北海道大学 研究シーズ集

Nanotechnology / Materials

硫化と還元で金属粉末を製造

鈴木 亮輔 教授 Ryosuke O. Suzuki
工学博士

ガス硫化と溶融塩電解の組み合わせで新しい製錬法を開拓

室温では液体のCS2ガスを酸化物に作用させて硫化物を製造する技術と、溶融塩化物を用いた電気分解で硫化物を金属粉末に還元する技術から構成する。単体でも結合しても可。結合すると硫黄の排出のない還元法、3Dプリンター用金属粉末作成法が完成する。

研究の内容

CaCl2もしくはLiClを主成分とする溶融塩を用いた電気分解で、酸化物MOを直接に金属粉末Mに還元する手法はすでにTiで提案・開発して色々検討されている。周期律表で酸素の下にある硫黄に注目し、硫化物を同じ方法で金属チタンに還元することに成功した。酸化物からではなく硫化物から還元すると、硫黄ばかりか、酸素の残留も極めて少なく、良質の3Dプリンター用の粉末を得ることができた。他の金属について本法を工業の実際に応用する技術開発を行いたい。硫化物を安価に作り出し、また電解還元の副生成物を消費するためにも、CS2ガスを酸化物に作用させて人為的に硫化物を製造することが望まれ、こちらにも注力する。

  • 酸化物の硫化と硫化物の還元
    (Mがチタンの場合)

  • 得られたチタン粉末

社会実装への可能性

  • ニッケルや亜鉛など硫化物が鉱石で産出する金属に適用するのが実用化は早そうだが、アンチモンやビスマスなど低融点金属、モリブデン等にも応用でき、これらの粉末を提供する。

産業界や自治体等へのアピールポイント

小型の研究設備で有り、開発から実用化までは近い。装置内循環の第4種危険物CS2はセロハン製造にも用いられる汎用液体で、取扱法は確立されている。硫化のみの機能性硫化物合成や、合金や金属間化合物の粉末製造にも応用できそうである。

関連情報

技術紹介
えんじにあRing No.395[平成25年7月号]最先端をゆく北大のレアメタル研究
 

研究キーワード

2018/4/3公開