北海道大学 研究シーズ集

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生態系復元:1件

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  • 撹乱地の生態系復元

    自然・人為により撹乱を受けた生態系をファシリテーションすることでエコフレンドリーな復元を図る

    ファシリテーションとは、ある植物の定着が他種の侵入定着を促進する現象を指す。噴火・火災・津波・採掘等の大撹乱により壊滅的被害を被った生態系において、そのようなファシリテータを検出し導入することで迅速かつエコフレンドリーな生態系復元を図る。

    • 図. 1920年に大規模噴火があった渡島駒ヶ岳においてミネヤナギパッチ内に定着したエゾチドリ。
      ミネヤナギは、多くの種の定着を促進するため生態系の多様性を高めることができる。

    • 図. 札幌市のスキー場斜面におけるファシリテータであるススキの被度と木本植物密度本数との関係(プロットサイズは4 m2 )。
      木本植物本数は、ススキの定着により増加し、ススキ草地を創出することが植林によらない天然林の誘導には有効である。

    研究の内容

    大規模撹乱後の生態系復元は急務であることが多いが、撹乱後の劣悪な環境では、なかなか目的とする植物の定着が進まないことが多かった。ファシリテータとは、その種が定着することで他種の定着を促進する効果のある植物種のことを指す。各撹乱地において、ファシリテータを検出し、それらの種を導入することで目的とする種の侵入定着が促進できれば、生態系復元は安価かつ迅速化でき、人為も軽微となるため、エコフレンドリーな生態系復元技術となる。
    これまで、サロベツ湿原泥炭採掘跡地ではミカヅキグサが、渡島駒ヶ岳ではミネヤナギが、ファシリテータとして機能していることを明らかとしており、さらに、ファシリテータ導入手法として、微地形改変が有効であることを明らかとしている。