北海道大学 研究シーズ集

Arctic Research

北極域永久凍土生態系の炭素収支

杉本 敦子 教授 Atsuko Sugimoto
理学博士

フィールドとラボのコラボで人と社会を含む系の仕組みを知る

日本の北に位置する東シベリア。ロシア北極域に広がる永久凍土生態系の植生と水・炭素収支の解明に取り組んでいます。タイガ林やツンドラの自然生態系の仕組みを解明するとともに、そこに暮らす人々の生活や経済活動も含めた北極域の系の解明を目指しています

研究の内容

北極域に広がるタイガ林は大気CO2の吸収という重要な役割を担っていますが、近年の温暖化はその機能を低下させる可能性があることが明らかになってきました。また、東シベリア北極圏の河川低地に広がるタイガ−ツンドラ境界では、微地形と土壌水分が植生や温室効果ガスの吸収・放出を支配しています。このような生態系の仕組みがフィールドワークとラボでのサンプルの分析から少しづつわかってきました。一方、人々の暮らしや社会に目を向けると、そこは気温が夏期は30度を上回り、冬期は-50度を下回る日もめずらしくない極寒の世界で、ヤクーツクは他に例を見ない永久凍土上に30万人が暮らす大都市です。また、北極圏では道路もなく孤立した村落に人々が暮らしています。人・社会を含む脆弱な北極域の系の解明を目指しています。

  • ロシア東シベリア北極圏での生態系炭素収支観測

  • 東シベリア北極圏での春の積雪観測

  • 樹木年輪の炭素安定同位体比を利用したタイガ林の環境診断。温暖化に伴う樹木の生長量の低下に加えて、異常気象も生態系や人々の暮らしに影響を及ぼしている。

社会実装への可能性

  • ・極寒・強風など極限環境下での観測・測定技術の開発。安定同位体比などを利用した生態系環境診断技術の開発。

産業界や自治体等へのアピールポイント

CO2放出量削減が求められる中で、様々な分野で日本のエネルギー削減技術の導入が期待されます。極寒環境におけるインフラ・人の生活の維持を効率よく行うための技術や社会システムの開発のモデルケースにもなり得ると考えられます。

関連情報

研究キーワード

2018/4/3公開