北海道大学 研究シーズ集

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糖鎖:3件

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  • 独創的糖鎖誘導体ライブラリの作成技術 × どこでも使用可能なマイクロアレイ解析システム

    糖鎖自動合成技術を活用した独創的ライブラリ × オンサイト医療や研究を支えるマイクロアレイ技術

    糖鎖関連相互作用は感染症やがん診断等において重要な標的である。糖鎖自動合成技術開発の過程で構築・蓄積した糖鎖、複合糖質、糖質関連阻害剤、およびその誘導体ライブラリの活用法としてどこでも利用可能なマイクロアレイ装置の開発を行った。

    • 糖鎖自動合成技術からの飛躍

    • どこでもマイクロアレイの未来

    研究の内容

    マイクロアレイ技術は構造や配列が明確な多数の化合物ライブラリと検体成分との相互作用を一斉比較解析可能な技術です。また、我々は糖鎖自動合成技術を核とした独自糖質化合物ライブラリをマイクロアレイ解析用分子として設計・制作するための最先端技術を有しています。糖質が有する相互作用情報は、血液型やO157等の血清型、がん診断マーカー(CA○○○)など、体外診断用バイオマーカーとして幅広く使用されています。さらに、感染症の変異に伴う感染パターン解析やワクチン効果の詳細な解析など、検体収取とマイクロアレイ解析をスマートホンを端末としてその場で行い、オンライン診断に使用可能な独立電源型モバイル解析装置の開発に成功しました。

    比能 洋 教授 次世代物質生命科学研究センター 副センター長 Hiroshi Hinou
    博士(工学)
  • 糖タンパク質から直接糖鎖パターンを解析する技術 

    ~【世界初】前処理不要の糖鎖選択的イオン化技術~ (北大単独出願、単独発明者技術です)

    糖タンパク質や体液のような複雑な高分子や混合物中の糖鎖成分をMALDI法により選択的にイオン化する世界初の質量分析技術を発見しました。この技術は卵白や体液のような複雑な混合物中の糖鎖成分の直接解析にも利用可能であることも実証しました。

    • 従来の直接プロテオミクスと同一手順で直接グライコミクスを実現!糖タンパク質製剤の品質管理や糖質資源探索に新たな道を提供できます!

    研究の内容

    糖タンパク質上の糖鎖パターンはそのタンパク質の体内動態を決定する因子であり、重要なバイオマーカーです。これまで糖鎖パターン解析には糖鎖の切り出し、化学修飾、精製等の煩雑な操作が必要でした。質量分析は微量の生体分子を直接イオン化可能な超高感度高分解能分析技術です。しかし、糖タンパク質のような複合糖質や体液のような複雑な高分子や混合物中の糖鎖成分を選択的にイオン化する方法が存在していなかったため、先述の煩雑な前処理を必要としていました。我々は世界初の複合糖質糖鎖成分の選択的開裂と選択的イオン化を同時に達成し、糖タンパク質上の糖鎖パターンの直接解析に成功しました。また、この技術により卵白など複雑な混合物中の糖鎖パターンも直接解析可能となることを実証しました。

    比能 洋 教授 次世代物質生命科学研究センター 副センター長 Hiroshi Hinou
    博士(工学)
  • 未修飾シアリル化糖鎖および複合糖質の高感度・高分解能構造解析を実現するMALDIマトリックス

    シアル酸のカルボン酸部位を修飾することなく、シアリル化糖鎖及び複合糖質をイオン化し、シアル酸残基が脱離することなく高感度かつ高分解能(リフレクターモード)で解析可能なマトリックスを開発した

    • 従来のマトリックスを用いた解析結果
      (低感度かつピークが複雑化する)

    • 新規マトリックスを用いて同一サンプルを同一濃度で解析した結果(感度100倍以上を実現)

    • 本マトリックスを用いてTOF/TOF解析をするとシアル酸以外に還元末端側糖残基も優先的に開裂する

    • 疑似MS/MS/MS解析により糖ペプチド糖鎖の詳細な配列解析が可能となる

    研究の内容

    糖鎖および複合糖質のシアリル化(シアル酸の付加)は発生、分化、疾患、感染、免疫等の様々な生命現象に関与する重要なバイオマーカーである。MALDI(マトリクス支援レーザー脱離イオン化)法は簡便かつ高感度なソフトイオン化法であるが、未修飾のシアル酸を有する糖鎖はイオン化効率が低く、さらにシアル酸の開裂等によりスペクトルが複雑化するという問題が存在する。本技術では、従来のマトリックスに対する添加系を改良することにより、一切の修飾工程を経ることなくシアリル化糖鎖及び複合糖質を、シアル酸の脱離を抑制した状態で高感度・高分解能測定に成功した。開裂パターン変化と高感度化に伴い、TOF/TOF解析や疑似MS3解析等も超微量サンプルで実施可能となった。本法は化学修飾と分離工程が不要であり、反応追跡や迅速検体解析が可能となる。

    比能 洋 教授 次世代物質生命科学研究センター 副センター長 Hiroshi Hinou
    博士(工学)