北海道大学 研究シーズ集

Environment

CO2ガスの分解と炭素、COガス製造

鈴木 亮輔 教授 Ryosuke O. Suzuki
工学博士

-高温溶融塩を用いた電気分解で二酸化炭素から炭素を-

高温二酸化炭素ガスを原料および熱源として電気分解し、酸素と炭素もしくは一酸化炭素に分解する。

研究の内容

化石燃料から排出される高温CO2ガスを原料および熱源として高温溶融塩に導き、3Vの直流電圧を与えると分解して非晶質炭素やカーボンナノチューブ(CNT)もしくは一酸化炭素ガスと、陽極で純酸素ガスを生成する手法を開発した。これを応用する技術開発を企業と共に行いたい。酸化チタンを還元して金属チタンを製造する方法として開発してきたが、CO2でも還元できることに着目した。酸化物イオン伝導体であるジルコニアを陽極に用いて純酸素ガスを製造するので、高温を要する。炭素と酸素を原料とする鉄鋼業界で応用を考えてきた。現在の規模では未だ反応速度が遅く、高炉法に適用するのは無理があるが、高性能なイオン伝導体を得ると効果が期待できる。CNTは厚膜のやや折れ曲がりのある管で、非晶質炭素や結晶質グラファイトも条件次第で多く生成する。

  • 二酸化炭素分解機構の模式図

  • 得られたカーボンナノチューブ

社会実装への可能性

  • 二酸化炭素を排出し800℃以上の高温廃熱を有する産業で、定置型の定常運転プラントとして炭素と酸素を作り続ける。酸素は医療用にも利用出来る純酸素で、炭素はナノチューブ、非晶質炭素などを作り分ける。

産業界や自治体等へのアピールポイント

二酸化炭素を直接反応で分解する。炭素の燃焼反応の逆であるので当然のことながら、エネルギーを消費するプロセスであるが、高温の廃熱や自然エネルギー起源の直流電源とうまく組み合わせたい。得られた超微粉炭素や純酸素の利用が期待出来る。化学工学のプロセス設計者の援助を乞いたい。

関連情報

工場排ガスから二酸化炭素を分解すると共に窒素酸化物も除去できる。多分硫黄酸化物も分解できるであろう。
大規模な化石燃料放散型プラントの二酸化炭素分解に適しており、車等の移動体適用は時期尚早である。

研究キーワード

2019/1/13公開