北海道大学 研究シーズ集

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9. 産業と技術革新の基盤をつくろう:131件

1頁の掲載件数 20 50 改頁しない SDGs別アイコン凡例
  • 1. 貧困をなくそう
  • 2. 飢餓をゼロに
  • 3. すべての人に健康と福祉を
  • 4. 質の高い教育をみんなに
  • 5. ジェンダー平等を実現しよう
  • 6. 安全な水とトイレを世界中に
  • 7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
  • 8. 働きがいも経済成長も
  • 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 10. 人や国の不平等をなくそう
  • 11. 住み続けられるまちづくりを
  • 12. つくる責任、つかう責任
  • 13. 気候変動に具体的な対策を
  • 14. 海の豊かさを守ろう
  • 15. 陸の豊かさも守ろう
  • 16. 平和と公正をすべての人に
  • 17. パートナーシップで目標を達成しよう
  • 撹乱地の生態系復元

    自然・人為により撹乱を受けた生態系をファシリテーションすることでエコフレンドリーな復元を図る

    ファシリテーションとは、ある植物の定着が他種の侵入定着を促進する現象を指す。噴火・火災・津波・採掘等の大撹乱により壊滅的被害を被った生態系において、そのようなファシリテータを検出し導入することで迅速かつエコフレンドリーな生態系復元を図る。

    • 図. 1920年に大規模噴火があった渡島駒ヶ岳においてミネヤナギパッチ内に定着したエゾチドリ。
      ミネヤナギは、多くの種の定着を促進するため生態系の多様性を高めることができる。

    • 図. 札幌市のスキー場斜面におけるファシリテータであるススキの被度と木本植物密度本数との関係(プロットサイズは4 m2 )。
      木本植物本数は、ススキの定着により増加し、ススキ草地を創出することが植林によらない天然林の誘導には有効である。

    研究の内容

    大規模撹乱後の生態系復元は急務であることが多いが、撹乱後の劣悪な環境では、なかなか目的とする植物の定着が進まないことが多かった。ファシリテータとは、その種が定着することで他種の定着を促進する効果のある植物種のことを指す。各撹乱地において、ファシリテータを検出し、それらの種を導入することで目的とする種の侵入定着が促進できれば、生態系復元は安価かつ迅速化でき、人為も軽微となるため、エコフレンドリーな生態系復元技術となる。
    これまで、サロベツ湿原泥炭採掘跡地ではミカヅキグサが、渡島駒ヶ岳ではミネヤナギが、ファシリテータとして機能していることを明らかとしており、さらに、ファシリテータ導入手法として、微地形改変が有効であることを明らかとしている。

  • ナノ知識探索プロジェクト

    ナノ結晶デバイスの実験記録からの知識発見

    本研究では、ナノ結晶デバイスの研究開発の過程で作成される実験記録やその成果を取りまとめた論文などから、デバイス開発に有用な情報を抽出し、整理する知識マネージメントの研究を行っています。

    研究の内容

    本発表では、実際のナノ結晶デバイス開発の研究者からのインタビューに基づいた、実験記録管理システムを提案しています。本システムでは、これまで別々に保存記録されていた実験に用いていたパラメータの記録と、その結果である実験記録を統合的に管理する方法を提案しています。また、最終的な実験のまとめである論文からの情報抽出を行うことにより、研究者によって行われる一連の実験の目的や特徴などを詳細に分析し、様々な事例間の類似性などを議論するための基盤として活用する方法を提案しています。本手法では、少数の手作業で作成した情報抽出のためのコーパスに、機械学習の方法を用いることにより、未知の論文に対し、有用な情報抽出を行うための方法を提案しています。

  • 独創的糖鎖誘導体ライブラリの作成技術 × どこでも使用可能なマイクロアレイ解析システム

    糖鎖自動合成技術を活用した独創的ライブラリ × オンサイト医療や研究を支えるマイクロアレイ技術

    糖鎖関連相互作用は感染症やがん診断等において重要な標的である。糖鎖自動合成技術開発の過程で構築・蓄積した糖鎖、複合糖質、糖質関連阻害剤、およびその誘導体ライブラリの活用法としてどこでも利用可能なマイクロアレイ装置の開発を行った。

    • 糖鎖自動合成技術からの飛躍

    • どこでもマイクロアレイの未来

    研究の内容

    マイクロアレイ技術は構造や配列が明確な多数の化合物ライブラリと検体成分との相互作用を一斉比較解析可能な技術です。また、我々は糖鎖自動合成技術を核とした独自糖質化合物ライブラリをマイクロアレイ解析用分子として設計・制作するための最先端技術を有しています。糖質が有する相互作用情報は、血液型やO157等の血清型、がん診断マーカー(CA○○○)など、体外診断用バイオマーカーとして幅広く使用されています。さらに、感染症の変異に伴う感染パターン解析やワクチン効果の詳細な解析など、検体収取とマイクロアレイ解析をスマートホンを端末としてその場で行い、オンライン診断に使用可能な独立電源型モバイル解析装置の開発に成功しました。

    比能 洋 教授 次世代物質生命科学研究センター 副センター長 Hiroshi Hinou
    博士(工学)
  • 糖タンパク質から直接糖鎖パターンを解析する技術 

    ~【世界初】前処理不要の糖鎖選択的イオン化技術~ (北大単独出願、単独発明者技術です)

    糖タンパク質や体液のような複雑な高分子や混合物中の糖鎖成分をMALDI法により選択的にイオン化する世界初の質量分析技術を発見しました。この技術は卵白や体液のような複雑な混合物中の糖鎖成分の直接解析にも利用可能であることも実証しました。

    • 従来の直接プロテオミクスと同一手順で直接グライコミクスを実現!糖タンパク質製剤の品質管理や糖質資源探索に新たな道を提供できます!

    研究の内容

    糖タンパク質上の糖鎖パターンはそのタンパク質の体内動態を決定する因子であり、重要なバイオマーカーです。これまで糖鎖パターン解析には糖鎖の切り出し、化学修飾、精製等の煩雑な操作が必要でした。質量分析は微量の生体分子を直接イオン化可能な超高感度高分解能分析技術です。しかし、糖タンパク質のような複合糖質や体液のような複雑な高分子や混合物中の糖鎖成分を選択的にイオン化する方法が存在していなかったため、先述の煩雑な前処理を必要としていました。我々は世界初の複合糖質糖鎖成分の選択的開裂と選択的イオン化を同時に達成し、糖タンパク質上の糖鎖パターンの直接解析に成功しました。また、この技術により卵白など複雑な混合物中の糖鎖パターンも直接解析可能となることを実証しました。

    比能 洋 教授 次世代物質生命科学研究センター 副センター長 Hiroshi Hinou
    博士(工学)
  • ナノ微粒子を用いる炭素資源由来の窒素の無害化除去

    Fuel窒素の事前除去と高温ガス精製へのナノ微粒子の利用

    地球環境に調和した炭素資源の高度利用法の原理確立は、次世代に向けて最重要な研究テーマの一つである。本研究では、ナノスケールの金属・金属酸化物微粒子を用い、炭素資源をクリーンエネルギーに効率よく変換できる触媒プロセスの開発を目指している。

    • 図 500˚Cでのピリジン分解に
      対する褐鉄鉱の触媒性能

    研究の内容

    炭素資源中の窒素(Fuel-N)は燃焼時にNOxやN2Oとして排出され、また、高温ガス化では主にNH3に変化し後段のガス燃焼時のNOxソースとなる。本研究では、燃焼やガス化の前段の熱分解過程においてFuel-Nを無害なN2に変換する方法の開発に取り組み、イオン交換法で担持したCaイオンは熱分解時にCaOナノ粒子に変化し、N2生成に触媒作用を示すことを見出した。
    また、褐炭中に元々含まれるFeイオンや褐鉄鉱中に多く存在するFeOOHは加熱過程で容易に金属鉄ナノ粒子となり、この触媒上でNH3、ピリジン、ピロールの分解反応を行うと、N2が選択的に生成することを見出した。このような含N種は石炭ガス化で生成する粗ガス中に含まれるので、これらの化合物の除去を目的とした新しい高温ガス精製法の開発への展開を図っている。

  • 社会実装に到達するマルチメディア人工知能技術

    産学連携研究を通してAI技術の実用化に迫る!

    本研究では、画像・映像・音楽・音声を中心とするマルチメディアデータを対象とした人工知能技術の開発を行っています。特に、産学連携研究を中心として、医用画像、社会インフラデータ、材料科学等に関わるデータを研究対象として扱っています。

    • 本研究において構築されている最先端のAI研究群

    • 本研究が加速する異分野連携と社会実装への挑戦

    研究の内容

    我々は、世界最先端の人工知能研究だけでなく、融合領域研究を推進し、実社会の課題解決に挑戦しています。具体的に、医用画像研究では国内の多数の医療機関と連携し、人間の診断精度を超えるAI技術を構築しました。また、医療・土木の研究では、AI研究の課題でもある少量データ学習を可能にするだけでなく、判定結果を説明可能にするExplainable AI (XAI)を構築し、実際の現場で利用可能な技術の実現を行っています。また、近年では、人間の脳活動データや視線データ等、人間の興味や関心に強く関連する情報をAIの学習過程に導入することで、人間のように判断可能なヒューマンセントリックAI技術の構築を行っています。

  • 高速超親水および滑落性制御型超撥水・超撥油表面の構築

    水が油が、よく濡れる、すぐ滑り落ちる、よくくっつく

    高速で水が濡れ広がる超親水や、水・油をとてもよく弾くけれども表面に吸着していたり、簡単に滑り落ちたりと、滑落性を簡単に制御できる超撥水・超撥油表面を創り出す方法についてご紹介します。

    • 超親水・超撥水・超撥油表面

    • 滑落性が制御できる超撥水表面

    研究の内容

    アノード酸化(陽極酸化)は、金属の表面にさまざまなナノ構造をもつ酸化物を形成する手法です。新規な電解質化学種を用いたアノード酸化により、sub-10 nm(10 nm以下)の直径をもつナノファイバー酸化物を大量に形成する手法を開発しました。ナノファイバーの生成密度は、1 cm2あたり1010本(100億本)オーダーと極めて高密度です。このような高密度ナノファイバーを形成した金属表面が、1秒以下の高速の超親水性や滑落性制御型の超撥水性・超撥油性を発現することを見いだしました。微細パターニング技術を用いて濡れ性の異なる表面を混在させることもできます。

  • 独自の機能性脂質の開発を基盤としたin vivo核酸送達システム

    世界トップクラスの核酸導入能と安全性の両立

    siRNAの安全かつ効率的なin vivo送達を実現する独自の機能性脂質群を開発した。本脂質を含む脂質ナノ粒子は優れたエンドソーム脱出能力に起因する肝細胞への世界トップクラスのsiRNA導入効率および生分解性に起因する高い安全性を示した。

    研究の内容

    siRNAの実用化には優れた送達技術の開発がカギであるが、その送達効率には大きな伸びしろが残されている。また、実用性の観点では広い安全治療域を確保することも重要となる。さらに、特定の用途に限定されず、目的に応じた適切な製剤を提供可能なプラットフォーム技術の開発が強く望まれる。それらの実現のため、独自のpH感受性カチオン性脂質群を開発した。脂質ナノ粒子の体内動態に重要な因子である酸乖離定数の調節を実現し、標的に応じた分子設計を可能とした。また、新規脂質CL4H6を含む脂質ナノ粒子は肝細胞において世界トップクラスの効率で遺伝子発現抑制を誘導した。また、50%抑制投与量の約3,000倍もの投与量においても顕著な肝毒性は認められず、高い安全性が確認された。CL4H6はsiRNA送達後に速やかに分解除去された。

    佐藤 悠介 准教授 Yusuke Sato
    博士(生命科学)
  • 光触媒結晶性酸化チタン薄膜の超高速成膜

    高温熱処理不要な超高速電解成膜技術

    結晶性酸化チタンは光触媒として実用的に重要な酸化物です。一般に高温での熱処理を必要とする結晶性二酸化チタン薄膜を,水溶液中の電解成膜法を用いてわずか数秒以内に各種金属基板上に製膜する技術を開発しました。

    • 成膜した酸化チタン膜の断面TEM写真とUV照射による超親水化を示す写真

    研究の内容

    Al,Zn,Fe,Cuなどの実用金属基板上にTiF62-を含む水溶液からわずか数秒の電解により酸化チタン薄膜を得ることに成功しました。得られた酸化チタン薄膜はアナターゼ結晶性であり,熱処理することなく,光触媒活性を示します。表面の有機物をUV照射で分解し,超親水化するなどの優れた特性を確認しています。この酸化チタン膜には基板元素がドープされることから可視光応答性などの新たな機能発現も期待できます。透明導電膜などへの成膜も可能です。

  • 先端研究基盤共用促進事業(先端研究設備プラットフォームプログラム)

    顕微イメージングソリューション プラットフォーム

    共用機器管理センターに設置している”同位体顕微鏡システム”を産学官共用に推進拡大する

    • 【利用例】核酸物質の細胞内局在を観察するにあたり、従来の蛍光物質で標識する方法では観察対象の化学的性質が変化してしまう可能性があります。
      本利用課題では、核酸物質を安定同位体18Oで標識し、それを同位体顕微鏡で観察することで、本来の局在を観察することに成功しました。(Hamasaki et al, 2013, Nucleic Acids Research, 41 (12), e126, doi: 10.1093/nar/gkt344)

    研究の内容

    ”同位体顕微鏡システム”の特質である「安定同位元素イメージング技術」を有効活用する利用課題を募集、選定、実施することにより産業イノベーションへの展開を図ります。
    同位元素というと、すぐに年代測定が思い浮かびます。事実、これまで同位体顕微鏡システムは主に鉱物など宇宙科学の分野で、同位体比の分析に使われてきました。これは、入手した試料の断面の「ありのまま」を観察して得られる成果です。その測定手法の発想を変えることで、同位体顕微鏡システムを産業応用に展開できます。すなわち、「ありのまま」を観るのではなく、積極的に同位体元素を調べたい試料に「ドープ」することで、今まで見ることができなかった目的のイメージングを測定することが可能になります。しかも、放射性同位体ではなく、安定性同位体を使って安全に作業することができます。

  • ガバナンスの理論と実践を踏まえた
    行政システムの設計・構築

    官民協働による安全・安心な地域・社会づくり

    安全・環境規制や科学技術政策、地方創生などの事例研究を踏まえ、様々な「技術」の社会導入・普及に係る政策問題の解決に資する行政システムを利害関係者の「協働」により構築していく手法について、ガバナンスの理論と実践の観点から研究しています。

    • 2016年5月刊行の私の規制研究の成果です(ISBN: 9784000611213)。規制基準の国際調和化、技術情報の分散化、官民関係の多元化が進む中、規制行政機関はどのようにして自らの裁量を確保しようとしているか。国内外に広がる「規制空間」の構造は、それによりどのように変容しているか。木造建築、軽自動車、電気用品の安全に関する技術基準の設定、規制の実施過程を素材に分析しました。

    • 2016年4月刊行のこの論文集(ISBN: 9784832968257)には、2001年の中央省庁等改革における科学技術の省庁再編の研究成果が掲載されました。旧科学技術庁は、その一部が内閣府に引き継がれ、一部が旧文部省と統合されて文部科学省となりましたが、科学技術・イノベーション政策の「司令塔機能強化」が実現するかどうかは、今後の運用次第です。

    • 2018年7月刊行の地方創生に関する共同研究の成果です(ISBN: 9784000238953)。私はまず、北海道と四国の政策担当者への聞き取り調査の結果から、地方創生に地方分権と中央集権の両側面があったことを論じました。その上で、戦後日本の国土政策(東京一極集中の是正)と内閣主導の地方創生の推進体制などを比較することにより、今後の地方創生のあり方を検討しました。

    研究の内容

    「技術」は、地域・社会に大きな便益をもたらす反面、様々なリスクを孕んでもいます。したがって、そうした「技術」を社会に導入し普及させていく際には、そのリスクを軽減する行政システムを設計して、その社会的便益を最大化できる公共政策のあり方を考えていく必要があります。
    そうした公共政策について抱くイメージは、例えば自動車の事例でもメーカー、規制当局、そして我々ユーザーといった利害関係者で異なっていることが多く、また、規制は国際基準によって規定されていたりもします。
    そうした中で、「技術」の社会導入・普及の政策問題を丁寧に抽出してその全体像を俯瞰し、利害関係者が折り合える点を模索し、合意形成を図っていくとともに、官・民が手を携えて行政システムを構築し運営していく手法を考えます。

  • 小型電子加速器中性子源を用いた
    通信機器のソフトエラー試験

    宇宙線に起因する通信機器の誤動作を未然に防ぐ

    通信ネットワークを支える機器の半導体デバイスの高集積化が進展してきており、宇宙線中性子によるソフトエラーの確率が高まることが懸念されている。その対策のため、北大の小型加速器中性子源を利用して、通信機器のソフトエラー試験を実施している。

    • 中性子ソフトエラー試験の概念図(NTT提供)。3台の装置に同時にビームを照射することができる。

    研究の内容

    通信機器の大容量化・高機能化に伴い、半導体デバイスの高集積化が進んでいる。しかし、宇宙線中性子によって、ビット情報が反転し動作が混乱するソフトエラーの増加が懸念されている。そこでNTTと共同で、小型電子加速器駆動中性子源によりソフトエラーを再現させ、トラブルに対して事前に対策技術を開発できる場を提供できるようにした。これにより、故障発生率を事前に予測できるようになると共に、エラー検出や運用対処の確認が可能となり、機器の信頼性の向上につなげられる。
    本技術の特徴は「小型加速器中性子源」の活用である。従来は大規模加速器中性子源が必要とされてきたため、試験時間や実験スペースの十分な確保は困難であった。しかし本学における研究により、中性子強度が自然界の約数百万倍の施設でも、十分な試験が可能であることを実証した。

  • 革新的なアルマイトの創製と機能発現

    表面が変われば、全てが変わる

    アルミニウムの耐食性不働態皮膜として極めて有名な「アルマイト」を革新し、アルミニウムに優れた特性や新しい機能を発現する研究をご紹介します。

    研究の内容

    「アルマイト」とはアルミニウム表面に形成された人工的な不働態皮膜のことであり、およそ100年前に日本で開発されました。私たちの身の回りにはたくさんのアルマイト製品がありますが、私たちの研究グループではアルミニウム表面にアルマイトを形成するための化学物質や形成手法(陽極酸化)を一から見直し、優れた特性や革新的な機能を発現する新しいアルマイト形成法の開発に挑んでいます。具体的には、とても規則的なナノ構造をもつアルマイト、ビッカース硬度Hv = 600以上の硬いアルマイト、酸・塩基性環境や塩化物環境においても高い耐食性をもつアルマイト、ルミネッセンスや構造色を生じて美しく光るアルマイトなどです。

  • 燃焼機器で生じる音響振動解析

    燃焼装置や燃焼ガス排気系統でしばしば音響振動が生じ、騒音の発生や燃焼措置の寿命低下を引き起こす。これは、燃焼装置や排気系統で生じる発熱変動と音響圧力変動が連動することより生じる。本研究は、この物理過程の解析とその抑制技術の検討を行っている。

    研究の内容

    燃焼装置や燃焼ガス排気系統でしばしば音響振動が生じ、騒音の発生や燃焼措置の寿命を低下につながる。これは、燃焼装置や排気系統で生じる発熱変動と音響圧力変動が連動することより生じるが、これが生じる物理過程の解析と抑制技術の検討を行っている。研究の手法としては、単一の円管内に可燃性ガスを封入しその一端に着火させ火炎が管内を伝播する際に生じる音響振動現象を用いる。この伝播現象に種々の境界条件(開放端条件・伝播方向・混合ガス組成・伝播管直径と長さ・火炎面の構造等)を与え、音響振動現象を引き起こした上で、その要因を燃焼の不安定性解析手法により理解する。ここで再現された振動現象は単純化された系で観察されるものであるが一般性のある現象であり、実際の燃焼機器や排気系統で生じる音響振動現象の理解に直接つながるものである。

  • 微小重力場を利用した燃焼現象解明

    燃焼現象は局所的な温度上昇を伴うことから周辺に常に自然対流が生じる。このことが現象を複雑化し、その基本的理解を難しくしている。本研究では微小重力環境を活用することで、自然対流を取り除き燃焼現象を基本的立場から理解しようとするものである。

    研究の内容

    燃焼現象は局所的な温度上昇を伴うことから周辺に自然対流が常に生じる。このことが現象を複雑化し、その基本的理解を難しくしている。本研究では微小重力環境を活用することで、自然対流を取り除き燃焼現象に含まれる基礎的過程(拡散・熱伝導・すす生成・着火・火炎伝播等)を理解し、このような現象が介在する燃焼装置や燃焼現象の数値予測やモデリングに役立てていこうとするものである。北海道大学には常時利用可能な40m級の大型落下塔があり、微小重力実験を容易に実施可能な環境にある。また、国際共同研究による航空機を用いた微小重力実験や国際宇宙ステーションによる実験も進めており、微小重力場を利用した燃焼研究を行う上で恵まれた環境にある。

  • ストレスによる病気の治療薬とバイオマーカーの開発

    「病は気から」の分子機構に迫る分子心理免疫学

    過労、不眠による突然死など社会的に広く問題となっている慢性的なストレスが、特定の神経回路の活性化を介して臓器障害と突然死をマウスに誘導する分子機構を明らかにしました。この系を利用して、ストレスに起因する病気の治療標的を探索できます。

    • 慢性ストレス負荷により室傍核(PVN)での交感神経が活性化(①)し,第3脳室,視床,海馬の境界部にある特定血管においてケモカインというタンパク質が産生され,血液内に存在する中枢神経系抗原を認識する自己反応性免疫細胞が血液脳関門を超えてこの特定血管周囲に集まり、微小炎症が誘導される。これが契機となり、新たな神経回路(②から⑤)が活性化し、胃・十二指腸を含む上部消化管での炎症が誘導されることで、心臓の機能不全により突然死が起こる。今回の研究による新たなブレークスルーは、「脳の特定血管での微小炎症が、新たな神経回路の活性化を誘導することで末梢臓器の機能障害が誘導されること」が明らかとなった点であり、ストレスゲートウェイ反射と呼んでいる。すでに様々な薬剤がこの実験系でテストされていて、消化管出血と突然死を防止する薬剤とその作用部位の例を示す。
      ストレスにて脳内特定血管で発現上昇する遺伝子群をすでに同定しており、その中で6つの遺伝子(C2CD4D、VSTM2L、VSTM2A、TMEM5、LY6G6C、ADRA2C)は、抗体を使った抑制によってストレス後の突然死が抑制された。

    研究の内容

    私たちは、ストレスと病気の関連を研究しています。最近、慢性ストレスを加えたマウスに中枢神経抗原に対する自己反応性T細胞を移入すると、マウスが突然死しました。死因は、ヒトと同様に胃・十二指腸の出血による心不全が原因でした。ストレス特異的な神経回路活性化にて脳内の特定血管に移入T細胞などが集まり微小炎症が誘導され、これを起点に活性化する新たな神経回路がこの胃腸障害・心不全を引き起こしました。これまで、分子機構が解明されているストレスの動物モデルは無く、本モデルは、ストレスに起因する病気の新たな薬剤のスクリーニングに有用です。さらに、この系を用いて、ストレス時に脳内特定血管で発現上昇する分子群を同定し、それら分子に対する抗体が突然死を抑制しました。また、現在、ヒトでも自己反応性T細胞のマーカー候補を同定しています。

    村上 正晃 教授 Masaaki Murakami
    医学博士
  • 組織の内部コミュニケーションに関する研究

    リスクと戦略系におけるコミュニケーション

    経営組織の内部で形成されるリスクコミュニケーションに関心があります。「リスク」は「純粋リスク」と「動態的リスク」に大別されますが、これらの要素がどのように組織内でコミュニケーションを形成し、個人や集団の行動を規定するのかを検討しています。

    • 図 ウクライナ・キエフ市内での抗議デモ(2014年1月, 筆者撮影)
      EU経済圏へ加入することを望む人々がヤヌコーヴィチ大統領の判断(EU加盟を見送り)へ抗議するデモ。

    研究の内容

    私の研究目的は、まずは組織の内部で形成される固有のコミュニケーション現象を突き止めることにあります。「純粋リスク」では、特に製品事故における対内的/対外的な組織広報のあり方や、危険物取扱組織における対内的リスクコミュニケーションのあり方を模索しましたが、ここ暫くは、「動態的リスク」を重点的に扱ってきました。組織の中で創出/攪乱・拡散/構造化するコミュニケーションを観察し、そのひとつひとつに、組織にとっての、何らかの、「意味/価値のまとまり」を見つけることが、斬新な組織戦略を導くと考えており、研究の独自性や特徴はそこにあると考えております。この点について、最近は社会的組織(例:写真)がどのような意図を持って組織化されていくのかも検討しております。

  • 未修飾シアリル化糖鎖および複合糖質の高感度・高分解能構造解析を実現するMALDIマトリックス

    シアル酸のカルボン酸部位を修飾することなく、シアリル化糖鎖及び複合糖質をイオン化し、シアル酸残基が脱離することなく高感度かつ高分解能(リフレクターモード)で解析可能なマトリックスを開発した

    • 従来のマトリックスを用いた解析結果
      (低感度かつピークが複雑化する)

    • 新規マトリックスを用いて同一サンプルを同一濃度で解析した結果(感度100倍以上を実現)

    • 本マトリックスを用いてTOF/TOF解析をするとシアル酸以外に還元末端側糖残基も優先的に開裂する

    • 疑似MS/MS/MS解析により糖ペプチド糖鎖の詳細な配列解析が可能となる

    研究の内容

    糖鎖および複合糖質のシアリル化(シアル酸の付加)は発生、分化、疾患、感染、免疫等の様々な生命現象に関与する重要なバイオマーカーである。MALDI(マトリクス支援レーザー脱離イオン化)法は簡便かつ高感度なソフトイオン化法であるが、未修飾のシアル酸を有する糖鎖はイオン化効率が低く、さらにシアル酸の開裂等によりスペクトルが複雑化するという問題が存在する。本技術では、従来のマトリックスに対する添加系を改良することにより、一切の修飾工程を経ることなくシアリル化糖鎖及び複合糖質を、シアル酸の脱離を抑制した状態で高感度・高分解能測定に成功した。開裂パターン変化と高感度化に伴い、TOF/TOF解析や疑似MS3解析等も超微量サンプルで実施可能となった。本法は化学修飾と分離工程が不要であり、反応追跡や迅速検体解析が可能となる。

    比能 洋 教授 次世代物質生命科学研究センター 副センター長 Hiroshi Hinou
    博士(工学)
  • バイオマス由来の環境にやさしい海洋生物付着防止化合物

    フジツボなどに対する有害な海洋生物付着阻害剤が海洋環境汚染の原因となっており、安全な代替品開発が求められている。私たちは、バイオマス由来の化合物を合成することで強力かつ低毒性化合物の創出に成功している。更なる最適化も可能である。

    研究の内容

    人類の海洋利用(船舶や発電所の冷却管など)は不可欠であるが、フジツボなどの付着生物によって船舶の燃費悪化や詰まりなどの機能低下を引き起こされる。機能低下を防止するために、有機スズ化合物が使用されてきたが毒性のため使用が禁止され、代替品の開発が望まれている。私たちは、ウミウシなどの海洋生物が他の生物の付着から防御するために用いる化合物に着目している。化合物の合成の結果、付着防止に重要な官能基(付着防止ユニット)を見出した。この官能基を安価な海洋生物由来のバイオマスに短工程で導入し、合成品の付着阻害試験(タテジマフジツボのキプリス幼生)を行ったところ、非常に強い付着阻害活性と極めて弱い毒性を併せ持つことを見出した。現在、類似化合物の合成や更なる機能を付与する研究を展開している。

  • クラウド版地中熱ヒートポンプ設計・性能予測プログラム
    ”Web Ground Club”と日本全国3次元グリッド地層データベース

    複層地盤や地下水流れ効果、冷却塔の付帯も計算できる

    10 年程前に地中熱ヒートポンプシステム(GSHP)設計・性能予測ツールGround Club(GC)を開発し,約150 本頒布.現在,クラウド対応の進化版ツールGCCを試用公開.日本全国 3 次元地層物性データベースを構築,GCCに搭載.

    研究の内容

     

    長野 克則 教授 Katsunori Nagano
    博士(工学)