北海道大学 研究シーズ集

再生可能エネルギーを農業生産に活用する試み

断熱性・複数熱源・作物選択・協働の重要性

栽培室と地中深2-3m埋設ダクト間の空気循環により、栽培室気温は夏季には低下、冬季には上昇した。そして夏季は栽培ベッドに雪冷却水を、冬季は堆肥熱保温水を循環させ、栽培ベッド内をチコリー生育温度15℃近傍に制御してチコリー生産を可能にした。

研究の内容

閉鎖された温室施設や閉校小学校の体育館を利用して、地中熱・雪冷熱・堆肥熱を活用してチコリーとホワイトアスパラガスの周年栽培に挑戦した。夏季は地中熱と雪冷水、冬季は地中熱と堆肥熱保温水によりベッド内を15℃近傍に制御できた。このためには栽培室の断熱性が重要である。この体系は地下部に養分を蓄積し、かつ生育に光を要求しない作物が適する(前述以外にウド、黄ニラ等)。これらを遂行には、設備をメンテナンスできる会社や人材をパートナーとする体制が必要である。温泉廃湯の局所保温による冬季アスパラガス生産にも取り組み、供給熱量は従来のハウス暖房の1/6に低減できた。技術とそれを生かす地域協働が重要である。

  • 夏季イメージ:栽培室―地中との空気循 盛夏でのチコリー生産環による栽培室冷却と雪冷水による栽培ベッドの冷却

  • 盛夏でのチコリー生産

社会実装への可能性

  • ・温泉廃湯・機械室余剰熱による冬季アスパラ生産
  • ・地中熱と雪冷熱による夏季チコリー生産
  • ・ウドの長期間生産
  • ・ベビーリーフの養液栽培

産業界や自治体等へのアピールポイント

研究内容に記述したことは商品を生産部分での再生可能エネルギーの利用です。熱源として木質暖房もあるでしょう。重要なことは「種苗生産と保存(チコリーなら根株養成)→再生可能エネルギーでの商品生産→消費や活用」が地域で実現することです。種子からでも短期間でつくるベビーリーフ等で、養液栽培導入も可能でしょう。

2018/4/3公開