北海道大学 研究シーズ集

高効率半導体太陽電池

石橋 晃 教授 Akira Ishibashi
理学博士

導波路と結合した、フォトン-とフォトキャリアが直交するマルチストライプ半導体よりなる新型太陽電池

光吸収とフォトキャリア収集の最適化を同時実現し、複数半導体ストライプにより全太陽スペクトルに亘って光電変換することで、温度上昇・素子劣化が抑制され、拡散光に強い高効率集光型太陽光発電システムをリディレクション光導波路との結合により実現する。

研究の内容

従来型太陽電池では、フォトキャリアの移動方向と光の進行方向が平行の為、キャリア収集と吸収光子数はトレードオフの関係にある。本研究では、キャリア移動方向と光進行方向の直交性により、光吸収最適化とキャリア収集効率最適化を両立できる。太陽光を順次高エネルギー成分から低エネルギー成分へとスペクトル全体に亘って光電変換するので、熱としての散逸を最小限に留め、高効率を得うる。光波進行方向変換膜付き導波路タイプの集光系により、拡散光に強い太陽光発電システムを実現できる。高エネルギーフォトンを、中間ギャップ、ナローギャップ半導体へ進入させないことでボンドの変性を未然に防ぎ、素子の長寿命化が期待できる。曇天時にも強く、熱力学的限界に迫る高変換効率と高信頼性をもつ、3拍子揃った究極の集光型太陽電池システムを実現できる。

  • 図1. 変換効率ηのα、μ依存性の解明による変換効率向上のスキーム

  • 図2. 新しい光電変換素子の構造図(右下内挿図はその断面図、Wk[k=1-4]は各セルのストライプ幅)。左下内挿図は従来型太陽電池。

社会実装への可能性

  • ・ビル等の窓や壁面に導波路結合タイプを適用する
  • ・導波路結合タイプの面状構造に着目すると、カバンや携帯物、自動車の表面装着や用途に展開することも可能

産業界や自治体等へのアピールポイント

・All-in-one系の特徴を活かし、貼付等により屋根瓦や壁材そのものを太陽電池化するなど、先行太陽光発電技術では実現不可能な用途から参入したい。
・低損失導波路、多層薄膜導波路、構造付き導波路の技術を持つ、企業との共同研究を希望。

研究キーワード

本研究に関連する知的財産

特願2014-542164 「光電変換装置、建築物および電子機器」
特許第4022631号 「太陽電池および光電変換素子」
特許第5252147号 「太陽電池」
特許第5392795号 「太陽電池および光電変換素子」
2018/4/3公開