研究紹介
Nanotechnology / Materials
低温高速焼結銅微粒子システム
米澤 徹
教授
Tetsu Yonezawa
博士(工学)
最低温度100℃以下での焼結可能な銅微粒子システム
新奇合成法としての液中プラズマ
低温焼結可能な銅微粒子系を検討している。酸化されにくい銅微粒子を用いてそれを分散・ペースト化し、100℃以下での迅速な焼結も可能とした。また、当研究室では新奇合成法としての液中プラズマや低融点のスズ微粒子の利用も進めている。
研究の内容
導電性ペーストには銀微粒子が良く使われているがその価格や耐マイグレーションが課題である。そこで、低価格で耐マイグレーション性もよい銅微粒子が着目される。当研究室では、耐酸化性に優れた銅微粒子を開発し、低温焼結性銅微粒子システムを構築している。
微粒子の合成法も新しく設計し、微細構造を制御して耐酸化性・焼結性能の向上を行い、焼結方法を工夫して低温焼結を実現する。金属および有機化学の多くの知見を複合してこれまでにない材料設計を行えることが当研究室の特徴である。
また、新規微粒子合成法として液中プラズマ法を取り入れており、興味深い成果を次々と創出しているほか、さらに低融点であるスズナノ粒子の安定・大量合成とその導電材料としての利用についても検討を重ねている。
社会実装への可能性
- ・電子部品用銅微粒子・ナノ粒子、多様な金属微粒子・ナノ粒子の合成技術の開発、詳細構造の解析
- ・低温焼結性微粒子導電ペーストの構築、パワー半導体などの接合材料の設計、これらの良好な再分散
産業界や自治体等へのアピールポイント
研究室では新規銅微粒子系の構築を主に推進しており、金属のみならず有機化学の知識をフル活用し、新しい銅微粒子ペーストの構築を行っている。また、新規合成手法の確立による銅微粒子の質の向上も目指している。一方、新奇合成法としての液中プラズマやさらに低融点金属のスズの利用など導電性インク・ペーストの分野に新風を吹かせている。