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成長のツボを押す新しい植物生育促進技術
排水を活用する次世代バイオマス生産と植物工場への共生細菌の利用可能性
北海道大学植物園のウキクサ亜科植物から全く新しい成長促進細菌P23を発見した。P23は植物の表面スイッチを押すことでその生育を促進する。ウキクサは排水を肥料として生育する高付加価値バイオマスであり、P23との共生によってその生産速度が約2倍
研究の内容
水生植物ウキクサは排水中の窒素やリンを吸収して生育することが可能かつ、リグニンやセルロースをほとんど含まないソフトバイオマスである。そのタンパク質含量は大豆に匹敵する約30%であり、生育環境によってデンプン蓄積量も50%に達する。前者の特徴は家畜飼料としてそのまま利用可能であり、後者はバイオ燃料生産および化成品前駆体HMFを生産するための原料として有用である。このような、次世代バイオマスの生産収率を向上するために、私たちは表層細菌の共生作用による植物生育促進技術開発を行っている。その適用範囲は、ウキクサの栽培以外に野菜・穀類の水耕栽培(植物工場)が想定される。これは遺伝子組換えを伴わない、自然の摂理に従った古くて新しいバイオ技術である。
森川 正章 教授 Masaaki Morikawa博士(工学)