北海道大学 研究シーズ集

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バイオマーカー:3件

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    エクソソームのスペクトル計測によるがんの識別方法

    ・長さが5 μm以下の微粒子(例えばエクソソームなど)の1粒子解析方法、または、微粒子を利用したセンサーのためのスペクトルデータの生産方法を提供する
    ・微粒子を高感度にスペクトル計測できる基板および計測装置を提供する

    • 【計測基板】

    • 【がんの識別】

    研究の内容

    本研究では、長さが5μm以下の生体微粒子などの測定が可能となる特徴を持ち、エクソソームの他、微粒子状の小さな細菌やウイルスなどが測定対象となります。また微粒子を利用したセンサーのためのスペクトルデータの生産方法を提供することが可能となります。
    例えばエクソソームを測定することで、がんの検出や識別などに活用することが期待されます。
    エクソソームとは細胞から分泌される体液(尿、唾液、血液など)に存在している微粒子で、近年は疾患のバイオマーカーとして注目されています。エクソソームの特徴として以下の特徴があります。
    ・表面分子組成が親細胞に依存している
    ・正常細胞はがん細胞から出てきたエクソソームを取り込むことでがん化する
    ・表面のタンパク質などの違いで、どこの細胞に入るか(がんの転移先)が決まる

  • タンパク質代謝低下による新しい老化モデル

    加齢により様々な代謝の変化が生じます。いわゆる「代謝が低下」した状態は老化や生活習慣病、老化関連疾患の発症リスクを高めます。タンパク質代謝の低下により老化を示すマウスモデルを開発しました。

    研究の内容

    細胞内タンパク質の分解に働くプロテアソームは種を越えて細胞に発現し、生体機能の維持に重要です。老齢個体ではプロテアソーム活性が低下し、加齢によるプロテアソームの機能低下が老化や老化関連疾患の発症に関与します。本研究ではプロテアソーム活性が低下し、老化をきたすマウスモデルを作製致しました。本モデルに高脂肪食を負荷すると脂肪肝が増悪し、タバコ煙を負荷すると肺疾患をきたします。本モデルを応用することで、様々なヒト疾患の原因となるタンパク質の異常、ターゲット分子が解明できます。

    外丸 詩野 准教授 Utano Tomaru
    医学博士
  • 未修飾シアリル化糖鎖および複合糖質の高感度・高分解能構造解析を実現するMALDIマトリックス

    シアル酸のカルボン酸部位を修飾することなく、シアリル化糖鎖及び複合糖質をイオン化し、シアル酸残基が脱離することなく高感度かつ高分解能(リフレクターモード)で解析可能なマトリックスを開発した

    • 従来のマトリックスを用いた解析結果
      (低感度かつピークが複雑化する)

    • 新規マトリックスを用いて同一サンプルを同一濃度で解析した結果(感度100倍以上を実現)

    • 本マトリックスを用いてTOF/TOF解析をするとシアル酸以外に還元末端側糖残基も優先的に開裂する

    • 疑似MS/MS/MS解析により糖ペプチド糖鎖の詳細な配列解析が可能となる

    研究の内容

    糖鎖および複合糖質のシアリル化(シアル酸の付加)は発生、分化、疾患、感染、免疫等の様々な生命現象に関与する重要なバイオマーカーである。MALDI(マトリクス支援レーザー脱離イオン化)法は簡便かつ高感度なソフトイオン化法であるが、未修飾のシアル酸を有する糖鎖はイオン化効率が低く、さらにシアル酸の開裂等によりスペクトルが複雑化するという問題が存在する。本技術では、従来のマトリックスに対する添加系を改良することにより、一切の修飾工程を経ることなくシアリル化糖鎖及び複合糖質を、シアル酸の脱離を抑制した状態で高感度・高分解能測定に成功した。開裂パターン変化と高感度化に伴い、TOF/TOF解析や疑似MS3解析等も超微量サンプルで実施可能となった。本法は化学修飾と分離工程が不要であり、反応追跡や迅速検体解析が可能となる。

    比能 洋 教授 次世代物質生命科学研究センター 副センター長 Hiroshi Hinou
    博士(工学)