北海道大学 研究シーズ集

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  • 表明選好法による経済行動の分析とソフトウエア開発

    データ解析環境Rを利用して

    人々の経済行動を統計分析するには、一般に実際の行動結果を利用しますが、必要なデータが入手できるとは限りません。そのようなときに役立つのが質問型調査法の表明選好法です。表明選好法を使った研究とそれを実践するためのソフトウエアを開発しています。

    • 経済行動の予測のイメージ:市民農園に関心を持っている世帯を対象として、「自宅から市民農園までの距離」と「世帯が市民農園を借りる確率」との関係を示しています。市民農園の内容によって3パターンを予測しています。

    研究の内容

    商品の購入やレクリエーション内容の決定など、人々は日々 “経済行動”しています。経済行動に影響する要因の解明やその予測は、学術・実務のどちらでも必要とされる情報です。経済行動の分析は、一般に統計資料など過去の実際の行動を記録したデータに基づいて行われますが、必要なデータがいつも入手できるとは限りません。そのようなときに役立つのが、ターゲットとする人々に対して、経済理論に基づいて設計した質問を行うことでデータを収集・分析する表明選好法です。私たちは、農業・農村分野を中心に表明選好法を活用した実証研究を行うとともに(ただし、本手法の適用範囲は農業・農村分野に限定されません)、関心のある人が表明選好法を実践できるよう、誰でも自由に利用できるデータ解析環境R用のソフトウエアパッケージを開発・公開しています。

    合崎 英男 准教授 Hideo Aizaki
    博士(農学)
  • 高付加価値メディア情報通信技術

    情報ハイディング技術によるサブチャネルデータ通信
    を利用したメディア情報通信技術の高付加価値化

    本来は情報セキュリティの手法として利用されることが一般的な情報ハイディング技術を転用することで、標準フォーマットとの互換性を維持しながらも新たな機能をつけ加えることができる高付加価値メディア情報通信技術について研究している。

    • 図1 原画像

    • 図2 改ざん画像

    • 図3 改ざんの検出

    研究の内容

    本研究は、情報ハイディング技術によるサブチャネルデータ通信を利用したメディア情報通信技術の高付加価値化を目指している。
    応用例として、本研究は、電話音声のハイファイ化について検討している。従来の電話音声は帯域制限によりこもった品質になっているが、提案法は、あらかじめ送信側で広帯域化のための情報を音声データに埋め込んでおくことで、受信側で電話音声をハイファイ化する手法になっている。
    そのほか、本研究は、原本性保証のための情報を画像データに埋め込んでおくことで、改ざんを検出する手法についても検討している。図1~3に、提案法による自動車のナンバープレートの改ざん検出例を示す。提案法は、画像が改ざんされると該当部分があぶり出され、改ざんの有無だけでなく、改ざんされた箇所も検出できる手法になっている。

  • バイオ材料で作ったマイクロ・ナノパターン

    生体構造を模倣したバイオ系マイクロ・ナノパターンで
    細胞培養ツールや組織再生へ応用を目指す

    コラーゲンなどのバイオ材料や歯科材料を用いて、生体構造を模倣したマイクロ・ナノパターンを作製しています。パターン形状や材質の種類により細胞機能向上へと繋がります。新しい可能性を追求しながら細胞培養ツールや歯周組織再生への応用を目指します。

    研究の内容

    本研究ではナノインプリント法を利用し典型的なバイオマテリアルをパターン化しています。設計したマイクロ・ナノスケールの形状により細胞機能を制御し、新規細胞培養ツールや組織再生へと繋げたいと考えています。
    ●従来技術との比較: これまで例が少ないバイオ材料にて規則正しいパターンを作製することに特徴があり、新しい機能発現が期待されます。 (*従来:不規則・平面or工業的プラスチック)
    ●効果: 平面よりもパターン化により細胞付着数や伸展度合が大幅に向上します。溝形状では細胞を簡単に配列させることができます。それにより、細胞外マトリックス(ECM)の3D構築にも繋がります。
    ●今後: パターン化材料を平面だけでなく2.5次元、3次元へ展開し、さらに階層化することにより、生体に近い構造を持つ組織再生を目指します。

    赤坂 司 准教授 Tsukasa Akasaka
    工学博士
  • 腸内環境をパラダイムシフトするαディフェンシン

    医食同源の科学的理解から予防医療まで

    Paneth細胞が分泌するαディフェンシンは腸内細菌叢を制御し、排除と共生に深く関与する。食品、αディフェンシン、腸内細菌の三者が規定する腸内環境という視点から腸内環境を評価し、パラダイムシフトを興して疾病の機序解明や予防医療開発に繋げる。

    研究の内容

    単離小腸陰窩や三次元小腸上皮培養系であるエンテロイドを用いて、腸上皮細胞であるPaneth細胞の自然免疫 (αディフェンシン分泌)、腸内細菌との共生、再生・分化など多彩な機能に関わる分子機序を、共焦点レーザー顕微鏡やフローサイトメトリーなどの最先端分析手法を駆使して解明する。腸は生体において様々な臓器間ネットワークを形成しており、Paneth細胞の機能を中心に据えて腸内環境の仕組みを解析することで、腸内環境を制御することを可能とし、様々な疾病の予防策や治療法を創生する。腸からみれば「食」も「医薬」も同じであり、創生した知から産学・地域連携を通じて健康長寿社会の実現に貢献したい。

  • ポリフェノールによる水の凍結抑制

    ポリフェノールによる過冷却促進効果の応用を目指して

    一部のポリフェノールが氷核物質と共存すると、氷核活性を抑制して結果的に過冷却状態を維持します。この凍結抑制効果(過冷却促進活性)のメカニズムの解明やいろいろな条件下での凍結防止を試みています。

    研究の内容

    ヨウ化銀や氷核細菌は、水の不均質核生成を促して水の凍結を促進します。このような氷核活性に対して抑制効果を示す化合物は、これまでにもいくつか報告されていますが、本研究で用いているポリフェノールは比較的低分子であり、共存する氷核物質の活性を数mMという低濃度で抑えて水溶液の凍結温度を数度低下させることが可能です。また、振動などの物理的刺激が加えられても過冷却を維持する効果もあります。このようなポリフェノール類は様々な植物にも含まれ、それらを産業利用するための条件検討を重ねています。例えば、動植物細胞や食品などの氷点下保存や農作物の凍霜害防止などは興味深いテーマです。凍結抑制効果はいろいろな要因の影響を受けるので、既存の凍結抑制物質の併用も含め、応用の可能性を検討し、氷核活性を阻害するメカニズムの解明も試みています。

    荒川 圭太 准教授 Keita Arakawa
    博士(農学)
  • 携帯端末用高速日本語入力システムの開発

    スマートフォン,携帯電話用の高速で容易な
    日本語入力法の開発

    スマートフォン等の携帯端末に高速かつ容易に日本語を入力する方法は未だ存在しません。本研究では強力な学習機能を用い50音の仮名1行を数字に対応させることにより通常の半分の打鍵数で日本語の入力が可能となるシステムを実現します。

    研究の内容

    本システムは、文字情報縮退方式により入力された数字列を漢字仮名混じり文に変換するものです。文字情報縮退方式により一つの数字にあ行、か行など50音の仮名1行を対応させ、高速かつ容易な入力ができます。本システムでは、入力された数字列と人手により校正された校正済み変換結果から帰納的学習により語を獲得します。したがって、辞書が空の状態からでも文脈に依存した語を獲得し、動的に対象に適応できます。入力が母音情報の縮退した数字の列なので、曖昧さが生じます。この曖昧さを解消するため、隣接文字情報、最上位階層語、位置推測情報を利用しています。最上位階層語の利用と位置推測処理により、獲得される語数の増大を図っており、隣接文字情報により、語のつながりを考慮した変換が可能となっています。

  • エネルギーハーベスティング

    振動発電とマイクロ波レクテナ

    橋梁や鉄塔など社会インフラの安全管理や輸送機の状態管理のために無線センサが有効です。われわれは環境中のエネルギーを回収して無線センサに電力を供給する振動発電型およびマイクロ波型のエネルギーバーベスタを開発しています。

    • マイクロ波ハーベスタ

    • カオス振動発電機

    研究の内容

    振動型エネルギーハーベスタでは、構造物やエンジンの振動から微小な電力を発電します。このハーベスタでは、強力な永久磁石が振動により変位したとき、コイルの磁界が変化して発生する誘導起電力を利用します。当研究室のハーベスタでは特に、カオス振動を発生させ、広帯域の振動周波数から電力が得られるようにしています。マイクロ波ハーベスタでは、無線LANやテレビの電磁波など、環境中に存在する電磁波から電力を発生します。このため、広い周波数帯域で効率よく電磁波を受信できるアンテナや、受信した電力を効率よく蓄える回路を開発しています。

    五十嵐 一 教授 Hajime Igarashi
    博士(工学)
  • 外来種アライグマ対策コスト削減のための
    巣箱型ワナ開発

    低密度状況で効果的・効率的防除手法を目指して

    日本に侵入した外来種の防除対策について、対象種の生態・行動学的特性に合わせ、かつ人間社会の状況に対応した効果的防除技術・戦略の提案を目的に研究を進めています。本研究では、アライグマの樹洞営巣習性を応用した効率的な捕獲ワナを開発しました。

    • 野外に設置した巣箱型ワナと捕獲されたアライグマ

    研究の内容

    北海道を始め全国的に増加し、被害をもたらしている外来種アライグマの防除対策は喫緊の政策課題であり、対策現場では長期化する防除事業のコスト削減が最重要課題となっています。従来の捕獲方法は、誘因餌を用いた箱ワナによる捕獲だけに依存しており、他の動物の混獲予防と誘因餌の交換のために、捕獲の有無にかかわらず毎日の見回り・点検作業を必要とし、低密度化した後でも作業量は低減しないという問題がありました。本研究で開発したアライグマの樹洞営巣性という習性を応用した巣箱型ワナは、誘引餌が不要で混獲も少なく、毎日の点検が不要で防除コストを極めて低価格に抑えることのできるワナになっています。さらに、捕獲情報を電波によってオフィスで受信できるシステムを付与することで、少人数で広範囲な防除対策を低予算で実施することを可能にしました。

  • センシング用低電力A/D変換器

    Time to digital converter のA/D変換器への利用と
    その低電力化

    もっとも簡単な構成であるSingle-Slope A/D変換器は、イメージセンサなど様々な形で利用されています。しかし、変換速度が遅いことが欠点でした。本手法は、その高速化と低電力化を同時に実現する技術です。

    研究の内容

    Single-Slope A/D変換器は、アナログ値を時間に変換してデジタル化します。そこで、Time to DigitalConverter (TDC) を用いることで、変換時間を大幅に削減できます。しかしながら、消費電力が大幅に増加してしまいます。TDCを間欠動作させることでTDC部の消費電力を数十分の一に削減し、高速化と低電力を両立いたします。本手法の特徴として、以下が挙げられます。
    ・低電力/高速化/小面積なA/D変換器の実現
    ・高精度・粗精度な2つの計測の同期・整合性を原理的に保証
    ・A/D変換特性が連続的で補正が容易。

  • 社会技術システムとしてのバイオマス利活用に関する研究

    地域循環によるバイオエネルギー普及を目指して

    循環計画システム研究室では、生ごみ、下水汚泥、家畜ふん尿、林地残材や稲わら等のバイオマスを地域内で利用し、地域分散型のバイオエネルギーを創り出すための、技術と社会の仕組み作り(社会技術システム)に関する研究をしています。

    • 左図の説明
      <バイオマス利活用システム構築で考慮すべき要素>
      健全なバイオマスの利活用システムを構築するためには、事業の目的を明確にした上で、(1)バイオマスを収集・運搬するインプット、(2)エネルギー利用や残渣の処理といったアウトプット、(3)インプットの性状に応じた変換技術の選択、(4)事業採算性(事業主体)、そして(5)地域特性のすべてを一体として考える必要があります。

    研究の内容

    本研究室では、バイオマス(生ごみ、下水汚泥、家畜ふん尿、林地残材、稲わらなど)から燃焼やメタン発酵によって回収されたエネルギーを、地域内に存在するエネルギー需要者(公共施設や介護・福祉施設、ビニールハウス等の農業施設、食品工場等)と結びつけることにより、環境と地域振興(経済)の両方に貢献できるシステム提案(実験やフィールド調査に基づく計画、モデリング、評価)を行っています。さらに、民間企業の協力を得て、寄附分野循環・エネルギー技術システム分野(古市徹客員教授、藤山淳史特任助教、http://labs.eng.hokudai.ac.jp/labo/mces/)とも連携し、エコで安全なエネルギーに関する研究を行っています。

  • 地域におけるPPP(公民連携)の可能性に関する研究

    公共施設マネジメントにおける民間活用方策

    財政制約が強まるなか、公共施設の更新が本格化しており、PPP活用による効率的な公共施設の維持・更新が求められています。こうしたなかで、PPPの手法としての特色、課題に加えて、より効果的なPPP手法の展開可能性などについて研究しています。

    研究の内容

    地方自治体が保有する公共施設については、順次、本格的な更新時期を迎えつつあります。すでに、小規模自治体では人口減少が顕著となっていますが、今後については、ほとんどの自治体で人口減少が進展する見込みとなっており、公共施設の過剰も大きな課題になると考えられています。
    こうしたなかで、公共施設の適切な管理を目的に、公共施設マネジメントの考え方が取り入れられてきていますが、更新などに当たり、PFIなどの民間活用方策の導入が、効率的な整備のために重要になっています。また、手法面の特色に加え、分野別に適した手法の選定、民間の創意工夫を引き出す工夫なども重要になっており、こうした問題認識の下で、効果的なPPP手法の展開可能性について研究しています。

    石井 吉春 特任教授 Yoshiharu Ishii
    学士(商学)
  • 農畜産施設のエネルギーマネジメントシステムの開発

    農畜産施設機器の省エネ化とバイオガス発電の新たな計画運用技術の構築

    農畜産業は環境問題、エネルギー問題、労働力不足等の問題を抱えています。このような問題をICTの活用によって効率化・最適化する手法の開発や、多様な技術・ノウハウをデータ化・可視化するシステム工学的なアプローチで解決する研究に取り組んでいます。

    • 図1 バイオガス発電施設

    • 図2 監視制御用PC

    研究の内容

    本研究室では、分散型エネルギー源を含めたエネルギー管理の最適化技術・ノウハウを応用し、エネルギー依存の高い農畜産施設内のエネルギー使用状況のモニタリング(見える化)システムを開発しました。
    農畜産業は、太陽エネルギーを用いた光合成と、これに立脚する生物活動によってバイオマスが生産されます。これらをエネルギー利用することは自然循環機能の維持増進と、その持続的発展を図る観点からも急務とされています。このようなバイオマスエネルギーのうち、家畜ふん尿等を燃料とした「バイオガス発電」(図1)は、電気と熱の併給によって熱も含めた蓄エネルギーが可能な電源特性を有しています。これらを効率的に制御する技術開発(図2)やエネルギーの有効利用方策に関する研究も行っています。

  • 光ファイバを利用した小型線量計の開発

    極微小シンチレータと光ファイバを組み合わせた
    超小型線量計を放射線治療・診断分野へ応用

    近年、X線透視による重篤な皮膚障害に対する被曝防護への関心が高まっている。本研究では、晩発性放射線障害予防を目的として、光ファイバの先端に極微小プラスチックシンチレータを取り付けた単純な構造をした、X線透視画像に写らない線量計を開発した。

    研究の内容

    X線透視を伴う血管内治療(IVR; Interventional Radiology)では、長時間にわたるX線透視を行われる。心筋梗塞などでは繰り返し手術を受ける可能性があるため、潰瘍などの重篤な皮膚障害が発生する可能性がある。従来の線量計は、透視に映るものや検出部分の体積が大きいなどの問題があった。特に、エネルギー依存性が測定の精度に影響を及ぼすため、小型でエネルギー依存性が少なく、かつ透視に映らない線量計は存在しなかったが、本研究にて開発を行ったSOF線量計は、センサー部分は生体と密度が近いためにX線透視下で全く映らないという特徴がある。また、現時点で60~150kVの範囲において感度変化5%以内を達成しているが、さらに感度変化を小さくするために、企業と共同でセンサー物質の改良を進めている。

    石川 正純 教授 Masayori Ishikawa
    博士(エネルギー科学)
  • 観光協会のDMO化に関する組織論的研究

    組織構造と組織文化による戦略の違いに着目して

    国策として注目を浴びるDMO(Destination Management Organization)について主に組織論の視点から研究を行っています。

    研究の内容

    観光協会は、日本版DMOへの関心の高まりにより、一躍、地域における観光振興の担い手として期待を集めるようになりましたが、元は資源管理を目的とした保勝会や観光関連事業者の同業者組合等の組織です。そのため観光協会がDMO化するには、組織として根本的に変革を遂げる必要があります。本研究はその変革のあり方を組織論的に考察するものです。
    例えば組織論の分野では、合意形成と目標達成のための手段における確実性から、リーダーが採用するべき戦略を規定できると言われていますが、観光協会にもこれらの理論が援用できると考えています。観光協会におけるリーダーの特定、リーダーの戦略、組織構造や組織文化に基づく組織の制御の方法などを整理することで観光協会のDMO化に関する実践的な研究が可能になります。

    石黒 侑介 准教授 Yusuke Ishiguro
    修士(国際経済法学)
  • ポータブルな液体クロマトグラフ

    電池で駆動する超軽量・超コンパクトな化学分析装置

    独自テクノロジーにより液体クロマトグラフの主要要素であるポンプ、カラム、および検出器を小型化し、B5サイズ・2 kgというコンパクトで軽量かつポータブルな液体クロマトグラフを実現。これにより分析結果をその場で迅速に得ることが可能になります。

    • ポータブル液体クロマトグラフ

    • カラムと検出器を集積したチップデバイス

    • 電気浸透流ポンプの動作原理

    • 生体アミンの分析例

    研究の内容

    我々が開発した液体クロマトグラフのポンプは電気浸透現象を原理とし、乾電池で長時間駆動します。機械的駆動部がないため極めて小型・軽量で脈流が発生しないという特徴があります。カラムと検出器(電気化学・UV)は微細加工技術を用いて名刺ほどの一枚の小さな基板上に搭載しています。カラムには従来の充填剤を使用しており、これまで使用してきた分析条件をそのまま適用できます。電気化学検出器は独自開発のくし形電極を採用しており、小型とはいえ従来機に匹敵する感度をもっています。現在、化学分析の主要な装置として使用されている液体クロマトグラフは大型で大重量であるため実験室の特定の場所での使用に限定されていましたが、我々が開発した装置はどこでも簡単に使用することができます。溶媒使用量も従来の1/100~1/1000に低減されます。

    石田 晃彦 助教 Akihiko Ishida
    博士(工学)
  • 受容体結合プロレニン系を標的とした
    新規阻害薬の開発

    慢性炎症・血管新生などの病態形成に関与する
    (プロ)レニン受容体を阻害する医薬品の開発

    糖尿病網膜症をはじめとする網脈絡膜疾患の病態形成におけるレニン・アンジオテンシン系(RAS)の関与の解明や、さらにRASの上流にあたる(プロ)レニン受容体に対する阻害薬の開発から基礎研究に至るまで、広い視野に立った取り組みを行っています。

    • 網膜受容体結合プロレニン系(網膜RAPS)と硝子体レニン・アンジオテンシン系(硝子体RAS)

    研究の内容

    加齢黄斑変性や糖尿病網膜症は、主要な中途失明原因の網脈絡膜疾患であり、生活習慣病に合併した慢性炎症性疾患と位置づけられています。しかしながら、未だ根本的な治療法の開発・疾患発症機序の解明には至っていません。我々は、これまでに生活習慣病での臓器障害において受容体結合プロレニン系(RAPS)が炎症・血管新生病態の上流で疾患の分子病態を制御していることを報告してきました。そこで現在我々は、受容体結合プロレニン系の中心に位置する(プロ)レニン受容体を標的にして、網羅的な低分子化合物スクリーニングや医薬分子設計法などの技術を用いた創薬を視野に入れた基盤研究を展開しています。さらに疾患動物モデルを用い、(プロ)レニン受容体の機能解明、および生理的機能への影響を最小限にしながら病態への早期介入治療戦略の確立を試みています。

  • 生体成分の代謝と未病

    生体成分の代謝を考慮した非感染性病態発症機構の解明:食品の機能性評価系としての応用

    生体成分(胆汁酸やミネラルなど)の代謝解析を基盤として、各種疾患の発症機構解明と実験動物を用いた未病モデルの確立に関する研究を行っています。食を介する疾患発症予防の作用点解明を目指しています。

    研究の内容

    加齢と摂取ネルギー過多により肝臓で合成される胆汁酸の内訳は変動し、その状態での胆汁酸の組成・濃度は概ね特定されます。したがって、特定の胆汁酸を実験動物にごく少量与えることで、この状況での胆汁酸環境を模倣した状態を構築することができます。その結果、脂肪肝や関連病態が生じることを見つけました。また、亜鉛の軽度欠乏が潰瘍性大腸炎の未病モデルとなることを見出しました。これらのことは、食生活の偏り(過剰・不足)により継続的に生ずる軽微な代謝変化が感染性・非感染性疾患の発症に関与すること、食事成分の制御で当該状況を模倣した実験系自体が「未病」のモデルとなり得ることを示しています。現在、各種未病モデルの構築を行うとともに、それらの発症メカニズム解析を実施しています。さらに、これらの系を用いて食品の機能性評価を行なっています。

  • 高効率半導体太陽電池

    導波路と結合した、フォトン-とフォトキャリアが直交するマルチストライプ半導体よりなる新型太陽電池

    光吸収とフォトキャリア収集の最適化を同時実現し、複数半導体ストライプにより全太陽スペクトルに亘って光電変換することで、温度上昇・素子劣化が抑制され、拡散光に強い高効率集光型太陽光発電システムをリディレクション光導波路との結合により実現する。

    • 図1. 変換効率ηのα、μ依存性の解明による変換効率向上のスキーム

    • 図2. 新しい光電変換素子の構造図(右下内挿図はその断面図、Wk[k=1-4]は各セルのストライプ幅)。左下内挿図は従来型太陽電池。

    研究の内容

    従来型太陽電池では、フォトキャリアの移動方向と光の進行方向が平行の為、キャリア収集と吸収光子数はトレードオフの関係にある。本研究では、キャリア移動方向と光進行方向の直交性により、光吸収最適化とキャリア収集効率最適化を両立できる。太陽光を順次高エネルギー成分から低エネルギー成分へとスペクトル全体に亘って光電変換するので、熱としての散逸を最小限に留め、高効率を得うる。光波進行方向変換膜付き導波路タイプの集光系により、拡散光に強い太陽光発電システムを実現できる。高エネルギーフォトンを、中間ギャップ、ナローギャップ半導体へ進入させないことでボンドの変性を未然に防ぎ、素子の長寿命化が期待できる。曇天時にも強く、熱力学的限界に迫る高変換効率と高信頼性をもつ、3拍子揃った究極の集光型太陽電池システムを実現できる。

    石橋 晃 教授 Akira Ishibashi
    理学博士
  • 広報・マーケティング・CSRによる組織戦略研究

    メディア・ソーシャルメディア戦略を基盤として

    近年、消費者や経営環境の劇的な変化により、従来の経営手法効果が上がりにくくなっています。メディア効果、マーケティング効果、ブランド訴求効果の低下を背景に、困難な時代における組織と社会の良好な関係構築のための新たな広報戦略を研究しています。

    • 北海道CSR研究会主催「北海道CSRクラスタープロジェクト」図

    研究の内容

    一般的な広報戦略は、メディアにニュースとして取り上げてもらう情報戦略がメインであり、広報効果も、メディア効果論的手法が多用されてきました。消費者の「単一価値志向」から「多様・多重価値志向」への変化、メディアの「マスメディア」から「ネットメディア」や「ソーシャルメディア」への変化を前提に、現在の社会環境を考慮して、最近は徐々に組織のCSR戦略研究の比重が増えています。
    CSRは、主としてコンプライアンスやガバナンス等の「守りのCSR」、さらに戦略的社会貢献により経営に貢献する組織のイメージ向上を目指す「攻めのCSR」に分かれます。中小企業や大企業の企業規模や業種等により、実践戦略は多少異なりますが、守りと攻め領域の適度なバランスが求められるところです。

  • 高眼圧緑内障モデルマウス

    緑内障の神経保護剤および予防食品検討のための高眼圧緑内障疾患を持つVav遺伝子欠損マウス

    緑内障は眼圧の影響を受け視野が欠損し、失明にまで至る病気である。Vav遺伝子欠損マウスは自然発症的に高眼圧を呈し、緑内障と類似の病態を示す。 このマウスを用いて、緑内障のメカニズム解明および新規治療薬や予防食品の開発を目指す。

    • 図1:Vav遺伝子欠損マウス(KO)は野生型マウス(WT)と比較して6週より最大40%の高眼圧を呈する

    • 図2:Vavマウスの眼球組織所見で、視神経乳頭陥凹と網膜神経節細胞の脱落が認められる

    • 図3:Vavマウスは正常眼圧出であってもRGCの減少を示す

    研究の内容

    我々はシグナル分子Vav2およびVav3の遺伝子欠損マウス(Vavマウス)が、生後自然発症的に高眼圧を発症し(図1)網膜神経節細胞(RGC)の脱落(図2)を示すことを世界に先駆けて発見した。さらに、RGCが蛍光発色するCFP/Vavマウスを開発し、緑内障病因の本体であるRGC細胞死を緑内障病態下で定量的に評価が可能な系を構築した。2014年にはCFP/Vavマウスを用いた研究により、眼圧が正常範囲にあるVavマウスでもRGC細胞死が起こることを発見した(図3)。この結果は日本人の緑内障で70%以上を占める正常眼圧緑内障の実験研究への第一歩と期待できる。また、CFP/Vavマウスを評価系として用いることにより世界で初めての緑内障予防食品の開発が可能となる。