北海道大学 研究シーズ集

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わ行の研究者:4件

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  • ライフサイエンス
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  • 人文・社会科学
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  • 観光・まちづくり
  • 北極域
  • 社会基盤
  • 共用機器
  • 中華圏の人々との関係構築

    東アジアのメディアと広報

    日本の地域に根ざす組織(企業、自治体など)の国際化は喫緊の課題です。特に成長する中国との関係構築は極めて重要。日本の地方組織がどのように中国・中華圏の成長を取り込めばよいのか、事例を積み上げつつ、その有効な方法をさぐります。

    • 2012年9月北京日本大使館前 尖閣諸島国有化後の反日デモ

    研究の内容

    中国は経済成長を続けている。香港、台湾や周辺国・地域との経済連携が強化され、中華圏が形成されつつあり、当該地域は世界経済にとって成長エンジンとなっている。他方、日中関係には歴史認識や領土主権などの問題が横たわっている。拡大する中国が既存の秩序を壊すのではないかと憂慮する声もある。では、日本の地方は上記のリスク要因を配慮しつつ、どのように中国と関係構築をはかればよいのか。北海道大学東アジアメディア研究センターではこれまで東アジアのメディア動向の分析をすすめてきた。その基礎の上に、中華圏にどのように情報を流せばよいのか、未来に向けて東アジアの人々といかに良好な関係構築を築くのか。発信元の組織の特性を生かした方法を考える。

  • 超音波を用いたジェスチャ認識システム

    人体に伝播させた超音波の応答によって人体内部状態を
    含めたジェスチャ認識が可能なシステム

    スマートウォッチ等のマイク・スピーカを用いて超音波を人体に発信し、その応答を解析することで力の入れ具合のような人体内部状態を含めたジェスチャを認識する手法を実現する。

    • 提案手法のシステム構成

    • 実装したデバイス

    • 力の入れ具合と周波数変化の様子

    研究の内容

    本研究のジェスチャ認識システムは、音波を発信し、その応答を用いて対象の状態を解析する、アクティブ音響センシングと呼ばれる手法を用いる。この手法により、従来の加速度センサ等では認識が困難であった力の入れ具合のような人体内部状態を含めたジェスチャ認識が可能になる。本手法はウェアラブルコンピューティング環境で用いることを想定しており、多くのデバイスに搭載されているマイク・スピーカを用いて、外部的に視認できるようなジェスチャと内部的なジェスチャを同時に取得できる点に独自性がある。本手法の応用例として、ウェアラブル環境での両手が塞がっている時のジェスチャ操作、ストレス等の力の入り具合のライフログ等への適用を想定している。

  • 水蒸気・水混合噴霧による超低環境負荷洗浄法

    『水蒸気+水』の物理作用を利用した、
              薬液を使用しない超精密安心洗浄法

    水と水蒸気を混合しノズルから高速噴霧する全く新しい水蒸気・水混相噴霧を用いた革新的洗浄法を開発しました。薬品を使用しない超低環境負荷であることに最大の特徴があり,半導体製造プロセス等の超精密洗浄で所定の性能を発揮することを確認しました。

    • 本洗浄法の概略図

    • 洗浄例:フォトレジスト剥離の様子

    • (a)空気中   (b)飽和蒸気中
      物理作用発生原理:アルコール液滴の衝突

    • (a)初期状態     (b)水蒸気・水噴霧  (c)空気・水噴霧
      洗浄例:ドライエッチ後の残渣除去における噴霧条件の差

    研究の内容

    私達は、これまでの研究成果により、凝縮性気体中を液滴が固体表面に衝突する場合には、空気の場合とは異なり、「飛沫(スプラッシュ)が抑制され薄い液膜(ラメラ)が高速で固体表面を伸展する」現象を発見しており、高速ラメラにより強力な流体せん断力が発生すると考え「水蒸気と水の混合噴流を用いた低環境負荷洗浄」が可能であると考えました。
    これまでの研究成果により、水と水蒸気だけを用いる事により、半導体、LED、 太陽電池などの製造プロセスで要求される超精密洗浄に対する所定の洗浄性能を、本洗浄法は発揮することを確認しました。また、本洗浄法は水と水蒸気のみを用いるために、人体に有害となる洗剤等の化学薬品を全く用いないため、人体および環境にとって安全である超低環境負荷特性を有しています。

  • 根で植物をコントロールする

    根の再生を制御する方法

    多くの植物にとって根は必要不可欠な器官であり、根の傷害は速やかに回復します。これは根と地上部のバイオマス比も一定値を保つ仕組みが働くためです。本研究室では根の再生メカニズムを明らかにし、バイオマス比をコントロールできる技術の可能性を示した。

    • 図1 無処理のシロイヌナズナと生育途中で主根を切ったシロイヌナズナの様子(左図)、及び根切り後4日目の根系の総延長の比較(右図)。主根を切除しても4日で同レベルまで根が再生する。(左図は処理後4日目の写真。赤矢印は主根を切った位置)。

    • 図2 本研究で明らかになったメカニズム。根切りをすることでYUCCA9遺伝子が活性化、オーキシンの合成等を経て、側根が作られたり発達したりする。このメカニズムを人為的に制御することで、植物の生育を調節できる可能性がある。一方、根切りがどのようなシグナルを引き起こしてYUCCA9を活性化させているかはまだ同定できておらず、今後の研究が待たれる。

    研究の内容

    盆栽などの園芸や果樹栽培では広く根の剪定(根切り)が行われ、経験的に根をコントロールすることで地上部をコントロールしてきました。これは根と地上部のバイオマス比が一定値を保つことを経験的に利用した手法です。私たちが発見したYUCCA9は根切りにおける根の再生に必要な植物ホルモン、オーキシンを合成する遺伝子でした。研究の過程で薬理学的に根の再生を阻害する薬剤の組み合わせや、遺伝的な形質によって根の再生が起こりずらい植物も作出することができました。
    根の再生は陸上植物で広く見られる現象であり、栽培品種についても本研究を応用することで地上部のバイオマスを増加、減少させることが可能になり、農業作物、園芸品種において高収率、労働集約、コストコントロール、高付加価値が期待できると思われます。

    綿引 雅昭 准教授 Masaaki Watahiki
    博士(地球環境科学)