北海道大学 研究シーズ集

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「システム」の検索結果:98件

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  • 先端複合材料の最適設計

    自由繊維形状による新機能複合材料

    先端複合材料(炭素繊維強化複合材)は広く構造材料として使用され始めているが、その異方性を効率的に利用できているとは言えない。当研究室では複合材の繊維配向(直線状・曲線状)を最適に設計する手法の開発を行っている。

    • 図1ファイバー縫付機による曲線繊維縫付け

    • 図2最適繊維形状

    • 図3ひずみ分布

    研究の内容

    比強度・比剛性の高さから構造材料として広く利用されている先端複合材料(炭素繊維複合材料、CFRP)は、その繊維配向技術の発展により繊維を直線状のみではなく、曲線状に配置することが可能となっている。直線状の繊維と比較して設計の自由度は大きく向上するため、部品形状や使用目的に特化したCFRP部材の作製が可能である。当研究室では刺繍機の技術を援用したファイバー縫付機(図1)を用いて曲線状繊維を有する複合材供試体を作製し、その力学特性評価を実施するとともに、独自の繊維形状最適化手法を開発している。例えば図2は複数の円孔を持つ翼モデルの孔周りのひずみ集中を軽減することを目的とした最適繊維形状であり、ひずみ分布は図3のようになる。これは直線繊維よりもひずみ集中を軽減できていることがわかっている。

  • 水蒸気・水混合噴霧による超低環境負荷洗浄法

    『水蒸気+水』の物理作用を利用した、
              薬液を使用しない超精密安心洗浄法

    水と水蒸気を混合しノズルから高速噴霧する全く新しい水蒸気・水混相噴霧を用いた革新的洗浄法を開発しました。薬品を使用しない超低環境負荷であることに最大の特徴があり,半導体製造プロセス等の超精密洗浄で所定の性能を発揮することを確認しました。

    • 本洗浄法の概略図

    • 洗浄例:フォトレジスト剥離の様子

    • (a)空気中   (b)飽和蒸気中
      物理作用発生原理:アルコール液滴の衝突

    • (a)初期状態     (b)水蒸気・水噴霧  (c)空気・水噴霧
      洗浄例:ドライエッチ後の残渣除去における噴霧条件の差

    研究の内容

    私達は、これまでの研究成果により、凝縮性気体中を液滴が固体表面に衝突する場合には、空気の場合とは異なり、「飛沫(スプラッシュ)が抑制され薄い液膜(ラメラ)が高速で固体表面を伸展する」現象を発見しており、高速ラメラにより強力な流体せん断力が発生すると考え「水蒸気と水の混合噴流を用いた低環境負荷洗浄」が可能であると考えました。
    これまでの研究成果により、水と水蒸気だけを用いる事により、半導体、LED、 太陽電池などの製造プロセスで要求される超精密洗浄に対する所定の洗浄性能を、本洗浄法は発揮することを確認しました。また、本洗浄法は水と水蒸気のみを用いるために、人体に有害となる洗剤等の化学薬品を全く用いないため、人体および環境にとって安全である超低環境負荷特性を有しています。

  • ミュージアムにおける評価の枠組みと手法の開発

    社会的・経済的価値の顕在化と参加型評価の試行

    ミュージアムを適切な枠組みで自己評価し、学びと改善のヒントを得たり、情報公開を進めたりすることが求められています。本研究では、ミュージアムスタッフとともに、その枠組みや評価手法を検討し、評価活動が実際に稼働するまでの過程をサポートします。

    • ミュージアムと来館者・地域社会の間で行われる交換関係

    研究の内容

    評価を通してミュージアムの価値を広く社会に伝え、その認識を定着させることが研究の目的です。従来の評価手法は、来館者がミュージアムで得る学術的・文化的価値のみに着目した業績測定手法が主流でした。そのため、ごく限られたミュージアム関係者や愛好家にしか、評価結果が伝わりませんでした。また、事業改善にもあまり貢献してきませんでした。
    この研究では、多くの非来館者を含む地域社会にミュージアムが存在することで生じる、社会的価値や経済的価値に着目した評価の枠組み(図参照)と評価手法を検討し、その価値を顕在化させます。また、学びと改善に有効な参加型評価など多様な手法で評価を試み、事業改善に役立てます。これらのことを通じて、ミュージアムが市民にとってより日常的な場となり、その地域にとって不可欠な存在になることを可能にします。

    佐々木 亨 特任教授 Toru Sasaki
    文学修士
  • GISと地理空間情報の活用法開発

    高度情報化社会に向けての人文地理学的アプローチ

    GIS(地理情報システム)とは、地理空間情報(位置情報付きのデータ)を分析・検索・表示するためのシステムです。本研究室では、地域計画や防災計画の支援などを目的として、地理空間情報に関するGISの分析方法や可視化方法の開発を行っています。

    • オープンデータとビッグデータを活用した津波避難速度低下地点の特定
      垂直方向に飛び出した部分(赤色は非積雪期、青色は積雪期)が著しく速度の落ちる部分であり、移動の障害が存在すると考えられる。この結果から避難移動をスムーズにする方策を検討できる。

    研究の内容

    本研究室ではGISを用いて、地理院地図や国土数値情報など国が整備している地理空間情報の他に、自治体などが整備しているオープンデータや、GPSで取得した移動履歴などのビッグデータの活用について研究を進めています。例えば、この成果は「積雪寒冷地の津波避難に関する計画策定支援」などで活かされています。積雪寒冷地の冬季環境(路面凍結、雪による道路幅減少など)は、臨海地域における津波避難を著しく困難にしています。本研究室は、この状況における避難困難地域の画定、避難困難人口の推定、避難場所の収容能力評価など計画策定に必要な多くの情報を生成し、その技術や成果を公表しています。この様に、地理学的な視点をもって社会的有用性の高い情報を容易で迅速に創造する技術を開発し、高度情報化社会の基盤形成に資する研究を続けています。

    橋本 雄一 教授 Yuichi Hashimoto
    博士(理学)
  • Gd₂Si₂O₇系高性能シンチレータの開発とその応用

    放射線検出器用大発光量シンチレータの開発

    シンチレータは放射線により発光する物質で医療診断装置、石油探査などで使用されます。Gd2Si2O7 (GPS)シンチレータは、高発光量、高エネルギー分解能、非潮解性等の優れた特長をもち、単結晶とセラミクスプレート・粉体が作れます。

    • GPSの高温環境下での発光量温度依存性。GSO(従来品)を遙かに凌駕

    • GPSプレートを用いた可搬型α線検出装置の試作機

    • ラドン子孫核種:核燃料起因α線放出核種=50:1環境における核燃料起因α線放出核種の弁別例

    研究の内容

    Gd2Si2O7:Ce(GPS)単結晶シンチレータは、NaI:Tlの1.4倍程度の大発光量、高エネルギー分解能、非潮解性、自己放射能無しといった優れた特長を持ち、250℃以上の高温環境でも使用可能な事から、石油探査の大深度化への貢献が期待されます。(株)オキサイドへの技術移転が完了し、SPECT等に応用していただける状態になりました。また5cm角GPS焼結体プレートの安定製造技術を確立しました。位置検出型光電子増倍管組み合わせることにより、福島第一原子力発電所事故で放出されたα線を放出する核燃料物質を高感度で検出可能になりました。試作装置では従来装置では考えられなかった核燃料起因α線放出核種:自然放射能(ラドン子孫核種) = 1: 200の環境下で核燃料起因α線放出核種の検出に成功しました。

    金子 純一 准教授 Junichi H. Kaneko
    博士(工学)・経営管理修士(専門職)
  • 再生可能エネルギー発電の出力把握と出力変動対策

    太陽光発電や風力発電の出力変動をリアルタイムに把握しその変動を抑制

    負荷電力(A)と再生可能エネルギー発電出力(B)とが混ざった電力潮流情報から,(A)と(B)を抽出する手法を開発しました。また(B)は天候に依存して大きく変動しますが,蓄電池を使って変動を抑制する制御手法と蓄電池容量評価手法を開発しました。

    • 図1  PV出力推定の一例

    • 図2 蓄電池を用いた出力変動抑制

    研究の内容

    本研究室では,独立成分分析(ICA)と呼ばれる信号解析技術を応用し,配電線を流れる電力潮流情報に隠れている「再生可能エネルギー発電(RE電源)の出力」をリアルタイムに抽出する手法を開発しました。系統内のPV設置容量などの予備情報を使用することなく,高精度な出力推定が可能です(図1)。
    また,蓄電池を用いてRE電源出力変動を補償するための制御手法も開発しています(図2)。また,個別のウインドファーム・メガソーラなどの出力変動抑制に必要な蓄電池容量を推計するシミュレーション技術も開発しました。

  • 流れと伝熱の数値シミュレーション

    界面活性剤による乱流抵抗低減流れのモデル化とシミュレーション

    界面活性剤添加による乱流抵抗低減流れのモデル化とシミュレーションを行い,抵抗低減メカニズムを明らかにする.また,同時に伝熱解析を行って流動特性と伝熱特性を詳細に調べる.

    • 摩擦係数のレイノルズ数依存性

    • 壁近傍(流れに直交する断面)の速度ベクトル(色は圧力)要素を添加することによって乱れが減衰している様子が分かる

    研究の内容

    水に微量の長鎖状高分子あるいは棒状ミセルを形成する界面活性剤を添加すると,乱流域での抵抗が著しく低減することはToms効果として知られている.微小なダンベル状要素で高分子を模擬したモデルを構築し,本モデルを用いて二次元チャネル内乱流のDNS(直接数値シミュレーション)を行い,Toms効果を再現した.また,この離散要素が縦渦減衰による抵抗低減機構と壁面近傍の付加応力による抵抗増加機構の2つの機構を内在していることを示した.さらに要素に強い力が加わった場合に,要素が切断される効果を加えることにより,抵抗低減が特定のレイノルズ数範囲で生じるという特徴を再現することができた.

    黒田 明慈 准教授 Akiyoshi Kuroda
    工学博士
  • 耐氷点下起動性に優れた固体高分子形燃料電池の開発

    電池内マイクロナノ凍結現象の解明

    普通では観察することのできない燃料電池内の反応層近傍凍結現象を、超低温型電子顕微鏡を用いて可視化しています。さらに電気化学測定を組み合わせ、寒冷地利用で問題となる生成水凍結現象の解明と耐氷点下起動性に優れた電池の開発を行っています。

    研究の内容

    高効率でクリーンなエネルギー変換機器である固体高分子形燃料電池において、反応による生成水は下の左図のように数十nmの径の触媒層空隙を通り、数μm径の空隙を有する多孔膜であるマイクロポーラスレイヤー(MPL)を介して、ガス拡散層・ガス供給チャネルへと排出される。寒冷地での氷点下環境起動では、生成水が凍結し、発電停止、劣化を引き起こす問題が生じるが、現象がマイクロナノスケールであるため計測が難しく、現象解明は未だ不十分の状況である。本研究では、水がどの部位で凍結し、どのような機構で性能停止および経年劣化に繋がるかを微視的観察、電気化学測定、触媒層モデル解析により解明し、耐起動性の向上や長寿命化を達成することを目指している。下の中図は触媒層が氷で埋められている様子、右図は解析でモデル化している触媒層の構造模式図である

  • 高温潜熱蓄熱マイクロカプセル

    500˚C超の高温域で高密度蓄熱が可能な、コア(合金潜熱 蓄熱材)–シェル(Al2O3)型の潜熱蓄熱マイクロカプセル

    固液相変化時の潜熱を利用する潜熱蓄熱法は高密度蓄熱可能な点で魅力的です。潜熱蓄熱材のマイクロカプセル化により蓄熱のみならず、熱輸送、熱制御用途への展開が可能となります。500 ºC超の高温域で利用可能な潜熱蓄熱マイクロカプセルを開発しました

    研究の内容

    500 ˚C超に融点を持つAl基合金を新たに潜熱蓄熱材として見出し、この合金のマイクロ粒子(約20μm~)へ化成/酸化処理を巧みに施すことで、コア(Al基合金)–シェル(Al2O3)型潜熱蓄熱マイクロカプセルの開発に成功しました(図1)。このマイクロカプセルは固体顕熱蓄熱材と比べて約5倍以上の高蓄熱容量を持ち、機械的特性に優れます。また、シェルがAl2O3であるため「セラミックス粒子」として扱えます。即ち、現行セラミックス顕熱蓄熱技術の利用形態を継承したまま性能をグレードアップできる画期的な蓄熱材料です。

  • 複合量子ビーム超高圧電子顕微鏡と材料研究

    マルチ量子ビーム科学と工学応用

    北海道大学超高圧電子顕微鏡研究室では、複合量子ビーム照射による微細組織変化のその場観察が原子スケールで可能な世界初となる光・イオン・電子の複合量子ビーム超高圧電子顕微鏡を開発しました。

    研究の内容

    【世界初の複合量子ビーム超高圧電子顕微鏡:左図】2014年に複数のレーザーを利用できる光学系を増設し、イオンビーム、レーザー光、電子など複数の量子ビーム照射下で原子レベルでのその場観察が可能な複合量子ビーム超高圧電子顕微鏡を開発。現在、その場分光システム開発中。

    【紫外線照射によるナノ結晶成長:右図】紫外線を水中プラズマ処理をしたZnに照射することによってZnOナノ結晶を成長させることに成功しました。現在、その成長メカニズムや応用について研究を推進しています。Scientific Report, 5, 11429(2015), AIP Advances, 7(2017) pp. 035220,
    その他参考文献:Nano Letters, 17(2017) pp. 2088-2093

  • 外来種アライグマ対策コスト削減のための
    巣箱型ワナ開発

    低密度状況で効果的・効率的防除手法を目指して

    日本に侵入した外来種の防除対策について、対象種の生態・行動学的特性に合わせ、かつ人間社会の状況に対応した効果的防除技術・戦略の提案を目的に研究を進めています。本研究では、アライグマの樹洞営巣習性を応用した効率的な捕獲ワナを開発しました。

    • 野外に設置した巣箱型ワナと捕獲されたアライグマ

    研究の内容

    北海道を始め全国的に増加し、被害をもたらしている外来種アライグマの防除対策は喫緊の政策課題であり、対策現場では長期化する防除事業のコスト削減が最重要課題となっています。従来の捕獲方法は、誘因餌を用いた箱ワナによる捕獲だけに依存しており、他の動物の混獲予防と誘因餌の交換のために、捕獲の有無にかかわらず毎日の見回り・点検作業を必要とし、低密度化した後でも作業量は低減しないという問題がありました。本研究で開発したアライグマの樹洞営巣性という習性を応用した巣箱型ワナは、誘引餌が不要で混獲も少なく、毎日の点検が不要で防除コストを極めて低価格に抑えることのできるワナになっています。さらに、捕獲情報を電波によってオフィスで受信できるシステムを付与することで、少人数で広範囲な防除対策を低予算で実施することを可能にしました。

    池田 透 名誉教授 Tohru Ikeda
    文学修士
  • 社会技術システムとしてのバイオマス利活用に関する研究

    地域循環によるバイオエネルギー普及を目指して

    循環計画システム研究室では、生ごみ、下水汚泥、家畜ふん尿、林地残材や稲わら等のバイオマスを地域内で利用し、地域分散型のバイオエネルギーを創り出すための、技術と社会の仕組み作り(社会技術システム)に関する研究をしています。

    • 左図の説明
      <バイオマス利活用システム構築で考慮すべき要素>
      健全なバイオマスの利活用システムを構築するためには、事業の目的を明確にした上で、(1)バイオマスを収集・運搬するインプット、(2)エネルギー利用や残渣の処理といったアウトプット、(3)インプットの性状に応じた変換技術の選択、(4)事業採算性(事業主体)、そして(5)地域特性のすべてを一体として考える必要があります。

    研究の内容

    本研究室では、バイオマス(生ごみ、下水汚泥、家畜ふん尿、林地残材、稲わらなど)から燃焼やメタン発酵によって回収されたエネルギーを、地域内に存在するエネルギー需要者(公共施設や介護・福祉施設、ビニールハウス等の農業施設、食品工場等)と結びつけることにより、環境と地域振興(経済)の両方に貢献できるシステム提案(実験やフィールド調査に基づく計画、モデリング、評価)を行っています。さらに、民間企業の協力を得て、寄附分野循環・エネルギー技術システム分野(古市徹客員教授、藤山淳史特任助教、http://labs.eng.hokudai.ac.jp/labo/mces/)とも連携し、エコで安全なエネルギーに関する研究を行っています。

    石井 一英 教授 Kazuei Ishii
    博士(工学)
  • 液中微粒子の集団性を利用した沈降・拡散挙動の制御

    粒子の沈降挙動を自由自在にコントロールする

    懸濁液中に濃度差が存在することによって現れる粒子の集団性を上手く利用して、沈降速度を促進させたり、複雑流路中における粒子の分散挙動をコントロールするような技術を紹介します。

    研究の内容

    濃度差によって生じる液中微粒子の集団性を上手く利用して、沈降速度や分散挙動を能動的に制御する技術を提案します。不均一に分散した粒子の沈降形態は、懸濁条件を変えることによって集団的な挙動が見られるようになります。この集団的挙動に密接に関連する濃度界面近傍の粒子の挙動を理解するとともに、それを積極的に利用することによって、各種工学プロセスにおいて重要となる沈降促進、分散制御、輸送効率の向上などを目指しています。

  • 気候変動下における北極海洋システムの回復力と適応力

    環北極海全域の海洋生態系の統合的理解

    日本、米国、ノルウェーで進行中の環北極海域(北極海および隣接する周辺の亜寒帯海域)の既存研究課題の個別研究成果を発表する国際ワークショップを開催し、共通点や差異を整理しながら各海域における成果の統合的な理解を目指している。

    • 植物プランクトンの大型サイズの占有率分布。赤いところほど珪藻などの大型の植物プランクトンが占める。(a)2006年8月 (b)2007年8月

    研究の内容

    本研究では、環北極海域(北極海および隣接する周辺の亜寒帯海域)における共通点や差異を整理しながら太平洋−北極海−大西洋における環境変化と海洋生態系の応答について統合的に理解することを目的とする。国際共同研究プログラムIMBeR(海洋生物圏統合研究)の地域研究プログラムESSAS (Ecosystem Studies of Sub-Arctic and Arctic Seas:亜寒帯域および極海における海洋生態系研究)を母体にそこに参画している日本、米国、ノルウェーの科学運営委員を中心に研究を推進する。具体的には、2015年から2018年の間に、各国で進行している既存の研究成果を発表する国際ワークショップを3回開催し、環北極海全域の海洋生態系の統合的理解を図る。

    平田 貴文 特任准教授 Takafumi Hirata
    Ph.D.
  • リン酸カルシウムを用いた新しい地盤注入材

    自然界の生物の歯や骨の主な成分であるリン酸カルシウム化合物で地盤を固める画期的な低環境負荷型注入材

    地盤注入材(グラウト)の新たなセメント物質としてリン酸カルシウム化合物(以下CPC)に着目し、CPCの析出とCPCによる砂の固化に関する最適条件を検討した結果、ケミカルグラウトとバイオグラウトという2種類の新しい利用可能性が明らかになった。

    • 図-1 ウィスカー状CPC結晶の電子顕微鏡画像

    研究の内容

    環境負荷が小さい新たなグラウトを開発するために、自然界の生物によって生成される鉱物(バイオミネラル)の中でも歯や骨の主な成分であるCPCに着目し、CPCが析出する最適条件の検討およびCPCで固化させた砂供試体の一軸圧縮試験を実施した。その結果、CPC析出試験ではpHが弱酸性から中性付近に上昇することに伴い、析出体積の増加傾向が認められた。また、CPCで固化させた砂供試体の一軸圧縮強さは約90 kPaまで達し、砂質地盤が液状化しない一軸圧縮強さの目安である50~100 kPaを満足した。供試体片の電子顕微鏡観察からは、ウィスカー状のCPC結晶が確認された(図-1)。以上より、自己硬化性を利用したケミカルグラウトと析出体積のpH依存性を利用したバイオグラウトという、2つの新しいグラウトとしての利用可能性が示された。

  • 免震構造の極限挙動解析

    巨大地震への備えとして

    当研究室では免震構造の高度な解析技術を開発しており、巨大地震に対する免震建物の極限挙動の予測、および巨大地震に備える各種対策を提案することができます。

    • ◆免震建物の極限挙動◆

    • ◆免震建物の地震応答解析◆

    • ◆免震積層ゴムの熱伝導解析◆

    研究の内容

    免震建物では、地震時に免震装置が柔らかく変形することにより上部建物に発生する応答加速度を大きく低減し、耐震安全性を向上させることができます。一方で、南海トラフ巨大地震などによる設計想定を超えた地震動に対しては、建物の擁壁への衝突や免震装置の座屈・破断などの極限事象が生じる恐れがあります。免震建物の極限挙動を精緻に予測する解析技術を用いることにより、極限事象の発生を予見したり、その発生を抑えるための対策を検討したりすることが可能となります。

    菊地 優 特任教授 Masaru Kikuchi
    博士(工学)
  • セメント硬化体の物質移動予測モデル

    Prediction of transport properties of cement-based materials

    コンクリートは、広くインフラとして使用されており長寿命化はサステイナブル社会構築のため必須である。それを実現するためには適切な性能予測技術が不可欠である。そこで本研究ではコンクリートを構成している硬化セメントペーストの物質移動予測を行った。

    研究の内容

    コンクリートなどの多孔体の物質移動性能は含まれる空隙量に依存しているが、空隙量のみだけでなく各相の空間配置も影響を及ぼしている。そこでコンクリートの物質移動性能を予測するために、その構成材料である硬化セメントペースト(HCP)の物質移動性能の予測を行った。HCPの断面を反射電子像で観察した結果を図1に示す。各相が分散している様子がわかる。これより各相を抽出し自己相関関数を計算を行い、これに基づき各相を3次元空間に配置を行い、図2に示す3次元イメージモデルを構築した。このモデルにより拡散係数を有限差分法によって算出した結果と実測値の比較を図3に示す。推定値と実測値は異なる試料においてもよく一致していることから、本モデルによる拡散係数推定手法によりセメント硬化体の拡散係数は予測可能であることが示された。

  • 1枚の顕微鏡画像でも、全てを語れる

    日本全国の研究者へ、最新の生物顕微鏡を提供する施設

    日本全国の研究者が最新の生物顕微鏡を利用できる施設としてニコンイメージングセンターは設立され、現在は電子科学研究所の運営で活動しております。顕微鏡に触れたことのないような初心者の方にも、専任スタッフが機器やソフトウエアの操作方法を説明します

    • 超解像顕微鏡

    • 培養細胞の超解像画像

    研究の内容

    近年になってバイオイメージングの需要はますます増大しており、遺伝子導入技術や蛍光タンパク質による分子・細胞マーキング技術、そして顕微鏡などの観察機器の性能も、飛躍的に向上しております。しかし高性能の顕微鏡システムは非常に高額で、特にスタートアップ時にすべてを揃えるのは困難なうえ、誰でも簡単に優れたデータを取得できる訳ではないところに、イメージングの難しさがございます。
    当センターは学外の研究者にも広く機器を開放し、機器やソフトウエアの操作指導のみならず、イメージングのノウハウも提供します。また本年より「先端バイオイメージング支援プラットフォーム」にも参画し、国内の他の顕微鏡施設とも連携して、最先端の顕微鏡の利用の支援にも携わっております。イメージングを検討中の企業の方々におきましては、まずはぜひご検討ください。