北海道大学 研究シーズ集

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「システム」の検索結果:98件

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  • 栄養素を循環させる農業を多面的に達成する

    環境にやさしい農業、を、もっと身近に、もっとやりやすく

    牛は食べた栄養素の八割近くを糞尿にしてしまう。それを土に撒き、草が伸び、牛が食べ栄養素はリサイクルされる。しかし土は保持できない栄養素を環境中へ排出する。これら目に見えにくい循環を理解し是正していく。

    研究の内容

    農業に由来する環境負荷、例えば水質悪化や温室効果ガス排出は近年大きな問題となっています。これらを是正するには、多面的な研究が必要です。例えば土壌中に保持される栄養素を理解するには微生物学的知識が必要ですし、作物生育のムラなどが起きていることを判別するには画像解析技術などが役立ちます。また、農業が環境負荷を引き起こす原因を根本的に理解するには、農業現場でどのような人がどう利益を得ているのかを理解する必要があります。環境生命地球化学研究室では、「微生物学」、「衛星画像解析」、「農家データ解析」を大きな三本の柱としながら、農場内で、地域で、栄養素を確実に循環させ、環境負荷を極限まで減らした農業体系の確立を目指しています。

  • オプトジェティクスによる新規医療技術の開発

    光の特性を利用した深部癌治療法、創傷治癒・組織再生促進療法の開発

    様々な波長の光を利用して、生体内表面から深部にいたる病変(癌、損傷)を治療する技術を開発する。光による遺伝子発現の制御技術(オプトジェティクス)を基本技術として、さらに波長の異なる光を組み合わせることで体表から深部病変の治療法を開発する。

    • 様々な波長の光を利用した生体深部癌の治療法

    • 様々な波長の光を利用した生体組織の修復・再生促進療法

    研究の内容

    光照射においてはオン・オフをコントロールすることは容易であり、優れた時間分解能で操作することが可能である。また、狙った細胞に限定して光を照射することも可能であることから、空間分解能という意味でも優位性がある。一方、光の送達深度には限界がある。例えば、多くの光遺伝学的手法で頻用される青色光(400-500nm)は、生体透過性が低く深部組織への光照射は困難である。しかしながら、生体透過性が優れている近赤外光を利用することで、深部組織も治療ターゲットになり得ると期待される。
    我々は、生体透過性が高く組織深部へ到達可能なX線領域あるいは近赤外領域の光による直接的あるいは間接的な遺伝子発現制御システムを研究しており、それにより癌細胞死を誘導あるいは傷害組織を再生する遺伝子・蛋白質を細胞内に発現させることを試みている。

    尾崎 倫孝 教授 Michitaka Ozaki
    医学博士
  • 給餌効率の向上を目的とした画像認識技術によるウニの行動モニタリング

    おなかをすかしたウニをさがせ

    キタムラサキウニの行動を追跡し、索餌行動の存在について調査した。画像認識技術を用いたウニの位置推定手法を構築し、飽和給餌・無給餌個体の行動の違いから、索餌行動を検出できる可能性を示唆した。

    研究の内容

    1.画像認識技術で画像上のウニを高い確度で検出した。ウニの探索には本手法が有効と分かった。算出された重心には、ばらつきが見られた。追尾のための位置推定精度の向上を目指したい。

    2.索餌行動の有無を確認するために、絶食個体と飽食個体の行動を比較したところ、餌の浸漬による刺激で絶食個体の移動頻度が増加する傾向がみられた。無給餌期間と索餌行動発現の関係と、索餌行動発現の仕組みが分かれば給餌方法のノウハウとして利用出来る可能性がある。

  • 腫瘍血管新生阻害剤スクリーニングシステム

    腫瘍血管新生阻害剤開発のためのcell based screening assay システム

    腫瘍血管内皮細胞を用いたcell-based screeningを実現する。現存の血管新生阻害剤における問題点 (副作用・コンパニオン診断薬がない)を克服し、次世代血管新生阻害療法開発につなげる。

    研究の内容

    分子標的治療薬の開発が進み、血管新生阻害剤が広く使用されるようになったが、治療効果を予測するコンパニオン診断薬が無いこと、正常血管への傷害による副作用といった問題もある。
    我々はヒト腫瘍血管内皮細胞の分離培養に成功しており、それらが発現する特異マーカーを同定している。これらマーカーを発現している腫瘍血管内皮細胞は新規薬剤や化合物のcell-based screeningに有用な貴重なマテリアルである。従来の腫瘍細胞株や臨床腫瘍組織片を用いた研究では発見されない新しい治療の標的や、薬剤を同定することを可能とする。 さらにコンパニオン診断薬としてこれらの腫瘍血管内皮細胞が発現するマーカーを利用する事が可能となる。血管新生阻害剤の投与時期、期間、適応症例などを選別したうえでの個別化治療実現つなぐことを可能とする。

  • 食用動物の鮮度と食べ頃の可視化装置『MIRASAL(見らさる)』

    安全・安心を実現する食用動物の鮮度と食べ頃の評価装置

    我々は、産業技術総合研究所と共同で、致死後の食用動物(水産動物や畜産動物)の任意部位における分解成分の濃度の経時変化をシミュレーション法により求め、鮮度と食べ頃を評価するための可視化装置『MIRASAL』を開発した。

    • 図1 開発中の鮮度評価装置の入力画面と計算結果の例

    • 図2 開発中のMIRASALウェブサイト

    研究の内容

    魚介類の産地および消費地における卸売市場では、鮮度が取引価格を決定する1つの重要な基準となっており、その評価指標としてK値が提唱されている。しかし、その値は死後の水産動物の任意の部位をサンプリングし、種々の前処理後に成分分析を行い算出するため、流通現場でのリアルタイム評価(把握)は出来ない。当研究室では、妥当なシミュレーション法による課題解決を考え、上記したような手法を用い、魚介類の種類や大きさ、死後の経過時間や保存温度などの各種情報から、鮮度と食べ頃を評価できる装置を開発し、現在その発明内容の権利化や携帯性の向上(スマートフォン等での利用)などを進めている。本装置『MIRASAL』は、牛肉・鶏肉・豚肉といった畜産動物にも適用可能である。

  • 鮮度保持用液状氷の質と量の同時最適化装置

    食品の長期鮮度保持のための液状氷最適化装置

    単純な熱容量計算で食品用液状氷〔スラリーアイス(塩分含有水氷)又は無塩分水氷〕の必要最小量や、保管用容器の総括伝熱係数(容器放熱量パラメータ)を用いスラリーアイス温度を決定する塩分濃度・水/氷混合比及び貯蔵可能時間を算出する装置を開発した。

    • 図 スラリーアイスの温度の実測値と計算値の比較(左上図:キビナゴ、左下図:ハタハタ)とスラリーアイス中の氷量の実測値と計算値の比較(右上図:キビナゴ、右下図:ハタハタ(計算値のみ))

    研究の内容

    これまで、水産動物の鮮度保持に有用なスラリーアイスの製造量は、貯蔵時間を考慮した計算法が無かったため、多くの場合、過剰な量が製造され使用されてきた。そこで当研究室では、先に記載したように、保管用容器の総括伝熱係数を用いて、その場で迅速に、スラリーアイスの質(塩分濃度や水/氷混合比)と量(貯蔵可能時間)を同時に最適化する装置を開発した。本法は、真水由来の塩分を含まない液状氷の製造にも適用可能なため、水産動物以外の食品(野菜・果物・畜産動物)にも利用でき、現在その発明内容の権利化などに取り組んでいる。

  • ソノポレーション:超音波と微小気泡を用いた新しい薬物送達手法の開発

    細胞レベルでの組織標的能を実現

    我々は,直径数ミクロンの微小気泡を細胞に付着させた状態でパルス超音波を照射することにより細胞膜の膜透過性を一時的に向上できることを世界に先駆けて明らかにし、生体への薬物・遺伝子送達の実現を目指した研究を推進している.

    • 超音波照射前                   照射後
          図1

    • 図2

    研究の内容

    ○微小気泡とパルス超音波を用いた音響穿孔法(ソノポレーション): 微小気泡が細胞膜に接触した状態でパルス超音波を照射すると、付着部位にのみ一時的穿孔を生じる(図1)。微小気泡に薬剤や遺伝子を付加し、光ピンセットで付着位置を制御することにより、目的とする細胞の任意の位置に薬剤や遺伝子を導入する手法を実現。
    ○治療部位の特定と薬物送達を微小気泡と超音波診断装置で実現: 治療対象の細胞にのみ付着する標的機能を有する気泡を静脈から注射する。気泡が集積した組織を超音波造影法により検出することで治療対象部位を特定する。続いて気泡を壊すパルス超音波を発生し、細胞に一時的な細胞膜穿孔を生じさせ、薬物等の送達を実現する(図2)。気泡に薬剤や遺伝子などを付加することで、ターゲット細胞にのみ高効率な薬物送達が実現できる。

  • 独自の機能性脂質の開発を基盤としたin vivo核酸送達システム

    世界トップクラスの核酸導入能と安全性の両立

    siRNAの安全かつ効率的なin vivo送達を実現する独自の機能性脂質群を開発した。本脂質を含む脂質ナノ粒子は優れたエンドソーム脱出能力に起因する肝細胞への世界トップクラスのsiRNA導入効率および生分解性に起因する高い安全性を示した。

    研究の内容

    siRNAの実用化には優れた送達技術の開発がカギであるが、その送達効率には大きな伸びしろが残されている。また、実用性の観点では広い安全治療域を確保することも重要となる。さらに、特定の用途に限定されず、目的に応じた適切な製剤を提供可能なプラットフォーム技術の開発が強く望まれる。それらの実現のため、独自のpH感受性カチオン性脂質群を開発した。脂質ナノ粒子の体内動態に重要な因子である酸乖離定数の調節を実現し、標的に応じた分子設計を可能とした。また、新規脂質CL4H6を含む脂質ナノ粒子は肝細胞において世界トップクラスの効率で遺伝子発現抑制を誘導した。また、50%抑制投与量の約3,000倍もの投与量においても顕著な肝毒性は認められず、高い安全性が確認された。CL4H6はsiRNA送達後に速やかに分解除去された。

    佐藤 悠介 准教授 Yusuke Sato
    博士(生命科学)
  • 独創的糖鎖誘導体ライブラリの作成技術 × どこでも使用可能なマイクロアレイ解析システム

    糖鎖自動合成技術を活用した独創的ライブラリ × オンサイト医療や研究を支えるマイクロアレイ技術

    糖鎖関連相互作用は感染症やがん診断等において重要な標的である。糖鎖自動合成技術開発の過程で構築・蓄積した糖鎖、複合糖質、糖質関連阻害剤、およびその誘導体ライブラリの活用法としてどこでも利用可能なマイクロアレイ装置の開発を行った。

    • 糖鎖自動合成技術からの飛躍

    • どこでもマイクロアレイの未来

    研究の内容

    マイクロアレイ技術は構造や配列が明確な多数の化合物ライブラリと検体成分との相互作用を一斉比較解析可能な技術です。また、我々は糖鎖自動合成技術を核とした独自糖質化合物ライブラリをマイクロアレイ解析用分子として設計・制作するための最先端技術を有しています。糖質が有する相互作用情報は、血液型やO157等の血清型、がん診断マーカー(CA○○○)など、体外診断用バイオマーカーとして幅広く使用されています。さらに、感染症の変異に伴う感染パターン解析やワクチン効果の詳細な解析など、検体収取とマイクロアレイ解析をスマートホンを端末としてその場で行い、オンライン診断に使用可能な独立電源型モバイル解析装置の開発に成功しました。

    比能 洋 教授 次世代物質生命科学研究センター 副センター長 Hiroshi Hinou
    博士(工学)
  • 乳牛の飼養方法と生産される乳の品質

    日本全国、乳牛は様々な方法で飼養されていますが、牛乳の品質(成分的、衛生的、官能的)との関連は、明確ではありません。
    実際の酪農現場で生産された乳を解析し、乳牛の飼養方法と生産される乳の品質との関連を明らかにしています。

    研究の内容

    「乳牛の飼養方法と生乳の成分的品質との関連」
    乳牛の飼養方法は日本各地で異なり、特に北海道では気候条件などの違いにより明確に異なります。
    北海道の各地域における飼養タイプの違い(畑作型、草地型、都市近郊型)と各酪農家で生産された生乳の成分、特に乳製品の品質と関連が強い脂肪酸組成やビタミン、カロテノイドとの関連を検討しています。

    「乳牛の飼養方法と牛乳の官能的品質との関連」
    乳牛の飼養方法の違いと生乳の成分的品質との間には関連性が強いことが分かってきました。
    しかし、ヒトが実際に飲んで感じるおいしさ(味、香り、食感)との関連は明確でありません。
    そこで、乳牛の飼養方法、生乳の成分的品質、牛乳の官能的品質、これら3者間の関連を検討しています。

  • 農水産業のDXを支える中心温度測定用食肉模擬装置

    実肉を使用しない食肉中心温度測定用デバイス

    食用動物の食肉を対象に、その中心温度を把握するための温度測定装置を開発した。本装置のプローブ周囲には、魚・牛・豚・鶏等の食用動物の食肉を模擬した比熱及び形状を有する材料を配置しており、実際の食肉に近い中心温度変化をリアルタイムで取得できる。

    • 図1 開発中の中心温度測定用食肉模擬装置の構成図

    • 図2 開発中の中心温度測定用食肉模擬装置と鮮度評価システムの関係

    研究の内容

    一般的に食肉の貯蔵温度管理は、食材が貯蔵されている貯蔵庫内の温度を計測し、温度管理を行っている。しかし、食肉を高鮮度状態に保つためには、その中心温度を計測し温度管理をすることが重要であるが、現状のサーモグラフィーカメラや温度センサーでは、その表面温度しか測定ができない。
    そこで、当研究室では、食用動物の食肉を模擬した比熱及び形状を有するプローブを作製することにより、食肉の中心温度変化を模擬できる装置を開発した。これにより、食肉を傷つけることなく、測定したい食肉の中心温度を取得することが可能となり、その温度変化を基に、理想的な温度管理が可能となる。また、食用動物の鮮度と食べ頃の可視化装置『MIRASAL(見らさる)』と本模擬装置を連携することで、実際の食肉を使用することなく、鮮度評価を行うことが可能となる。

  • 非線形ラマン散乱内視鏡

    非線形ラマン散乱を用いた神経の無染色可視化による新しい内視鏡下手術支援ロボットの眼の開発

    ラマン散乱は、無染色に分子種・分子構造に関する知見が得られるが、非常に微弱なためにその利用は限られてきた。超短パルスレーザーを駆使した非線形ラマン散乱現象を利用して、リアルタイムにラマンイメージを観測可能な顕微鏡や内視鏡を開発している。

    • 非線形ラマン散乱硬性鏡

    • ラット坐骨神経の非線形ラマン散乱像(スケールバーは100μm)

    研究の内容

    ラマン散乱は、無染色に分子種・分子構造に関する知見が得られるために、化学分析、物理化学研究、半導体物性研究等に用いられ、 近年になって生体観測への応用が盛んに行われるようになってきた。しかしながら、ラマン散乱は非常に微弱であるために、そのイメ ージをリアルタイム観測することは困難であった。波長可変同期ピコ秒レーザーを開発し、これを光源とした多焦点非線形ラマン散乱顕微鏡によって100 frame/sという、ビデオレートよりも高速なイメージングを実現した。また、直径12mm、全長550 mmの硬性鏡下で、神経を無染色、高速に可視化できることを示した。神経温存内視鏡下外科手術の新しい眼として期待できる。

  • ペプチド・糖ペプチド環化技術

    水素結合制御によりペプチド環化効率を飛躍的に向上

    溶媒の水素結合ネットワーク形成に着目した反応系を活用することによりペプチド環化反応の効率化と難溶性ペプチドの溶解度向上を高次元で両立することに成功した。創薬や分子ツール設計に応用可能である。

    • 環状糖ペプチドの合成例、C2対称型に糖鎖を配向制御した(左)
      D-アミノ酸導入等により配座の自由度が制御可能である(右)

    研究の内容

    創薬等の生理活性化合物探索やライフサイエンスにおける分子ツール設計ににおいて環状ペプチドは、その配座安定性や配向性、対称性の制御などが容易であるため、理想的な基本分子となりうる。しかし、ペプチド環化は希薄条件や複雑な保護基戦略などを要していた。本研究では水素結合制御型溶媒システムと無塩基縮合剤システムを組み合わせることにより、難溶性のペプチド等でも高濃度条件下で効率的に環化できることを見出した。特殊な保護基戦略を必要としないことから応用範囲が広く、これまで様々な生理活性ペプチドや糖ペプチドの効率的環化に成功している。本技術を活用することにより、環状ペプチドの設計自由度と量産が容易となり、創薬やライフサイエンス用ツール開発が加速されることが期待される。

    比能 洋 教授 次世代物質生命科学研究センター 副センター長 Hiroshi Hinou
    博士(工学)
  • NEW マレック病モデルを基盤とした鶏T細胞応答解析と家禽疾病予防戦略への展開

    鶏の感染症制御に向け、マレック病をモデルとした高度な免疫学的解析により、ワクチンの作用機序や病原性の要因特定に取り組んでいます。この手法は他感染症や資材の効果判定にも応用可能で、科学的根拠に基づいた次世代の予防・飼養管理戦略を支援します。

    研究の内容

    鶏はファブリキウス嚢でのB細胞分化や末梢血中への高いγδT細胞の分布など、哺乳類とは異なる免疫システムを保持しています。本研究ではマレック病をモデルとし、強毒株やワクチン株に感染した鶏のCD4/CD8/γδ各T細胞分画の動態や活性を評価するなどの免疫学的解析手法により、現行ワクチンの作用機序や野外株の病原性の差を生じさせる免疫学的要因の解明を進めています。本アプローチは、従来知見を補完する高度なエビデンス構築を可能にするだけでなく、他感染症の応答解明やワクチン等の資材における効果判定にも広く応用可能です。鳥類免疫の専門的知見と解析技術を提供することで、多様な鶏の感染症予防戦略や飼養管理向上の基盤構築への貢献を目指しています。

    村田 史郎 准教授 Shiro Murata
    博士(獣医学)
  • ミトコンドリア標的型ナノカプセル (MITO-Porter)

    ミトコンドリアに薬物・タンパク質・核酸を導入する技術

    ミトコンドリアは疾患治療、美容・健康維持、ライフサイエンスの発展に貢献するオルガネラとして注目されています。私たちはミトコンドリア標的型ナノカプセル(MITO-Porter)の開発に成功しており、本ナノカプセルの実用化を目指しています。

    研究の内容

    本研究のミトコンドリア標的型ナノカプセル(MITO-Porter)は、細胞膜およびミトコンドリア膜を通過し目的分子をミトコンドリア内部に届ける事が可能です。機能素子を用いた従来技術では送達分子の大きさや種類を著しく制限しましたが、目的分子を封入するMITO-Porterを用いた戦略では分子種によらないミトコンドリア送達を実現します。
    GFP(緑色)を内封したMITO-Porterを調製し、細胞内を蛍光顕微鏡観察したところ、ミトコンドリア(赤色)と重なり合った黄色のシグナルが多数観察される、ミトコンドリアへの効率的な分子送達を確認できました。また、既存の核酸導入試薬(核・細胞質を標的)では不可能であったミトコンドリアへの遺伝子・核酸導入にも成功しています。さらに、生体に適応可能なナノカプセルの開発も行っています。

  • 群飼育下の乳用雌哺育牛から体調不良個体を早期検出するリアルタイムモニタリング技術の開発

    生涯生産性を高める哺育・育成からのスマート酪農を目指す

    わが国の生乳生産の安定化のためには、哺育牛の損耗低減が必要である。本研究は、哺育牛群の体温、行動、容姿の常時全頭モニタリングによって体調不良個体を早期検出する技術を開発する。

    研究の内容

    ①群飼育哺育牛の健康状態指標の全頭同時リアルタイムモニタリング技術の開発
    哺育牛の行動型、体温、容姿を牛房内の哺育牛全頭について同時に常時モニタリングする機器技術および解析技術を開発する

    ②群飼育哺育牛の中から体調不良個体を早期検出する技術の開発
    哺育牛の行動型、体温および容姿の全頭同時モニタリングデータから人工知能によって体調不良個体を検出する技術を開発する

  • ライフサイクルアセスメントによる陸上養殖施設の環境影響評価

    環境負荷(CO2等)排出量を評価して環境に配慮した持続可能な養殖業を目指す

    世界的に養殖生産量が急速に増加に伴い、養殖によって排出される環境負荷が懸念されている。環境負荷の排出量を評価する手法であるライフサイクルアセスメント(LCA)を用いて、陸上養殖施設のシステム全体で排出される環境負荷を評価した。

    研究の内容

    ライフサイクルアセスメント(Life Cycle Assessment; LCA):ある製品、サービスにおいて、製造から消費に排出される環境負荷要因(CO2やNOxなど)を評価する手法
    初めて国内で陸上養殖施設を対象としてLCA分析を行い、排出される環境負荷を定量的に明らかにした。

    まとめ
    ・陸上養殖施設では、CO2排出は70%近くが電力由来
    ・一般的な給餌型の養殖よりも給餌量が少ないため、餌による環境負荷排出は非常に少ない給餌、給水等、各要素が環境に与える影響を明らかにした。各要素の改善によって、環境に配慮した持続可能な養殖業に寄与できる

  • リウマチAI診断研究

    単純写真による関節裂隙狭小化判定

    関節リウマチ患者における関節破壊性変化の客観的かつ詳細な定量的解析情報を提供するコンサルティングシステムの開発を試みる。画像解析は、独自に開発したプログラムを用いて、X線画像の経年変化から計測し、国内外の研究・臨床機関に対し情報提供する。

    • 中指指節間関節の単純X線写真(図1,2)
      関節遠位側の輪郭は帯状高吸収域として描出され、熟練者はその帯状高吸収域の内部に輪郭を設定する(true margin)ため、この職人芸とも言うべき熟練者の輪郭描画はコンピューターによる再現が困難となる(図1は文献から引用)。
      図2は我々のオリジナルの手法で、自作ソフトウエア上で治療前後の2画像の基節骨(上側の骨)側の輪郭を合わせることで中手骨頭(下側の骨)の位置ずれに基づき関節裂隙変化を検出・計測している

    研究の内容

    我々はこれまで、単純X線写真上の関節裂隙狭小化進行を客観的に計測するソフトウエアの開発・バリデーションを進めてきた。最新のソフトウエアでは、独自の経時差分技術と輪郭抽出技術とを用いて、対象となる手足の関節の関節裂隙の変化を面積(平方ミリメートル)で表示することが可能となった。
    一方で、世界的な視野に立っても、ソフトウエアで単純X線写真上の関節裂隙狭小化進行を自動的に検出することは困難であり、マニュアル操作に依存する工程が残されており、各病院・診療所レベルでの計測には無理がある。そこで、本研究の目的はインターネットを介して臨床試験・臨床研究を主導する国内外のクライアントのニーズに対応可能な、関節リウマチ破壊性変化定量解析のコンサルティングシステムを構築することである。

  • ARコミュニケーションシステム

    端末の位置・姿勢情報の共有によるアバタベースの
    拡張現実グループコミュニケーション

    アバタを仲介とすることで時空の制約を越えたコミュニケーションが可能である。本システムでは、グループコミュニケーションの参加者の位置・姿勢情報を共有し、各参加者の端末から見えるアバタの振る舞いに反映させるARコミュニケーションを実現した。

    • アバタベースのARコミュニケーション

    • ARターゲット上に現れたアバタが参加者端末に追従してポーズを変える様子を、同じ場に参加する別の端末から見た様子

    研究の内容

    従来のアバタベースのコミュニケーションシステムは1対1の通信を基本としているため、仮想と現実が混在する3人以上のコミュニケーション場において、その場に参加する物理的な人の位置や姿勢情報を個々に認識し、それに応じたアバタの振る舞いを、場全体の整合性を保持したまま、個別に制御することは困難であった。
    本研究では, コミュニケーション場に参加する物理的な人々(スマートフォン端末等)の位置・姿勢情報を共通ARターゲットの認識と端末間のネットワーク連携で共有し、これを各端末から見えるアバタの振る舞いに反映させるARコミュニケーションシステムを開発した。アバタはコミュニケーション場の参加者の誰が何処にいるかを把握し、ある参加者端末の動きに追従してポーズを変えるアバタの様子を、別の参加者がそれぞれの視点から見ることができる。

  • アカデミックインタークラウド

    学術クラウド連携による研究開発を推進

    全国規模でクラウドシステムを連携させたアカデミックインタークラウドの実現に向けた研究を推進し、インタークラウド環境での資源割当最適化やスパコンとインタークラウドの連携等、クラウド関連技術の共同研究を実施。

    • 図1 分散クラウドシステムの実現

    • 図2 スパコンとインタークラウドの連携による多目的設計最適化

    研究の内容

    北海道大学情報基盤センターでは、国内最大規模の学術クラウド「北海道大学アカデミッククラウド」を構築し、全国の研究者に対して仮想・物理マシンおよびそれらのクラスタシステムとしての提供、高速大容量クラウドストレージ、機械学習・ビッグデータ処理システム等の研究開発向けクラウドサービスを提供している。さらに、全国規模でのクラウドシステム連携を実現するための基盤技術や、研究者を支援するためのシステム構築について研究を推進している。その具体例として、認証連携などのクラウド連携基盤技術の開発および試験システムの構築(図1)インタークラウド環境下での資源割当最適化、スパコンとインタークラウド基盤を連携させた全国規模での大規模な設計最適化フレームワークの実現(図2)等があげられ、全国の大学、研究所、企業との共同研究を行っている。

    棟朝 雅晴 教授 Masaharu Munetomo
    博士(工学)