北海道大学 研究シーズ集

Life Sciences

高眼圧緑内障モデルマウス

緑内障の神経保護剤および予防食品検討のための高眼圧緑内障疾患を持つVav遺伝子欠損マウス

緑内障は眼圧の影響を受け視野が欠損し、失明にまで至る病気である。Vav遺伝子欠損マウスは自然発症的に高眼圧を呈し、緑内障と類似の病態を示す。 このマウスを用いて、緑内障のメカニズム解明および新規治療薬や予防食品の開発を目指す。

研究の内容

我々はシグナル分子Vav2およびVav3の遺伝子欠損マウス(Vavマウス)が、生後自然発症的に高眼圧を発症し(図1)網膜神経節細胞(RGC)の脱落(図2)を示すことを世界に先駆けて発見した。さらに、RGCが蛍光発色するCFP/Vavマウスを開発し、緑内障病因の本体であるRGC細胞死を緑内障病態下で定量的に評価が可能な系を構築した。2014年にはCFP/Vavマウスを用いた研究により、眼圧が正常範囲にあるVavマウスでもRGC細胞死が起こることを発見した(図3)。この結果は日本人の緑内障で70%以上を占める正常眼圧緑内障の実験研究への第一歩と期待できる。また、CFP/Vavマウスを評価系として用いることにより世界で初めての緑内障予防食品の開発が可能となる。

  • 図1:Vav遺伝子欠損マウス(KO)は野生型マウス(WT)と比較して6週より最大40%の高眼圧を呈する

  • 図2:Vavマウスの眼球組織所見で、視神経乳頭陥凹と網膜神経節細胞の脱落が認められる

  • 図3:Vavマウスは正常眼圧出であってもRGCの減少を示す

社会実装への可能性

  • ・眼圧下降剤および神経保護剤の候補物質の探索
  • ・正常眼圧緑内障のメカニズム解明の動物実験による検討
  • ・緑内障予防食品の開発検討

産業界や自治体等へのアピールポイント

緑内障の治療薬や健康食品の開発を目指している企業との共同研究が可能です。CFP/Vavマウスに点眼および経口摂取によりシンプルにRGCの定量的評価が行えるため、高眼圧緑内障および正常眼圧緑内障における眼圧下降剤、RGC細胞保護剤、緑内障予防食品の効果を明らかにすることができます。

2018/4/3公開