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センサレスで実装可能な非線形補償器
PID制御系に容易に追加可能な非線形補償器
現在、産業界ではPID制御が主力の制御手法として用いられていますが、PID制御則には摩擦や重力項といった非線形項の影響により制御精度が劣化するという問題があります。我々は、PID制御器に対し容易に追加できる非線形補償器を提案しています。
研究の内容
ディジタル加速度制御(DAC)はモデル化困難な非線形項やモデリング誤差が存在する系に対してロバストな制御則です。DACは非常に効果的な制御器ですが、加速度目標値に対して制御を行うため単体では位置制御ができません。そこで、一般的なPID制御系と組み合わせたPID-DAC併合制御系によりロバストな位置・加速度制御が実現できます。さらにPID制御器などに「センサレス」で「容易」に追加することができる新しい非線形補償器として、制御対象の加速度目標値を0とした「PID-DA0制御系」、加加速度目標値を0とした「PID-DJ0制御系」という2つの制御器を提案しています。双方とも既存のPID制御器に簡単に追加でき、さらには追加のセンサも必要ないことからセンサレスでシステムの性能を向上できるという大きなメリットを持ちます。
江丸 貴紀 准教授 Takanori Emaru博士(工学)