生命科学研究センター 副センター長 Hiroshi Hinou博士(工学) -
生物時計を考慮した健康的な生活リズムをデザインするための基盤研究
生物時計を考慮した健康的な生活・労働環境の提言
日本人は世界的にみても睡眠時間が短く、睡眠障害による経済損失は約6兆円/年と試算されています。当研究室の専門領域は、睡眠に深く関わる生物時計を研究対象とした時間生物学です。時間生物学研究を推進し、国民の健康に寄与することを目指しています。
研究の内容
生物時計は、私たちが毎日昼間に十分活動し、夜間に良質な睡眠をとれるように行動(睡眠と覚醒のタイミング)と生体内の環境を調節する重要な生体戦略です。しかし、現代社会では夜間交替勤務、時差飛行、24時間労働等により生物時計に逆らった生活を余儀なくされるものも少なくありません。私たちが生涯にわたって健康な生活を送るには、生物時計の構造および機能を理解すると共に、ライフステージや各自の生活習慣に応じて生活リズムを積極的にデザインし、最適化していくことが求められています。当研究室では、光と運動が生物時計に与える影響のメカニズム、時間栄養学を応用した効果的な栄養食事指導法の開発、睡眠・生体リズムの季節変動と生理機能の関連性を明らかにするための研究を進めています。
山仲 勇二郎 准教授 Yujiro Yamanaka博士(医学) -
カルニチンを用いた胸部外科術後の心房細動予防法の開発
心臓弁膜症においては周術期のカルニチン内服が術後心房細動 (POAF) を抑制しうるかどうかを無作為割り付け多施設共同研究により明らかにする。肺癌および食道癌においては類似の先行研究がないため、単群介入試験を行う。
研究の内容
胸部外科術後の心房細動(POAF)の頻度は高く、脳梗塞・心不全・感染症の増加につながり、入院期間の延長をもたらす点で問題となっている。唯一β遮断薬が有効とされるがその有効率は50%未満であり、副作用の点から使用できない場合も多い。脂肪酸代謝改善薬であるカルニチン製剤は近年、その抗炎症作用や脂肪酸代謝改善効果などから心筋梗塞後や冠動脈バイパス術後の不整脈抑制効果が報告されている。本プロジェクトでは、心臓弁膜症においては周術期のカルニチン内服がPOAFを抑制しうるかどうかを無作為割り付け多施設共同研究により明らかにする。肺癌および食道癌においては、単群介入試験により安全性とPOAF減少率の検討を行い、今後の無作為割り付け試験の検討に役立てる。
新宮 康栄 講師 Yasushige Shingu博士(医学)



































