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誤嚥防止ロール状ガーゼの開発
患者さんの安全を目指して
歯科治療において使用頻度が多いロール綿だが、誤嚥事故が後をたたない。そこで誤嚥防止ロール状ガーゼを開発し、現在使用しているロール綿に変わるものとして使用できるよう、さらにコストを抑えることを目指して開発を行っています。
研究の内容
歯科用ロール綿は歯科治療における防湿、圧排などを目的として日常的に使用されていますが、誤嚥による事故が度々報告され、中には患者が死亡にいたるという残念なケースがあります。
そこで、ロール綿をより安全に使用し誤嚥による事故を減少させるため、糸付きにすることを考えました。従来のロール綿は加工上糸を縫い付けることが難しく、また、糸が外れる危険性も有するため、ガーゼを使用して「誤嚥防止ロール状ガーゼ」を開発しました。このロール状ガーゼは糸がついているため誤嚥防止の他に、置き忘れ防止や取り出しを容易にするというメリットもあります。また、吸水性、吸水速度も従来のロール綿と同等です。
今後は臨床試験を重ね、現在使用しているロール綿に変わるものとなるよう開発していきたい。川本 千春 助教 Chiharu Kawamoto博士(歯学) -
水蒸気・水混合噴霧による超低環境負荷洗浄法
『水蒸気+水』の物理作用を利用した、
薬液を使用しない超精密安心洗浄法水と水蒸気を混合しノズルから高速噴霧する全く新しい水蒸気・水混相噴霧を用いた革新的洗浄法を開発しました。薬品を使用しない超低環境負荷であることに最大の特徴があり,半導体製造プロセス等の超精密洗浄で所定の性能を発揮することを確認しました。
研究の内容
私達は、これまでの研究成果により、凝縮性気体中を液滴が固体表面に衝突する場合には、空気の場合とは異なり、「飛沫(スプラッシュ)が抑制され薄い液膜(ラメラ)が高速で固体表面を伸展する」現象を発見しており、高速ラメラにより強力な流体せん断力が発生すると考え「水蒸気と水の混合噴流を用いた低環境負荷洗浄」が可能であると考えました。
これまでの研究成果により、水と水蒸気だけを用いる事により、半導体、LED、 太陽電池などの製造プロセスで要求される超精密洗浄に対する所定の洗浄性能を、本洗浄法は発揮することを確認しました。また、本洗浄法は水と水蒸気のみを用いるために、人体に有害となる洗剤等の化学薬品を全く用いないため、人体および環境にとって安全である超低環境負荷特性を有しています。渡部 正夫 教授 Masao WatanabePhD