北海道大学 研究シーズ集

Life Sciences

レッドビートの赤色色素ベタニンの食品用分画資材のみを使用した精製法の開発と粉末状純粋ベタニンの調製

橋床 泰之 教授 Yasuyuki Hashidoko
農学博士

食品添加用および医薬原料としての精製ベタニン

食品加工用資材のみを用いて、ベタニン色素を1H-NMRレベルで純粋かつ長期間安定な「粉末」として得ることに成功しました。このベタニン粉末は、食品素材への機能性付与等に広く活用できます。これらベタニンを用いて各種機能性資材の開発を目指します。

研究の内容

レッドビート塊根をミキサー破砕後して得られた搾汁液を70%の食品添加用硫酸アンモニウムで除タンパク処理し、上清に含まれる水溶性赤色色素ベタニンを食品加工用セパビーズSP70によって部分精製しました。クエン酸との混合濃縮物(20-30 mMベタニンと1.5-2倍モル等量のクエン酸)として得たベタニンを冷暗所で共沈澱物、または95%エタノール不溶物として分離後、95%EtOH洗浄でクエン酸を完全に除き、純粋な赤黒色ベタニン粉末を得ることに成功しました。このベタニン粉末は食品への着色や機能性付与,さらには試薬原料として利用できます。レッドビート塊根加工時に廃棄される皮の部分には大量のベタニンが含まれるため、本法により、食品グレードの高純度ベタニンの低コストでの回収を提案します。

  • レッドビート(上)、
    ベタニン粉末(下)

  • ベタニン-スペルミジンイミン交換反応 (スペルミジンのヒト細胞内への効率的送達が可能に)

社会実装への可能性

  • 北海道で生産可能なレッドビートの赤色色素利用とその促進。ベタニンから新たな薬剤や機能性低分子の細胞内送達の研究資材。

産業界や自治体等へのアピールポイント

我が国では北海道が最も栽培に適しているレッドビートは、多様な機能性を持つ水溶性赤色色素ベタニンを含んでいますが、その不安定性からその利用展開が進んでいませんでした。安定かつ安全な粉末ベタニンを用いて、様々な応用展開を期待できます。

2018/4/3公開