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NEW マレック病モデルを基盤とした鶏T細胞応答解析と家禽疾病予防戦略への展開
鶏の感染症制御に向け、マレック病をモデルとした高度な免疫学的解析により、ワクチンの作用機序や病原性の要因特定に取り組んでいます。この手法は他感染症や資材の効果判定にも応用可能で、科学的根拠に基づいた次世代の予防・飼養管理戦略を支援します。
研究の内容
鶏はファブリキウス嚢でのB細胞分化や末梢血中への高いγδT細胞の分布など、哺乳類とは異なる免疫システムを保持しています。本研究ではマレック病をモデルとし、強毒株やワクチン株に感染した鶏のCD4/CD8/γδ各T細胞分画の動態や活性を評価するなどの免疫学的解析手法により、現行ワクチンの作用機序や野外株の病原性の差を生じさせる免疫学的要因の解明を進めています。本アプローチは、従来知見を補完する高度なエビデンス構築を可能にするだけでなく、他感染症の応答解明やワクチン等の資材における効果判定にも広く応用可能です。鳥類免疫の専門的知見と解析技術を提供することで、多様な鶏の感染症予防戦略や飼養管理向上の基盤構築への貢献を目指しています。
村田 史郎 准教授 Shiro Murata博士(獣医学) -
「すごそうな英語」 よりも 「伝わる英語」 の習得と教育のために
様々な言語の話者が英語でコミュニケーションを行っている現代において重要なのは「母語話者のような英語」よりも実際に相手に「伝わる英語」だと言われています。私は音声言語を中心に英語の「伝わりやすさ」に影響を与える特性について研究しています。
研究の内容
近年の英語習得研究においては特に音声言語において「母語話者らしさ(nativelikeness)」と「伝わりやすさ(intelligibility)」が区別され、それぞれが異なる要素の影響を受けていると言われています。恐らく言語一般的に母語話者らしさに影響を与えるのは当該言語の方言差が生じる部分で、英語の発音では母音の違い(route: 英/ru:t/ 米/raʊt/)、日本語の発音ではピッチアクセントの違い (牡蠣 vs 柿)) がこれに相当します。一方で国際コミュニケーションのためには 「伝わりやすさ」 の向上が重要であることは学界の共通認識であるものの、その要因となる特性については更なる研究が必要な状況です。本研究では様々な母語の話者による日本人英語音声の評価とその音声特性との相関を分析しました。
小西 隆之 准教授 Takayuki KONISHI博士 (国際コミュニケーション) -
台風強度及び豪雨の発達予測システム
雷放電計測から数時間先の豪雨と数日先の台風発達を予測
都市部でのゲリラ豪雨や大規模な台風は甚大な災害を引き起こす。災害を防ぐためには発達度をいち早く予測することが重要である。本研究は、局所発達する雷雲や台風勢力圏内で発生する雷放電活動から、数時間先の豪雨や1-2日先の台風強度を直前予測する。
研究の内容
本研究は、雷放電から放射される1-50 kHz VLF帯電磁波動を複数拠点で同時観測し、都市部で発達する雷雲や、台風を構成する積乱雲における雷活動を準リアルタイムで監視することで、数時間先の豪雨や1-2日先の台風強度がどのように発達するかを簡便に直前予測する手法を提供する。豪雨や台風の規模予測に従来用いられている複雑で専門的な数値気象モデルとは一線を画し、雷放電数や放電規模といった雷活動の指標を用いることで、数時間から数日先までの強度発達を正確かつ簡易に予測可能とする。
日本を含むアジア域の雷活動を監視するため、雷放電が放射する1-50 kHz VLF帯電磁波動の観測システム(V-POTEKA)を25拠点に設置している。そこで得たデータから雷発生時刻・位置・放電規模を準リアルタイムに推定している。佐藤 光輝 教授 Mitsuteru Sato博士(理学) -
北海道雑草種のDNAバーコーディングと群集評価技術への応用
・次世代シークエンサーにより集草サンプルから雑草群集を簡易的に評価
・雑草分布状況の大規模調査に最適雑草管理を効率的に行うためには、その発生や分布パターンを把握する必要がある。本チームでは、北海道の主要雑草種についてDNAデータベースを構築し、次世代シークエンサーを用いた新しい雑草群集の評価法の確立を目指しています。
研究の内容
札幌・帯広から収集した主要雑草種(約50種)から全DNAを抽出し、葉緑体DNAにある可変性領域の塩基配列データベースを構築し、北海道の主要雑草種の識別に有効なPCRプライマーセットを設計した。圃場より収集した雑草の混合サンプルから抽出したDNAを識別プライマーによりPCRで増幅した後、MiSeq(イルミナ社)により塩基配列を読み取り、データベースと照合することにより、サンプル内の雑草種を同定する手法を確立した。また、各DNA断片のカウントデータから、集草内の各種雑草のバイオマス比の推定も可能である。
平田 聡之 助教 Hirata Toshiyuki -
ライフサイクルアセスメントによる陸上養殖施設の環境影響評価
環境負荷(CO2等)排出量を評価して環境に配慮した持続可能な養殖業を目指す
世界的に養殖生産量が急速に増加に伴い、養殖によって排出される環境負荷が懸念されている。環境負荷の排出量を評価する手法であるライフサイクルアセスメント(LCA)を用いて、陸上養殖施設のシステム全体で排出される環境負荷を評価した。
研究の内容
ライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment; LCA):ある製品、サービスにおいて、製造から消費に排出される環境負荷要因(CO2やNOxなど)を評価する手法
初めて国内で陸上養殖施設を対象としてLCA分析を行い、排出される環境負荷を定量的に明らかにした。
まとめ
・陸上養殖施設では、CO2排出は70%近くが電力由来
・一般的な給餌型の養殖よりも給餌量が少ないため、餌による環境負荷排出は非常に少ない給餌、給水等、各要素が環境に与える影響を明らかにした。各要素の改善によって、環境に配慮した持続可能な養殖業に寄与できる高橋 勇樹 准教授 Takahashi Yuki -
給餌効率の向上を目的とした画像認識技術によるウニの行動モニタリング
おなかをすかしたウニをさがせ
キタムラサキウニの行動を追跡し、索餌行動の存在について調査した。画像認識技術を用いたウニの位置推定手法を構築し、飽和給餌・無給餌個体の行動の違いから、索餌行動を検出できる可能性を示唆した。
研究の内容
1.画像認識技術で画像上のウニを高い確度で検出した。ウニの探索には本手法が有効と分かった。算出された重心には、ばらつきが見られた。追尾のための位置推定精度の向上を目指したい。
2.索餌行動の有無を確認するために、絶食個体と飽食個体の行動を比較したところ、餌の浸漬による刺激で絶食個体の移動頻度が増加する傾向がみられた。無給餌期間と索餌行動発現の関係と、索餌行動発現の仕組みが分かれば給餌方法のノウハウとして利用出来る可能性がある。米山 和良 准教授 Komeyama Kazuyoshi -
乳牛の飼養方法と生産される乳の品質
日本全国、乳牛は様々な方法で飼養されていますが、牛乳の品質(成分的、衛生的、官能的)との関連は、明確ではありません。
実際の酪農現場で生産された乳を解析し、乳牛の飼養方法と生産される乳の品質との関連を明らかにしています。研究の内容
「乳牛の飼養方法と生乳の成分的品質との関連」
乳牛の飼養方法は日本各地で異なり、特に北海道では気候条件などの違いにより明確に異なります。
北海道の各地域における飼養タイプの違い(畑作型、草地型、都市近郊型)と各酪農家で生産された生乳の成分、特に乳製品の品質と関連が強い脂肪酸組成やビタミン、カロテノイドとの関連を検討しています。
「乳牛の飼養方法と牛乳の官能的品質との関連」
乳牛の飼養方法の違いと生乳の成分的品質との間には関連性が強いことが分かってきました。
しかし、ヒトが実際に飲んで感じるおいしさ(味、香り、食感)との関連は明確でありません。
そこで、乳牛の飼養方法、生乳の成分的品質、牛乳の官能的品質、これら3者間の関連を検討しています。三谷 朋弘 准教授 Mitani Tomohiro -
群飼育下の乳用雌哺育牛から体調不良個体を早期検出するリアルタイムモニタリング技術の開発
生涯生産性を高める哺育・育成からのスマート酪農を目指す
わが国の生乳生産の安定化のためには、哺育牛の損耗低減が必要である。本研究は、哺育牛群の体温、行動、容姿の常時全頭モニタリングによって体調不良個体を早期検出する技術を開発する。
研究の内容
①群飼育哺育牛の健康状態指標の全頭同時リアルタイムモニタリング技術の開発
哺育牛の行動型、体温、容姿を牛房内の哺育牛全頭について同時に常時モニタリングする機器技術および解析技術を開発する
②群飼育哺育牛の中から体調不良個体を早期検出する技術の開発
哺育牛の行動型、体温および容姿の全頭同時モニタリングデータから人工知能によって体調不良個体を検出する技術を開発する上田 宏一郎 教授 Ueda Koichiro -
栄養素を循環させる農業を多面的に達成する
環境にやさしい農業、を、もっと身近に、もっとやりやすく
牛は食べた栄養素の八割近くを糞尿にしてしまう。それを土に撒き、草が伸び、牛が食べ栄養素はリサイクルされる。しかし土は保持できない栄養素を環境中へ排出する。これら目に見えにくい循環を理解し是正していく。
研究の内容
農業に由来する環境負荷、例えば水質悪化や温室効果ガス排出は近年大きな問題となっています。これらを是正するには、多面的な研究が必要です。例えば土壌中に保持される栄養素を理解するには微生物学的知識が必要ですし、作物生育のムラなどが起きていることを判別するには画像解析技術などが役立ちます。また、農業が環境負荷を引き起こす原因を根本的に理解するには、農業現場でどのような人がどう利益を得ているのかを理解する必要があります。環境生命地球化学研究室では、「微生物学」、「衛星画像解析」、「農家データ解析」を大きな三本の柱としながら、農場内で、地域で、栄養素を確実に循環させ、環境負荷を極限まで減らした農業体系の確立を目指しています。
内田 義崇 准教授 Uchida Yoshitaka -
有機性排水浄化のためのハイブリッド伏流式人工湿地
畜産排水などの有機性排水を、低コストで効率よく持続的に浄化するシステムです。
高濃度汚水を対象に、寒冷地での実用化を実現しました。世界でもトップクラスの能力です。研究の内容
伏流式人工湿地はヨシ等を植えた砂利や砂の層で汚水をろ過して浄化する方法です。
伏流式には汚水を表面から散布して上から下へ流す好気的な鉛直流式と、浅い地下水としてゆっくり水平方向に流す嫌気的な水平流式があり、それらを組合せたハイブリッド式は特に窒素浄化能力に優れています。
ヨシなどの植生は、表面の目詰まりを軽減し、人工湿地内の生態系を支えて浄化能力を高めています。井上 京 名誉教授 Inoue Takashi -
低酸素水耕システムや過湿ポット栽培を利用した作物耐湿性の簡易サーベイ法
短期間、幼植物を特別な環境で育てることで、耐湿性に優れた優良な育種母本や品種を探します
一般的に湿害は作物収量や商品価値を著しく損なわせ、特に耐湿性の弱い品目を水はけの悪い畑で栽培するとその被害は甚大となります。本研究では簡易な栽培装置を用いて、短期間で作物の耐湿性サーベイが可能な手法を考案しました。
研究の内容
作物苗をポット栽培し、生育途中の5-10日間に、根域過湿条件になるようビニルで細工し、作物のバイオマス変化を追います。これにより、湿害が起き得る過湿期間や、湿害が起きやすい生育段階の割り出し、同品目内の耐湿性の品種間差をサーベイできます。
ブロッコリーや加工用トマトで有効な手法でした。
また、幼植物体を短期間、水耕溶液中に窒素をローディングして酸素分圧が低い状態とした水耕栽培システムで育成し、溶存酸素量が豊富な対照区と比べて根系のデザイン(長さ・太さ・分岐数など)やバイオマス量がどのように変化しているのかを調査します。これにより、根域低酸素耐性を有する品種を簡易にサーベイする試みです。ダイズの場合、従来言われている「耐湿性」とこの「根域低酸素耐性」には密接な関係性が示唆されます。実山 豊 講師 Jitsuyama Yutaka -
超低価格のオンサイト検査システムの開発
どこでも誰でも検査が可能な検査チップ
どこでも誰でも検査が可能な検査チップの開発を行っています。紙を基材にすることで、材料コストだけでなく、廃棄コストも低減することができます。検出器にスマートフォンを利用することで、超低価格のオンサイト検査システムが実現できます。
研究の内容
・検査チップとアプリを開発中
紙製検査チップとスマートフォンで簡便ながら精度良い分析が可能
・紙製検査チップ(ペーパーマイクロチップ)
軽量・薄型の検査チップ
スマホが測定器だから導入費はゼロ
熟練がいらない簡単な操作
スマホアプリが高精度で検査
検査後の処分も簡単渡慶次 学 教授 Tokeshi Manabu -
無機-バイオ界面に着目した新規材料作製
シリカ合成酵素、バイオミネラル、無機-有機複合材料、自己修復材料
我々は生物が創り出す鉱物(バイオミネラル)に着目し、それを人工的に模倣した無機材料作製技術を開発しています。また、無機物とバイオ分子の界面に形成される親和力を利用した新たな金属分離技術および吸着・接着技術についても取り組んでいます。
研究の内容
1.シリカ合成酵素を用いた新規ハイブリッド材料作製
シリカは酵素によって合成されており、シリカ合成酵素はシリカテインと呼ばれています。シリカテインを用いることで、常温・中性pHという温和な条件下でシリカの重合を行うことが可能なため、バイオハイブリッド材料の作製ツールとして利用できると思われます。我々は、タンパク質融合技術により、シリカテインを可溶化した状態で長期間安定に存在させることに成功し、様々な複合材料の作製のツールとして用いています。
2.バイオ界面に着目した新たな金属分離技術と固体吸着技術の開発
生物は様々な力(相互作用)を用いて、固体表面に接着しています。我々はその力をうまく利用することで、紙(セルロース)を用いた金属イオン捕集技術や、特定の金属だけに吸着・接着する技術の開発を行っています。中島 一紀 教授 Nakashima Kazunori -
道産ダケカンバ製硬式野球バットの打撃性能評価
道総研林産試験場(旭川)の試作した道産ダケカンバ硬式バットの品質を広くアピールし消費市場を獲得するために、工学的な数値評価を確立して材質の異なるバットの性能を差別化し、従来材料と合わせてカンバ材バットを消費者の選択肢として提供する。
研究の内容
(解決すべき課題) かつて野球バットの木材は、道産アオダモがシェアの大半を占めていたが、現在は資源が枯渇し、北米産メイプルの輸入に依存した結果、国内バット製造業が衰退傾向に陥った。
(方法) 国産材バットの普及を目指し、ダケカンバ製バットの用具としての機能を工学的に数値化して外材のパーチ、メイプル、アッシュなどと差別化する。選手のバット素材の選択肢を拡げ、選択のための判断基準を提供し、市場を活性化する。
(意義) バットの消費で安定した流通量を確保し、アオダモ等、その他の樹種と合わせて計画的な植林と伐採サイクルを確立し、林業と地元製材・加工業の持続可能な活性化を図る。森林再生により二酸化炭素吸収と炭素固定を増進し、我が国のpostコロナ社会の優先課題であるグリーン成長戦略に役立ちたい。加藤 博之 准教授 Kato Hiroyuki -
植物の繊維構造・特異な形態が生み出す構造・材料力学的機能評価とプラントミメティック構造材の創製
「植物の智恵」から学ぶ新しいデザインとものづくり
竹を始めとする維管束植物や、様々な植物の構造形態の力学的合理性をサイエンスの視点で実証するとともに、その構造形態を模倣することにより、既存の材料性能を凌駕する新しい構造材のデザインを目指しています。
研究の内容
◆構造・材料力学理論と有限要素解析により、理論的なアプローチで植物の形態を捉えます。
◆例えば、以下の写真に示す竹は節と断面内維管束分布が特徴的ですが、これらには自身の体を最小材料で効率的に支える秘密があることが本研究室の研究で明らかとされています。このことは、繊維量を減らし機能を高めるCFRP材料の設計に応用できる「竹が教えてくれる智恵」であるといえます。※本研究により、文部科学省より「科学技術への顕著な貢献2019(ナイスステップな研究者)」に選定されています。
◆さらに、断面形状が非円形の植物など、特徴的な形状には力学的な利点が潜んでいます。
このような進化の過程で植物が生存戦略の一環として獲得してきた形状の合理性を暴き、付加価値を有するものづくりに生かすデザイン研究を行っています。佐藤 太裕 教授 Satou Motohiro -
食品付加価値を高める超音波ドップラー検査技術
医療用の超音波エコーや超音波ドップラーによる画像診断機器を身近な対象物に使えるようにポータブル化しました。スーツケース1個で持ち運び、現場ですぐに使えます。農作物の非破壊診断、連続食品加工におけるライン上での品質管理を可能にします。
研究の内容
・農学部と工学部の共同開発で、トマト、キウイなどの果物や野菜の表皮硬度・内部熟度を3秒で可視化する方法を完成させました。
・カレー、ゼリー、ヨーグルト、チョコレートなど環境や温度で変化する様々な食品の粘度を、円筒に入れて回すだけですぐに計測できる技術を作りました。
・大きめの固体粒子が分散するゼリー状の粘弾性液体がせん断を受けるときの粘性応力と弾性応力を計測、複雑レオロジー混相流体にも適用可能に。
・市販のトルク式レオメータでは計測できない変形履歴応力をもつ物質(メモリー効果物質、チクソトロピ物質)の内部流動の特異性を抽出することに成功。田坂裕司 教授 Yuji Tasaka博士(工学) -
稲わら等農業未利用残渣のエネルギーサプライチェーン
稲わらなどの農業未利用残渣を利用形態に応じた燃料に変換し供給するシステム構築
燃料利用するのが困難であった稲わらなどの農業残渣を、保管・運搬・エネルギー利用に適した形態へ変換する“半炭化技術”の開発を行いました。燃焼時のクリンカ軽減およびPMの排出抑制に寄与します。
研究の内容
・稲わらペレット製造技術(木質と稲わら混合ペレット含む)
・半炭化(トレファクション)による燃料品質の向上と利用用途拡大(発熱量UP、微粉化可能、火力発電所及び木質バイオマス発電所での混焼)
・サプライチェーン設計とコスト最適化石井 一英 教授 Kazuei Ishii博士(工学) -
超音波流速分布計測による新しいレオメータ
様々な分野にブレークスルーをもたらす流動物性の新たな基盤計測技術
超音波流速分布計測と運動方程式の逆解析を用いた新しいレオメータです。食品など混相体の流動物性を瞬時に評価可能です。検査において従来法の死角を補うだけでは無く、生産ラインの状態・品質管理まで応用可能な技術です。
研究の内容
液体に与えられた変形は、粘性や粘弾性など、局所の運動物性を反映して伝播します。新たに開発したレオメータでは、理想的な状態で与えられた変形を、超音波による速度分布計測から求め、それを液体の運動を記述する方程式で逆解析することで、瞬時・局所の物性を評価します。対象の液体が固体や他の液体、気体の分散相を含む場合にも適用可能であり、また瞬時の粘度曲線を計測可能であることから、化学反応や温度による状態変化などによる物性の経時変化を計測できます。円管内流れへの応用では、管内を流れる液体の流動物性を、試料を取り出すこと無くインラインかつ非侵襲でリアルタイムに評価できます。
田坂裕司 教授 Yuji Tasaka博士(工学) -
銀系化合物を用いる水素の活性化と接触合成反応
高活性水素イオンの生成触媒の開発とCO2メタネーション反応への利用
Gin De Ride(銀-Derived Hydride, GDR)は、当研究室が発見した銀系化合物から生成する高活性水素イオンで、一部を低温燃焼させることで熱を供給し、余剰GDRは例えばCH4合成に利用することで、反応が効率化できる。
研究の内容
水素の自然発火温度は525℃前後と高く、低温で燃焼させるためには、高活性水素を製造可能な触媒の利用が不可欠である。これまでパラジウムや白金系触媒が用いられているが、供給面や価格面などの不安を抱えている。
当研究室では、従来の触媒に比べ供給面や価格面で有利な触媒の研究に取り組み、その結果、高活性な水素イオンを生成可能な銀系化合物を発見した。本触媒は、水素を供給すると高い活性を持つ水素イオン“Gin De Ride(銀-Derived Hydride, GDR)”を与えるため、まず低温で水素と酸素を同時供給することにより生成GDRを燃焼させ、次いで発生熱と余剰GDRを利用すれば各種合成反応を効率的に行うことが出来る。
現在、CO2メタネーション用の触媒との複合化により、低温で反応が進行することを見出している。坪内 直人 准教授 Naoto Tsubouchi博士(工学) -
リンの高効率かつ高選択的な分離回収技術
リン鉱石の輸入依存脱却が可能な二次リン資源からのリンの分離回収
「炭素化(もしくは炭素添加)」と「塩素化」を共通工程とした二次リン資源(製鋼スラグ、鶏糞、下水処理後のHAP・MAP、下水汚泥、下水汚泥焼却灰など)中のリンの非常にシンプルな高効率・高選択的分離回収技術を開発した。
研究の内容
リンは生命体の必須元素で、さらに、化学肥料や工業製品などの原料として広く使われているが、近年、リン鉱石の低品位化と枯渇が現実味を帯び始め、資源の確保が焦眉の課題となっている。一方、日本のリンのマテリアルフローに従うと、輸入リン鉱石の3.4倍、全持込リン量の半分以上が鉄鋼スラグ、家畜糞、下水汚泥中に移行する。そのため、これらの二次リン資源の再資源化技術の開発は重要である。そこで当研究室では、鶏糞や下水汚泥の炭化物の塩素処理によりリン回収を阻害する鉄を分離し、次いで、元々存在する炭素による還元反応でリンのみを選択的に回収する非常にシンプルな再資源化プロセスを開発した。本技術は炭素添加した製鋼スラグ、HAP・MAP、下水汚泥焼却灰などにも適用できるため、我が国のリン資源対応力強化に繋がると期待できる。
坪内 直人 准教授 Naoto Tsubouchi博士(工学) -
農水産業のDXを支える中心温度測定用食肉模擬装置
実肉を使用しない食肉中心温度測定用デバイス
食用動物の食肉を対象に、その中心温度を把握するための温度測定装置を開発した。本装置のプローブ周囲には、魚・牛・豚・鶏等の食用動物の食肉を模擬した比熱及び形状を有する材料を配置しており、実際の食肉に近い中心温度変化をリアルタイムで取得できる。
研究の内容
一般的に食肉の貯蔵温度管理は、食材が貯蔵されている貯蔵庫内の温度を計測し、温度管理を行っている。しかし、食肉を高鮮度状態に保つためには、その中心温度を計測し温度管理をすることが重要であるが、現状のサーモグラフィーカメラや温度センサーでは、その表面温度しか測定ができない。
そこで、当研究室では、食用動物の食肉を模擬した比熱及び形状を有するプローブを作製することにより、食肉の中心温度変化を模擬できる装置を開発した。これにより、食肉を傷つけることなく、測定したい食肉の中心温度を取得することが可能となり、その温度変化を基に、理想的な温度管理が可能となる。また、食用動物の鮮度と食べ頃の可視化装置『MIRASAL(見らさる)』と本模擬装置を連携することで、実際の食肉を使用することなく、鮮度評価を行うことが可能となる。坪内 直人 准教授 Naoto Tsubouchi博士(工学) -
鮮度保持用液状氷の質と量の同時最適化装置
食品の長期鮮度保持のための液状氷最適化装置
単純な熱容量計算で食品用液状氷〔スラリーアイス(塩分含有水氷)又は無塩分水氷〕の必要最小量や、保管用容器の総括伝熱係数(容器放熱量パラメータ)を用いスラリーアイス温度を決定する塩分濃度・水/氷混合比及び貯蔵可能時間を算出する装置を開発した。
研究の内容
これまで、水産動物の鮮度保持に有用なスラリーアイスの製造量は、貯蔵時間を考慮した計算法が無かったため、多くの場合、過剰な量が製造され使用されてきた。そこで当研究室では、先に記載したように、保管用容器の総括伝熱係数を用いて、その場で迅速に、スラリーアイスの質(塩分濃度や水/氷混合比)と量(貯蔵可能時間)を同時に最適化する装置を開発した。本法は、真水由来の塩分を含まない液状氷の製造にも適用可能なため、水産動物以外の食品(野菜・果物・畜産動物)にも利用でき、現在その発明内容の権利化などに取り組んでいる。
坪内 直人 准教授 Naoto Tsubouchi博士(工学) -
食用動物の鮮度と食べ頃の可視化装置『MIRASAL(見らさる)』
安全・安心を実現する食用動物の鮮度と食べ頃の評価装置
我々は、産業技術総合研究所と共同で、致死後の食用動物(水産動物や畜産動物)の任意部位における分解成分の濃度の経時変化をシミュレーション法により求め、鮮度と食べ頃を評価するための可視化装置『MIRASAL』を開発した。
研究の内容
魚介類の産地および消費地における卸売市場では、鮮度が取引価格を決定する1つの重要な基準となっており、その評価指標としてK値が提唱されている。しかし、その値は死後の水産動物の任意の部位をサンプリングし、種々の前処理後に成分分析を行い算出するため、流通現場でのリアルタイム評価(把握)は出来ない。当研究室では、妥当なシミュレーション法による課題解決を考え、上記したような手法を用い、魚介類の種類や大きさ、死後の経過時間や保存温度などの各種情報から、鮮度と食べ頃を評価できる装置を開発し、現在その発明内容の権利化や携帯性の向上(スマートフォン等での利用)などを進めている。本装置『MIRASAL』は、牛肉・鶏肉・豚肉といった畜産動物にも適用可能である。
坪内 直人 准教授 Naoto Tsubouchi博士(工学) -
高速ロボティクス
"高速性"をキーワードとして,高速化に必要なアーキテクチャから,高速化に付随して生じる課題解決技術まで,理論・アルゴリズム・デバイス・システム・アプリケーションといった総合的な観点でロボット開発をおこなっています.
研究の内容
主に以下の3つのカテゴリーから構成される高速ロボティクスを研究しています.
I. スポーツスキル:従来のロボットが不得意としていたダイナミックな運動を実現する研究.特に,スポーツ時に観測されるような投打走捕に関する技能の創出を目指します.
II. 動的操り:多指ハンドを利用して特定作業の自動化・高速化を実現する研究.特に,組立から検査までを対象とした多種多様なタスク/工程の遂行を目指します.
III. 衝撃完全制御:高速接触時に生じる撃力を抑制して,高速性と柔軟性を両立する研究.特に,バックドライバビリティに着目した新たな衝撃緩和技術の確立を目指します.妹尾 拓 准教授 Taku SENOO博士(情報理工学) -
生体骨を模倣した3Dプリント可能で力学的高機能な多孔質構造体
生体骨の持つ構造的な特徴と力学的な特性を基に、3Dプリント可能で力学的高機能な新しい多孔質構造体を開発。破壊の進展が抑制可能で、高い吸収エネルギ性が可能。等方的な力学特性も実現可能。樹脂や金属を用いて3Dプリンタにより製造可能。
研究の内容
規則的な構造の繰り返しを有する一般的な多孔質構造体には、内部構造に起因した特定方向の強度低下や一度破壊が生じると容易に破壊が進展するという力学的課題がある。本シーズでは、生体内環境に最適化された多孔質材料である生体骨(海綿骨)に着目し、海綿骨の構造的な特徴と力学的な特性に基づいて確率的に構築したネットワーク構造を骨格とする新しい多孔質構造体「海綿骨模倣構造」を開発した。樹脂や金属を用いて3Dプリンタにより製造可能であることを確認した。圧縮破壊試験の結果、特定方向の強度低下が抑制でき、初期破壊後の破壊進展が抑制され吸収エネルギが高いことを確認した。本シーズにより、設計自由度が高く力学的に高機能な多孔質構造が設計・製造できる。
山田 悟史 准教授 Satoshi Yamada博士(工学) -
相変化せずに蓄熱する固体蓄熱材
結晶構造の変化により蓄熱する固体蓄熱材
トランス-1,4-ポリブタジエンは、固体の結晶構造の変化により蓄熱する特徴があり、この蓄熱材を用いた蓄熱器には、蓄熱材を入れる容器が不要になります。トランス-1,4-ポリブタジエンを用いた蓄熱器の宇宙実証に世界で初めて成功しました。
研究の内容
超小型衛星の熱設計をしやすくすることを最終目標に、超小型衛星の熱制御に適した熱制御材として、結晶構造の変化により蓄熱する蓄熱材の開発を行っています。
多くの蓄熱材が固相-液相の相変化によって蓄熱しています。微小重力下での液相は、伝熱面との濡れ性が悪いと伝熱面に接触せず、熱伝達が著しく悪くなるという欠点があります。そこで、本研究では、固相-固相の結晶構造の変化により蓄熱するトランス-1,4-ポリブタジエンに注目しています。
開発された蓄熱器は、2014年6月20日に打ち上げられた超小型衛星HODOYOSHI4号機に搭載され、宇宙での性能実証試験が行われてきました。HODOYOSHI4号機のデータを解析したところ、蓄熱器が宇宙空間でも所定の温度で蓄熱・放熱していることが確認されました。戸谷 剛 教授 Tsuyoshi Totani博士(工学)工学研究院 機械・宇宙航空工学部門 宇宙航空システム -
ナノ知識探索プロジェクト
ナノ結晶デバイスの実験記録からの知識発見
本研究では、ナノ結晶デバイスの研究開発の過程で作成される実験記録やその成果を取りまとめた論文などから、デバイス開発に有用な情報を抽出し、整理する知識マネージメントの研究を行っています。
研究の内容
本発表では、実際のナノ結晶デバイス開発の研究者からのインタビューに基づいた、実験記録管理システムを提案しています。本システムでは、これまで別々に保存記録されていた実験に用いていたパラメータの記録と、その結果である実験記録を統合的に管理する方法を提案しています。また、最終的な実験のまとめである論文からの情報抽出を行うことにより、研究者によって行われる一連の実験の目的や特徴などを詳細に分析し、様々な事例間の類似性などを議論するための基盤として活用する方法を提案しています。本手法では、少数の手作業で作成した情報抽出のためのコーパスに、機械学習の方法を用いることにより、未知の論文に対し、有用な情報抽出を行うための方法を提案しています。
吉岡 真治 教授 Masaharu Yoshioka博士(工学) -
オプトジェティクスによる新規医療技術の開発
光の特性を利用した深部癌治療法、創傷治癒・組織再生促進療法の開発
様々な波長の光を利用して、生体内表面から深部にいたる病変(癌、損傷)を治療する技術を開発する。光による遺伝子発現の制御技術(オプトジェティクス)を基本技術として、さらに波長の異なる光を組み合わせることで体表から深部病変の治療法を開発する。
研究の内容
光照射においてはオン・オフをコントロールすることは容易であり、優れた時間分解能で操作することが可能である。また、狙った細胞に限定して光を照射することも可能であることから、空間分解能という意味でも優位性がある。一方、光の送達深度には限界がある。例えば、多くの光遺伝学的手法で頻用される青色光(400-500nm)は、生体透過性が低く深部組織への光照射は困難である。しかしながら、生体透過性が優れている近赤外光を利用することで、深部組織も治療ターゲットになり得ると期待される。
我々は、生体透過性が高く組織深部へ到達可能なX線領域あるいは近赤外領域の光による直接的あるいは間接的な遺伝子発現制御システムを研究しており、それにより癌細胞死を誘導あるいは傷害組織を再生する遺伝子・蛋白質を細胞内に発現させることを試みている。尾崎 倫孝 教授 Michitaka Ozaki医学博士 -
独創的糖鎖誘導体ライブラリの作成技術 × どこでも使用可能なマイクロアレイ解析システム
糖鎖自動合成技術を活用した独創的ライブラリ × オンサイト医療や研究を支えるマイクロアレイ技術
糖鎖関連相互作用は感染症やがん診断等において重要な標的である。糖鎖自動合成技術開発の過程で構築・蓄積した糖鎖、複合糖質、糖質関連阻害剤、およびその誘導体ライブラリの活用法としてどこでも利用可能なマイクロアレイ装置の開発を行った。
研究の内容
マイクロアレイ技術は構造や配列が明確な多数の化合物ライブラリと検体成分との相互作用を一斉比較解析可能な技術です。また、我々は糖鎖自動合成技術を核とした独自糖質化合物ライブラリをマイクロアレイ解析用分子として設計・制作するための最先端技術を有しています。糖質が有する相互作用情報は、血液型やO157等の血清型、がん診断マーカー(CA○○○)など、体外診断用バイオマーカーとして幅広く使用されています。さらに、感染症の変異に伴う感染パターン解析やワクチン効果の詳細な解析など、検体収取とマイクロアレイ解析をスマートホンを端末としてその場で行い、オンライン診断に使用可能な独立電源型モバイル解析装置の開発に成功しました。
比能 洋 教授 次世代物質生命科学研究センター 副センター長 Hiroshi Hinou博士(工学) -
ナノ微粒子を用いる炭素資源由来の窒素の無害化除去
Fuel窒素の事前除去と高温ガス精製へのナノ微粒子の利用
地球環境に調和した炭素資源の高度利用法の原理確立は、次世代に向けて最重要な研究テーマの一つである。本研究では、ナノスケールの金属・金属酸化物微粒子を用い、炭素資源をクリーンエネルギーに効率よく変換できる触媒プロセスの開発を目指している。
研究の内容
炭素資源中の窒素(Fuel-N)は燃焼時にNOxやN2Oとして排出され、また、高温ガス化では主にNH3に変化し後段のガス燃焼時のNOxソースとなる。本研究では、燃焼やガス化の前段の熱分解過程においてFuel-Nを無害なN2に変換する方法の開発に取り組み、イオン交換法で担持したCaイオンは熱分解時にCaOナノ粒子に変化し、N2生成に触媒作用を示すことを見出した。
また、褐炭中に元々含まれるFeイオンや褐鉄鉱中に多く存在するFeOOHは加熱過程で容易に金属鉄ナノ粒子となり、この触媒上でNH3、ピリジン、ピロールの分解反応を行うと、N2が選択的に生成することを見出した。このような含N種は石炭ガス化で生成する粗ガス中に含まれるので、これらの化合物の除去を目的とした新しい高温ガス精製法の開発への展開を図っている。坪内 直人 准教授 Naoto Tsubouchi博士(工学) -
社会実装に到達するマルチメディア人工知能技術
産学連携研究を通してAI技術の実用化に迫る!
本研究では、画像・映像・音楽・音声を中心とするマルチメディアデータを対象とした人工知能技術の開発を行っています。特に、産学連携研究を中心として、医用画像、社会インフラデータ、材料科学等に関わるデータを研究対象として扱っています。
研究の内容
我々は、世界最先端の人工知能研究だけでなく、融合領域研究を推進し、実社会の課題解決に挑戦しています。具体的に、医用画像研究では国内の多数の医療機関と連携し、人間の診断精度を超えるAI技術を構築しました。また、医療・土木の研究では、AI研究の課題でもある少量データ学習を可能にするだけでなく、判定結果を説明可能にするExplainable AI (XAI)を構築し、実際の現場で利用可能な技術の実現を行っています。また、近年では、人間の脳活動データや視線データ等、人間の興味や関心に強く関連する情報をAIの学習過程に導入することで、人間のように判断可能なヒューマンセントリックAI技術の構築を行っています。
小川 貴弘 教授 Takahiro Ogawa博士(情報科学) -
独自の機能性脂質の開発を基盤としたin vivo核酸送達システム
世界トップクラスの核酸導入能と安全性の両立
siRNAの安全かつ効率的なin vivo送達を実現する独自の機能性脂質群を開発した。本脂質を含む脂質ナノ粒子は優れたエンドソーム脱出能力に起因する肝細胞への世界トップクラスのsiRNA導入効率および生分解性に起因する高い安全性を示した。
研究の内容
siRNAの実用化には優れた送達技術の開発がカギであるが、その送達効率には大きな伸びしろが残されている。また、実用性の観点では広い安全治療域を確保することも重要となる。さらに、特定の用途に限定されず、目的に応じた適切な製剤を提供可能なプラットフォーム技術の開発が強く望まれる。それらの実現のため、独自のpH感受性カチオン性脂質群を開発した。脂質ナノ粒子の体内動態に重要な因子である酸乖離定数の調節を実現し、標的に応じた分子設計を可能とした。また、新規脂質CL4H6を含む脂質ナノ粒子は肝細胞において世界トップクラスの効率で遺伝子発現抑制を誘導した。また、50%抑制投与量の約3,000倍もの投与量においても顕著な肝毒性は認められず、高い安全性が確認された。CL4H6はsiRNA送達後に速やかに分解除去された。
佐藤 悠介 准教授 Yusuke Sato博士(生命科学) -
先端研究基盤共用促進事業(先端研究設備プラットフォームプログラム)
顕微イメージングソリューション プラットフォーム
共用機器管理センターに設置している”同位体顕微鏡システム”を産学官共用に推進拡大する
研究の内容
”同位体顕微鏡システム”の特質である「安定同位元素イメージング技術」を有効活用する利用課題を募集、選定、実施することにより産業イノベーションへの展開を図ります。
同位元素というと、すぐに年代測定が思い浮かびます。事実、これまで同位体顕微鏡システムは主に鉱物など宇宙科学の分野で、同位体比の分析に使われてきました。これは、入手した試料の断面の「ありのまま」を観察して得られる成果です。その測定手法の発想を変えることで、同位体顕微鏡システムを産業応用に展開できます。すなわち、「ありのまま」を観るのではなく、積極的に同位体元素を調べたい試料に「ドープ」することで、今まで見ることができなかった目的のイメージングを測定することが可能になります。しかも、放射性同位体ではなく、安定性同位体を使って安全に作業することができます。圦本 尚義 教授 Hisayoshi Yurimoto理学博士 -
ガバナンスの理論と実践を踏まえた
行政システムの設計・構築官民協働による安全・安心な地域・社会づくり
安全・環境規制や科学技術政策、地方創生などの事例研究を踏まえ、様々な「技術」の社会導入・普及に係る政策問題の解決に資する行政システムを利害関係者の「協働」により構築していく手法について、ガバナンスの理論と実践の観点から研究しています。
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2016年5月刊行の私の規制研究の成果です(ISBN: 9784000611213)。規制基準の国際調和化、技術情報の分散化、官民関係の多元化が進む中、規制行政機関はどのようにして自らの裁量を確保しようとしているか。国内外に広がる「規制空間」の構造は、それによりどのように変容しているか。木造建築、軽自動車、電気用品の安全に関する技術基準の設定、規制の実施過程を素材に分析しました。
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2016年4月刊行のこの論文集(ISBN: 9784832968257)には、2001年の中央省庁等改革における科学技術の省庁再編の研究成果が掲載されました。旧科学技術庁は、その一部が内閣府に引き継がれ、一部が旧文部省と統合されて文部科学省となりましたが、科学技術・イノベーション政策の「司令塔機能強化」が実現するかどうかは、今後の運用次第です。
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2018年7月刊行の地方創生に関する共同研究の成果です(ISBN: 9784000238953)。私はまず、北海道と四国の政策担当者への聞き取り調査の結果から、地方創生に地方分権と中央集権の両側面があったことを論じました。その上で、戦後日本の国土政策(東京一極集中の是正)と内閣主導の地方創生の推進体制などを比較することにより、今後の地方創生のあり方を検討しました。
研究の内容
「技術」は、地域・社会に大きな便益をもたらす反面、様々なリスクを孕んでもいます。したがって、そうした「技術」を社会に導入し普及させていく際には、そのリスクを軽減する行政システムを設計して、その社会的便益を最大化できる公共政策のあり方を考えていく必要があります。
そうした公共政策について抱くイメージは、例えば自動車の事例でもメーカー、規制当局、そして我々ユーザーといった利害関係者で異なっていることが多く、また、規制は国際基準によって規定されていたりもします。
そうした中で、「技術」の社会導入・普及の政策問題を丁寧に抽出してその全体像を俯瞰し、利害関係者が折り合える点を模索し、合意形成を図っていくとともに、官・民が手を携えて行政システムを構築し運営していく手法を考えます。村上 裕一 教授 Yuichi Murakami博士(法学) -
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EUVプラズマの診断や制御のための計測技術
EUVプラズマの電子密度や電子温度をレーザーを用いて詳細に計測および制御する技術。
研究の内容
EUVプラズマ及び軟X線プラズマは、容易に大光量を達成でき、半導体露光や材料診断に用いられている。一方でその最適化(波長選択性や高効率化)のためには、プラズマの電子状態(電子密度や電子温度)の制御が必要であるが、その計測は従来技術では達成されておらず、電子状態はなかばブラックボックスであった。本技術の特徴は、独自の分光システムを用いたレーザー散乱計測(トムソン散乱法)により、EUVプラズマの詳細な電子密度・温度の計測を可能とした点である。これにより、プラズマが光を発するメカニズムの根源である電子状態を把握した光源開発を可能としている。
富田 健太郎 准教授 Kentaro Tomita博士(工学) -
燃焼機器で生じる音響振動解析
燃焼装置や燃焼ガス排気系統でしばしば音響振動が生じ、騒音の発生や燃焼措置の寿命低下を引き起こす。これは、燃焼装置や排気系統で生じる発熱変動と音響圧力変動が連動することより生じる。本研究は、この物理過程の解析とその抑制技術の検討を行っている。
研究の内容
燃焼装置や燃焼ガス排気系統でしばしば音響振動が生じ、騒音の発生や燃焼措置の寿命を低下につながる。これは、燃焼装置や排気系統で生じる発熱変動と音響圧力変動が連動することより生じるが、これが生じる物理過程の解析と抑制技術の検討を行っている。研究の手法としては、単一の円管内に可燃性ガスを封入しその一端に着火させ火炎が管内を伝播する際に生じる音響振動現象を用いる。この伝播現象に種々の境界条件(開放端条件・伝播方向・混合ガス組成・伝播管直径と長さ・火炎面の構造等)を与え、音響振動現象を引き起こした上で、その要因を燃焼の不安定性解析手法により理解する。ここで再現された振動現象は単純化された系で観察されるものであるが一般性のある現象であり、実際の燃焼機器や排気系統で生じる音響振動現象の理解に直接つながるものである。
藤田 修 特任教授 Osamu Fujita工学博士 -
リチウムイオン電池の火災安全性向上技術
リチウムイオン電池はそのエネルギー密度の高さから利用が急激に拡大している。一方で電池内部に有機溶媒を使用していることから火災安全性の確保が重要である。本研究は有機溶媒の燃焼現象に焦点をあててその燃焼抑制技術に関する研究を行っている。
研究の内容
リチウムイオン電池はそのエネルギー密度の高さから利用が急激に拡大している。一方で電池内部の電解液に有機溶媒を使用していることから火災安全性の確保が重要である。本研究は有機溶媒の燃焼抑制を目指して燃焼抑制剤添加効果の定量化手法の開発や燃焼抑制に効果のある添加剤の探索、さらには、電解液に含まれるリチウム塩自体の有機溶媒の燃焼性に及ぼす効果などを研究している。また、電解液の燃焼素反応機構を考慮した火災現象のモデル化および数値解析を実施している。
藤田 修 特任教授 Osamu Fujita工学博士 -
微小重力場を利用した燃焼現象解明
燃焼現象は局所的な温度上昇を伴うことから周辺に常に自然対流が生じる。このことが現象を複雑化し、その基本的理解を難しくしている。本研究では微小重力環境を活用することで、自然対流を取り除き燃焼現象を基本的立場から理解しようとするものである。
研究の内容
燃焼現象は局所的な温度上昇を伴うことから周辺に自然対流が常に生じる。このことが現象を複雑化し、その基本的理解を難しくしている。本研究では微小重力環境を活用することで、自然対流を取り除き燃焼現象に含まれる基礎的過程(拡散・熱伝導・すす生成・着火・火炎伝播等)を理解し、このような現象が介在する燃焼装置や燃焼現象の数値予測やモデリングに役立てていこうとするものである。北海道大学には常時利用可能な40m級の大型落下塔があり、微小重力実験を容易に実施可能な環境にある。また、国際共同研究による航空機を用いた微小重力実験や国際宇宙ステーションによる実験も進めており、微小重力場を利用した燃焼研究を行う上で恵まれた環境にある。
藤田 修 特任教授 Osamu Fujita工学博士 -
オープンファシリティ
設備は「所有」から「共用」の時代へ
北海道大学が所有する高度な研究設備を学内外の研究者に開放し、共用化することにより本学及び地域の研究水準の向上に繋げることを目指す設備共同利用システムです。
研究の内容
約200台の研究設備が登録されているオープンファシリティは、利用設備の講習を受講すれば、利用者は利用料金だけで最先端設備を利用できます。また、操作方法や技術相談などにも、高度な技術力と豊富な知識を持ったスタッフが親身になってアドバイス致します。
装置利用の予約はWebページ「装置予約管理システム」で24時間受け付けます。
まずはホームページのメール送信フォームから利用希望装置についてお問い合わせ下さい。グローバルファシリティセンター Global Facility Center -
加速度センサーによるつまずき場所の特定
高齢者の転倒予防のために
転倒による重篤な怪我を避けるために予兆である“つまずき”の多い場所を普段の生活者の行動から探すシステムを検討した。サンダルに埋め込んだ加速度センサーによりつまずいたことを、天井の赤外線センサーネットワークによってつまずいた場所を特定する。
研究の内容
高齢者の緊急搬送の約8割は転倒事故だそうである(2014年東京消防庁調べ)。衰えた身体能力に意識が追いつかず小さな段差や履物、衣服につまずく。転倒を検出する研究は多いが実際に転倒を起こしてからでは遅い。そこで、よくつまずく箇所を検出して転倒を誘引する原因を予め取り除くことを考えた。ウェラブル(身につける)な装置は物忘れや装着への心理的抵抗に関して、監視カメラなどのノンウェラブル装置では死角やプライバシィの保護に関して問題がある。本研究では、普段履きのサンダルなどに加速度センサーをとりつけて“つまずいた”ことを検出する一方、連動して働く天井に設置した赤外線センサーネットワークでその箇所を特定する。実験では転倒は容易に区別できたが、つまずきを通常歩行から区別する精度は現状1/4程度であるため今後精度向上が望まれる。
工藤 峰一 教授 Mineichi Kudo工学博士 -
クラウド版地中熱ヒートポンプ設計・性能予測プログラム
”Web Ground Club”と日本全国3次元グリッド地層データベース複層地盤や地下水流れ効果、冷却塔の付帯も計算できる
10 年程前に地中熱ヒートポンプシステム(GSHP)設計・性能予測ツールGround Club(GC)を開発し,約150 本頒布.現在,クラウド対応の進化版ツールGCCを試用公開.日本全国 3 次元地層物性データベースを構築,GCCに搭載.
長野 克則 教授 Katsunori Nagano博士(工学) -
リウマチAI診断研究
単純写真による関節裂隙狭小化判定
関節リウマチ患者における関節破壊性変化の客観的かつ詳細な定量的解析情報を提供するコンサルティングシステムの開発を試みる。画像解析は、独自に開発したプログラムを用いて、X線画像の経年変化から計測し、国内外の研究・臨床機関に対し情報提供する。
研究の内容
我々はこれまで、単純X線写真上の関節裂隙狭小化進行を客観的に計測するソフトウエアの開発・バリデーションを進めてきた。最新のソフトウエアでは、独自の経時差分技術と輪郭抽出技術とを用いて、対象となる手足の関節の関節裂隙の変化を面積(平方ミリメートル)で表示することが可能となった。
一方で、世界的な視野に立っても、ソフトウエアで単純X線写真上の関節裂隙狭小化進行を自動的に検出することは困難であり、マニュアル操作に依存する工程が残されており、各病院・診療所レベルでの計測には無理がある。そこで、本研究の目的はインターネットを介して臨床試験・臨床研究を主導する国内外のクライアントのニーズに対応可能な、関節リウマチ破壊性変化定量解析のコンサルティングシステムを構築することである。神島 保 教授 Tamotsu Kamishima医学博士 -
ソノポレーション:超音波と微小気泡を用いた新しい薬物送達手法の開発
細胞レベルでの組織標的能を実現
我々は,直径数ミクロンの微小気泡を細胞に付着させた状態でパルス超音波を照射することにより細胞膜の膜透過性を一時的に向上できることを世界に先駆けて明らかにし、生体への薬物・遺伝子送達の実現を目指した研究を推進している.
研究の内容
○微小気泡とパルス超音波を用いた音響穿孔法(ソノポレーション): 微小気泡が細胞膜に接触した状態でパルス超音波を照射すると、付着部位にのみ一時的穿孔を生じる(図1)。微小気泡に薬剤や遺伝子を付加し、光ピンセットで付着位置を制御することにより、目的とする細胞の任意の位置に薬剤や遺伝子を導入する手法を実現。
○治療部位の特定と薬物送達を微小気泡と超音波診断装置で実現: 治療対象の細胞にのみ付着する標的機能を有する気泡を静脈から注射する。気泡が集積した組織を超音波造影法により検出することで治療対象部位を特定する。続いて気泡を壊すパルス超音波を発生し、細胞に一時的な細胞膜穿孔を生じさせ、薬物等の送達を実現する(図2)。気泡に薬剤や遺伝子などを付加することで、ターゲット細胞にのみ高効率な薬物送達が実現できる。工藤 信樹 学術研究員 Nobuki Kudo工学博士 -
非線形ラマン散乱内視鏡
非線形ラマン散乱を用いた神経の無染色可視化による新しい内視鏡下手術支援ロボットの眼の開発
ラマン散乱は、無染色に分子種・分子構造に関する知見が得られるが、非常に微弱なためにその利用は限られてきた。超短パルスレーザーを駆使した非線形ラマン散乱現象を利用して、リアルタイムにラマンイメージを観測可能な顕微鏡や内視鏡を開発している。
研究の内容
ラマン散乱は、無染色に分子種・分子構造に関する知見が得られるために、化学分析、物理化学研究、半導体物性研究等に用いられ、 近年になって生体観測への応用が盛んに行われるようになってきた。しかしながら、ラマン散乱は非常に微弱であるために、そのイメ ージをリアルタイム観測することは困難であった。波長可変同期ピコ秒レーザーを開発し、これを光源とした多焦点非線形ラマン散乱顕微鏡によって100 frame/sという、ビデオレートよりも高速なイメージングを実現した。また、直径12mm、全長550 mmの硬性鏡下で、神経を無染色、高速に可視化できることを示した。神経温存内視鏡下外科手術の新しい眼として期待できる。
橋本 守 教授 Mamoru Hashimoto博士(学術) -
腫瘍血管新生阻害剤スクリーニングシステム
腫瘍血管新生阻害剤開発のためのcell based screening assay システム
腫瘍血管内皮細胞を用いたcell-based screeningを実現する。現存の血管新生阻害剤における問題点 (副作用・コンパニオン診断薬がない)を克服し、次世代血管新生阻害療法開発につなげる。
研究の内容
分子標的治療薬の開発が進み、血管新生阻害剤が広く使用されるようになったが、治療効果を予測するコンパニオン診断薬が無いこと、正常血管への傷害による副作用といった問題もある。
我々はヒト腫瘍血管内皮細胞の分離培養に成功しており、それらが発現する特異マーカーを同定している。これらマーカーを発現している腫瘍血管内皮細胞は新規薬剤や化合物のcell-based screeningに有用な貴重なマテリアルである。従来の腫瘍細胞株や臨床腫瘍組織片を用いた研究では発見されない新しい治療の標的や、薬剤を同定することを可能とする。 さらにコンパニオン診断薬としてこれらの腫瘍血管内皮細胞が発現するマーカーを利用する事が可能となる。血管新生阻害剤の投与時期、期間、適応症例などを選別したうえでの個別化治療実現つなぐことを可能とする。樋田 京子 教授 Kyoko Hida歯学博士 -
ペプチド・糖ペプチド環化技術
水素結合制御によりペプチド環化効率を飛躍的に向上
溶媒の水素結合ネットワーク形成に着目した反応系を活用することによりペプチド環化反応の効率化と難溶性ペプチドの溶解度向上を高次元で両立することに成功した。創薬や分子ツール設計に応用可能である。
研究の内容
創薬等の生理活性化合物探索やライフサイエンスにおける分子ツール設計ににおいて環状ペプチドは、その配座安定性や配向性、対称性の制御などが容易であるため、理想的な基本分子となりうる。しかし、ペプチド環化は希薄条件や複雑な保護基戦略などを要していた。本研究では水素結合制御型溶媒システムと無塩基縮合剤システムを組み合わせることにより、難溶性のペプチド等でも高濃度条件下で効率的に環化できることを見出した。特殊な保護基戦略を必要としないことから応用範囲が広く、これまで様々な生理活性ペプチドや糖ペプチドの効率的環化に成功している。本技術を活用することにより、環状ペプチドの設計自由度と量産が容易となり、創薬やライフサイエンス用ツール開発が加速されることが期待される。
比能 洋 教授 次世代物質生命科学研究センター 副センター長 Hiroshi Hinou博士(工学) -
ミトコンドリア標的型ナノカプセル (MITO-Porter)
ミトコンドリアに薬物・タンパク質・核酸を導入する技術
ミトコンドリアは疾患治療、美容・健康維持、ライフサイエンスの発展に貢献するオルガネラとして注目されています。私たちはミトコンドリア標的型ナノカプセル(MITO-Porter)の開発に成功しており、本ナノカプセルの実用化を目指しています。
研究の内容
本研究のミトコンドリア標的型ナノカプセル(MITO-Porter)は、細胞膜およびミトコンドリア膜を通過し目的分子をミトコンドリア内部に届ける事が可能です。機能素子を用いた従来技術では送達分子の大きさや種類を著しく制限しましたが、目的分子を封入するMITO-Porterを用いた戦略では分子種によらないミトコンドリア送達を実現します。
GFP(緑色)を内封したMITO-Porterを調製し、細胞内を蛍光顕微鏡観察したところ、ミトコンドリア(赤色)と重なり合った黄色のシグナルが多数観察される、ミトコンドリアへの効率的な分子送達を確認できました。また、既存の核酸導入試薬(核・細胞質を標的)では不可能であったミトコンドリアへの遺伝子・核酸導入にも成功しています。さらに、生体に適応可能なナノカプセルの開発も行っています。山田 勇磨 教授 Yuma Yamada博士(薬学) -
センシング用低電力A/D変換器
Time to digital converter のA/D変換器への利用と
その低電力化もっとも簡単な構成であるSingle-Slope A/D変換器は、イメージセンサなど様々な形で利用されています。しかし、変換速度が遅いことが欠点でした。本手法は、その高速化と低電力化を同時に実現する技術です。
研究の内容
Single-Slope A/D変換器は、アナログ値を時間に変換してデジタル化します。そこで、Time to DigitalConverter (TDC) を用いることで、変換時間を大幅に削減できます。しかしながら、消費電力が大幅に増加してしまいます。TDCを間欠動作させることでTDC部の消費電力を数十分の一に削減し、高速化と低電力を両立いたします。本手法の特徴として、以下が挙げられます。
・低電力/高速化/小面積なA/D変換器の実現
・高精度・粗精度な2つの計測の同期・整合性を原理的に保証
・A/D変換特性が連続的で補正が容易。池辺 将之 教授 Masayuki Ikebe工学博士 -
光複素振幅計測技術
光の空間位相情報を検出可能にする「見えないものを見るための技術」
本技術は、2台のセンサと偏光光学素子によって、空間補完誤差を生ずることなく1回の計測で光位相分布の精確な検出を可能にします。3D画像計測、3D断層計測、デジタル位相共役、3D光メモリ、空間モード光通信など多岐にわたる応用が期待されます。
研究の内容
ホログラフィックダイバーシティ干渉法では、複数のイメージセンサを偏光光学素子と組み合わせて配置することで、空間補完誤差を生ずることなく1回の計測で精確な光位相分布の検出を可能にします。これまでに、2台のイメージセンサによる干渉光学系の開発と計測アルゴリズムの大幅な改良を行い、高精度な位相計測を実現すると共に、計測された位相分布データを用いた3D情報処理を可能にしました。この技術は、3D光情報の取得やデジタル位相共役による光断層撮影、ならびに、3D光メモリに直接応用することができます。また、本研究では、信号光に空間フィルタリングを施した光を信号光と再干渉させる参照光不要型位相検出装置の開発にも成功しました。これにより、空間モードを用いた次世代超高速光通信システムやリモートセンシング分野への応用が期待されます。
岡本 淳 特任准教授 Atsushi Okamoto工学博士 -
コミュニケーションロボットシステム
対話の活性度を用いた社会空間認識システムおよび複数ロボットによる注意誘導システム
人同士の対話の活性度を計算することにより、ロボットはその対話空間の「強度」を認識することができ、文脈に適応した行動をとることができる。さらに、このメカニズムを複数ロボットの動作に応用することにより、ユーザの注意誘導が可能となる。
研究の内容
本研究の対話活性度計算システムでは、対話者間の距離、音声データ、身体動作などの情報を用いて、リアルタイムで活性度を計算する。この活性度を用いることにより、ロボットは対話空間に侵入してよいのか、対話を中断してよいのかを判断することができ、文脈適応的な行動をとることができる。さらに、複数のロボット同士の行動に対して、対話活性度を高めるような動作をさせることにより、ユーザの注意(視線など)を容易に誘導することができるようになる。このような対話活性度を用いたロボットの動作生成システムは、従来の社会的ロボットの研究にはなかったものであり、受付窓口のロボットや、家庭向けホームロボットにも応用可能である。
小野 哲雄 特任教授 Tetsuo Ono博士(情報科学)




























































































