北海道大学 研究シーズ集

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「システム」の検索結果:98件

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  • 光複素振幅計測技術

    光の空間位相情報を検出可能にする「見えないものを見るための技術」

    本技術は、2台のセンサと偏光光学素子によって、空間補完誤差を生ずることなく1回の計測で光位相分布の精確な検出を可能にします。3D画像計測、3D断層計測、デジタル位相共役、3D光メモリ、空間モード光通信など多岐にわたる応用が期待されます。

    • ◆ホログラフィックダイバーシティ干渉計の構成

    • ◆位相計測例(リング状の構造を有する光学素子)

    • ◆複素振幅虚部の計測例(ファイバから出射した空間モード)

    研究の内容

    ホログラフィックダイバーシティ干渉法では、複数のイメージセンサを偏光光学素子と組み合わせて配置することで、空間補完誤差を生ずることなく1回の計測で精確な光位相分布の検出を可能にします。これまでに、2台のイメージセンサによる干渉光学系の開発と計測アルゴリズムの大幅な改良を行い、高精度な位相計測を実現すると共に、計測された位相分布データを用いた3D情報処理を可能にしました。この技術は、3D光情報の取得やデジタル位相共役による光断層撮影、ならびに、3D光メモリに直接応用することができます。また、本研究では、信号光に空間フィルタリングを施した光を信号光と再干渉させる参照光不要型位相検出装置の開発にも成功しました。これにより、空間モードを用いた次世代超高速光通信システムやリモートセンシング分野への応用が期待されます。

  • レーザ計測点群の認識・モデル化技術

    人が活動する環境や構造物の分析・維持管理・計画の高度化を目指して

    3次元レーザ計測点群から、室内や道路、柱状物(電柱や街灯)、街路樹、建物といった、人が活動する環境に存在する物体や構造物を自動で認識し、3次元モデル化するための点群処理の理論とアルゴリズムを開発しています。

    • 部屋のモデル化

    • 柱状物体検出とパーツ認識

    • 建物LODモデリング

    • 街路樹メッシュモデリング

    研究の内容

    地上設置型や車載型の3次元レーザ計測システムで得られる『点群』から、屋内外の環境における物体や構造物を自動で認識しモデル化する技術ならびに基礎的な点群データ処理手法の研究を行っています。認識とモデル化の対象は、任意形状の物体、部屋、電柱や街灯等の柱状物、樹木、道路面、建物など、幅広く扱っています。点群からのメッシュモデルやポリゴンモデル、CADモデル生成技術に加え、その基礎となる点群の位置合せ(レジストレーション)、領域分割(セグメンテーション)、形状特徴抽出、機械学習や手続きに基づく物体認識に関する研究も行っています。本技術により、現況を忠実に反映した3次元モデルを用いた、環境や構造物の詳細な認識と分析、維持管理、各種シミュレーションや改善計画が可能となります。

  • EUVプラズマの診断や制御のための計測技術

    EUVプラズマの電子密度や電子温度をレーザーを用いて詳細に計測および制御する技術。

    • EUV光源のプラズマ構造を計測可能なシステム
      開発。EUV光出力を、プラズマの電子状態から初めて説明可能とした。密度の中空様構造の発見。

    • EUV光源のプラズマ構造を計測するためのシステム
      原理。光(レーザー)を用いた散乱計測である。

    • EUV光源からの光出力を、発光の根源である電子状態まで遡って説明可能とした。

    • 電子状態はプラズマ応用の基礎であるが、測定が困難であり、電子状態まで立ち返った現象理解や改良はなかなか行われない。EUV光源以外にも、電子計測に基づいた様々なプラズマ応用の研究を展開している。

    研究の内容

    EUVプラズマ及び軟X線プラズマは、容易に大光量を達成でき、半導体露光や材料診断に用いられている。一方でその最適化(波長選択性や高効率化)のためには、プラズマの電子状態(電子密度や電子温度)の制御が必要であるが、その計測は従来技術では達成されておらず、電子状態はなかばブラックボックスであった。本技術の特徴は、独自の分光システムを用いたレーザー散乱計測(トムソン散乱法)により、EUVプラズマの詳細な電子密度・温度の計測を可能とした点である。これにより、プラズマが光を発するメカニズムの根源である電子状態を把握した光源開発を可能としている。

    富田 健太郎 准教授 Kentaro Tomita
    博士(工学)
  • 環状ポリエチレングリコールを用いたナノ粒子安定化

    高分子の「かたち」に依存した新奇安定化法

    本研究は環状ポリエチレングリコールを用いた金属ナノ粒子の新奇分散安定化手法の開発です。これまでに当研究グループは、環状高分子から成る分子集合体が優れた安定性を有することを見出しました。この現象を応用してナノ粒子の高分散安定化を行うものです。

    • 金ナノ粒子(AuNPs)の安定性評価。環状PEGを用いた場合、分散安定性が良く表面プラズモンの波長が保持されるが(522 nm)、一般の直鎖状PEGの場合、AuNPsの凝集により長波長へ変化する(547 nm)。また、透過型電子顕微鏡像からも環状PEGを用いた場合のAuNPsの分散および直鎖状PEGを用いた場合の凝集が確認できる。

    研究の内容

    現在、多数のナノ粒子系医薬品の研究が行われていますが、ドラッグデリバリーシステム(DDS)キャリアも含めそれらの多くは、生体適合性を有するポリエチレングリコール(PEG)で表面を覆われたナノ粒子になります。これに関して、私たちは環状PEGで修飾した金ナノ粒子(AuNPs)が高塩濃度に対して高い分散安定性を示すことを見出しました。すなわち、分子量4000の環状PEGで修飾されたAuNPは、生理条件よりも高濃度である180 mMのNaCl溶液で1週間以上分散安定性を保持したのに対し、同分子量の直鎖状PEGを用いた場合、僅か45 mMのNaClで3時間内に凝集・沈殿しました。この環状PEGを用いた新奇手法は、造影剤や磁性ナノ粒子を含む種々のナノ粒子系医薬品に応用可能です。

  • 局在プラズモンを用いた人工光合成システム

    光ナノアンテナを用いた可視・近赤外光による水からの
    水素・アンモニアの光合成システム

    高効率な人工光合成を実現するために、金属ナノ構造による光ナノアンテナを用いて可視〜近赤外に至る幅広い波長の太陽光エネルギー変換を可能にし、水の光分解に基づく水素発生、さらに最近エネルギーキャリアとして注目されるアンモニアの光合成に成功した。

    • 図は左から、光アンテナ構造の共鳴スペクトルと光電変換効率のアクションスペクトル、光アンテナ構造を用いて光を水分解する人工光合成システム、および水素・酸素発生量の光照射時間依存性

    研究の内容

    高効率な人工光合成を実現するためには、従来の人工光合成では未利用の可視〜近赤外波長域の太陽光エネルギーを活用し、化学物質に変換するシステムの構築が不可避である。我々は金属ナノ構造の形状や配置を変化させることにより様々な波長の光を効果的に捕集できる光ナノアンテナの設計・作製に成功するとともに、酸化物半導体基板に光ナノアンテナを搭載し、可視〜近赤外に至る幅広い波長域の太陽光により水を光分解して水素と酸素を化学量論的に発生させることに成功した。また、同様の系を用いて空気中の窒素を光還元してアンモニアの光合成にも成功した。アンモニアは次世代のエネルギーキャリアとしても注目を浴びているが、合成には高温・高圧条件が必要であり環境に対する負荷も大きい。本系は太陽光を利用した常温・常圧のアンモニア合成法としても期待される。

    三澤 弘明 名誉教授 Hiroaki Misawa
    理学博士
  • 銀系化合物を用いる水素の活性化と接触合成反応

    高活性水素イオンの生成触媒の開発とCO2メタネーション反応への利用

    Gin De Ride(銀-Derived Hydride, GDR)は、当研究室が発見した銀系化合物から生成する高活性水素イオンで、一部を低温燃焼させることで熱を供給し、余剰GDRは例えばCH4合成に利用することで、反応が効率化できる。

    • 図1 GDR*生成触媒のイメージ図
      *GDR, Gin De Ride(銀-Derived Hydride)

    • 図2 GDR生成触媒を混合したニッケルアルミナ触媒の二酸化炭素メタネーション活性の例(上は反応器出口ガス濃度、下は熱電対温度)

    研究の内容

     水素の自然発火温度は525℃前後と高く、低温で燃焼させるためには、高活性水素を製造可能な触媒の利用が不可欠である。これまでパラジウムや白金系触媒が用いられているが、供給面や価格面などの不安を抱えている。
     当研究室では、従来の触媒に比べ供給面や価格面で有利な触媒の研究に取り組み、その結果、高活性な水素イオンを生成可能な銀系化合物を発見した。本触媒は、水素を供給すると高い活性を持つ水素イオン“Gin De Ride(銀-Derived Hydride, GDR)”を与えるため、まず低温で水素と酸素を同時供給することにより生成GDRを燃焼させ、次いで発生熱と余剰GDRを利用すれば各種合成反応を効率的に行うことが出来る。
     現在、CO2メタネーション用の触媒との複合化により、低温で反応が進行することを見出している。

  • 金属材料の組織予測シミュレーション技術の開発

    凝固から固相変態まで

    構造材料や機能材料の製造プロセスでは、凝固、熱処理、塑性加工において様々な材料組織が形成し、その材料組織の特徴が材料の特性を決めています。凝固から固相変態までの一連の材料組織変化を予測するシミュレーション法の開発を行っています。

    研究の内容

    金属材料の凝固、結晶粒成長、拡散固相変態など、製造プロセスで生じる一連の相変態における材料組織の時間変化を予測する手法の開発と応用を行っています。特に、組織形成シミュレーション手法であるフェーズフィールド・モデルの開発に従事し、拡散相変態を世界最高精度で計算するモデルの開発に成功しています。また、実験的アプローチ、分子動力学法による原子論的アプローチ、さらにはデータ同化、機械学習といった情報科学のアプローチを組み合わせて、種々の合金系における材料組織制御に取り組んでいます。超大規模計算によって組織形成の新しい学理を開拓し、実プロセスの最適化につながる成果を得ています。

  • 顕微インデンテーション

    微少領域の硬さ/変形の「見える」化

    押し込み硬さ試験中の圧痕形状変化および周辺の表面変化を「その場(In-situ)」観察できます。動画撮影による高い時間分解能の情報と硬さ試験を組み合わせた高度データの“ハイスループット”収集によって、材料開発や事故原因解明に貢献できます。

    • 図 NiTi超弾性合金における負荷-除荷観察結果

    研究の内容

    硬さ試験は局所的な負荷によって生じた変形から物質・材料の強度を明らかにする手法であり、高い簡便性・再現性から広く用いられています。この手法の簡便性を生かしつつ高度な応力応答情報の取得を目指して、硬さ試験のIn-situ試験化(顕微インデンテーション)を行いました。
    押し込み試験中に透明圧子を通して圧痕内部並びに周辺の試料表面を観察するには光学的条件の最適化が必要ですが、透明圧子の屈折率に近い屈折率を有する液体を圧子周辺に導入することで広範囲の表面観察を可能としました。

  • 超低価格のオンサイト検査システムの開発

    どこでも誰でも検査が可能な検査チップ

    どこでも誰でも検査が可能な検査チップの開発を行っています。紙を基材にすることで、材料コストだけでなく、廃棄コストも低減することができます。検出器にスマートフォンを利用することで、超低価格のオンサイト検査システムが実現できます。

    研究の内容

    ・検査チップとアプリを開発中
    紙製検査チップとスマートフォンで簡便ながら精度良い分析が可能

    ・紙製検査チップ(ペーパーマイクロチップ)
    軽量・薄型の検査チップ
    スマホが測定器だから導入費はゼロ
    熟練がいらない簡単な操作
    スマホアプリが高精度で検査
    検査後の処分も簡単

  • 低消費電力型トンネルトランジスタ

    新しい半導体界面で次世代省エネ素子実現へ

    本研究では、髪の毛の数千分の1の大きさの非常に小さなナノワイヤで形成される、新しい半導体固相界面をスイッチ素子に応用することで、これまでにない低消費電力型FET・トンネルFETを提案・実現しました。

    • III-V/Si固相界面による縦型トンネルHEMT素子の開発
      (a)選択成長技術によるシリコン基板上のIII-Vナノワイヤアレイ、(b)変調ドープ型コアマルチシェルナノワイヤの模式図と作製結果の断面TEM像、(c) Si/InGaAsナノワイヤ界面のTEM像、(d) 歪マッピング、(e) 縦型トンネルHEMT素子構造

    研究の内容

    スマートフォンやパソコンの頭脳となるマイクロプロセッサ・半導体集積回路は、基本素子となる電界効果トランジスタ(FET)を小さくし、現在では、およそ20-30億個のFETを敷き詰めることで、高性能化を実現しています。高性能化の一方で、このFETの消費電力の急増が深刻な問題となっています。これは、FETのスイッチング性能(サブスレッショルド係数)に物理的な限界(60 mV/桁)があるためです。今後、抜本的な省エネルギー化を実現するためには、FETの物理限界を突破できる新しいスイッチ素子とその実用化が必要です。本研究では、これまでにない低消費電力型トンネルFETを提案・実現しました。

  • 道産ダケカンバ製硬式野球バットの打撃性能評価

    道総研林産試験場(旭川)の試作した道産ダケカンバ硬式バットの品質を広くアピールし消費市場を獲得するために、工学的な数値評価を確立して材質の異なるバットの性能を差別化し、従来材料と合わせてカンバ材バットを消費者の選択肢として提供する。

    研究の内容

    (解決すべき課題) かつて野球バットの木材は、道産アオダモがシェアの大半を占めていたが、現在は資源が枯渇し、北米産メイプルの輸入に依存した結果、国内バット製造業が衰退傾向に陥った。

    (方法) 国産材バットの普及を目指し、ダケカンバ製バットの用具としての機能を工学的に数値化して外材のパーチ、メイプル、アッシュなどと差別化する。選手のバット素材の選択肢を拡げ、選択のための判断基準を提供し、市場を活性化する。

    (意義) バットの消費で安定した流通量を確保し、アオダモ等、その他の樹種と合わせて計画的な植林と伐採サイクルを確立し、林業と地元製材・加工業の持続可能な活性化を図る。森林再生により二酸化炭素吸収と炭素固定を増進し、我が国のpostコロナ社会の優先課題であるグリーン成長戦略に役立ちたい。

  • プラズモンを用いた最先端ナノ光リソグラフィー

    シングルナノメートルの加工分解能を有する
    光リソグラフィー技術

    プラズモン共鳴による光電場の局在を用いれば、微小な領域に光電場を自在に局在化できます。本技術では、プラズモンの高次の共鳴モードの散乱光を利用して数nmの分解能の光リソグラフィー技術を発明しました。

    • プラズモンリソグラフィーにより形成されたフォトレジストナノパターン

    研究の内容

    従来の光リソグラフィーの分解能は波長で決まりますが、本技術はフォトマスクの金属ナノ構造の加工分解能によって決定されます。フォマスクである金属ナノ構造に赤外光を照射することによりシングルナノメートルの分解能でパターンを転写できる技術です。本技術の特徴として、赤外光を照射するだけでマスクパターンの形状をそのまま転写可能であること、近接場光ではなく伝播光を使用しているため高アスペクト比の加工が期待されること、そしてライン&スペースだけではなく、三角形、ナノギャップ、チェインなどあらゆる形状のパターンの作製が可能であることなどが挙げられます。比較的大面積にナノパターンの転写が必要なフォトニック結晶、プラズモン太陽電池、光学素子表面のモスアイ構造形成技術などへも応用が期待されます。

  • 形状の対称性・規則性の自動認識システム

    3次元メッシュモデル,計測点群,FEMメッシュ等から面対称,軸対称,規則配置パターンを網羅的に抽出

    レーザやX線CTスキャンの3次元測定データ内から、対称な部分領域や、格子状や放射状に規則配置された領域を完全自動で抽出するソフトで,リバースエンジニアリング、3D-CADデータ生成、FEMメッシュ生成などに有効です.

    研究の内容

    従来の市販ソフトの機能には無い、レーザスキャンやX線CTスキャンで測定された3次元メッシュモデルや3次元計測点群、FEM有限要素メッシュメッシュなどの表面に現れる形状パターンの対称性や規則性を、自動的かつ網羅的に認識抽出なソフトウエアです。リバースエンジニアリング時の3D-CADデータの自動基準面生成やモデル整形、FEMプリプロセッサでの要素サイズ縮減モデル(1/4モデル等)生成や要素境界面の整形、製造物の対称度定量検査など、幅広い応用が可能です。また、3D-CADデータのパターンフィーチャに相当する様々な規則配置形状(矩形配列、放射状配列等)も自動抽出できます。レーザ計測からのBIM(Building Information Model)生成にも応用可能です。

  • 食品付加価値を高める超音波ドップラー検査技術

    医療用の超音波エコーや超音波ドップラーによる画像診断機器を身近な対象物に使えるようにポータブル化しました。スーツケース1個で持ち運び、現場ですぐに使えます。農作物の非破壊診断、連続食品加工におけるライン上での品質管理を可能にします。

    研究の内容

    ・農学部と工学部の共同開発で、トマト、キウイなどの果物や野菜の表皮硬度・内部熟度を3秒で可視化する方法を完成させました。
    ・カレー、ゼリー、ヨーグルト、チョコレートなど環境や温度で変化する様々な食品の粘度を、円筒に入れて回すだけですぐに計測できる技術を作りました。
    ・大きめの固体粒子が分散するゼリー状の粘弾性液体がせん断を受けるときの粘性応力と弾性応力を計測、複雑レオロジー混相流体にも適用可能に。
    ・市販のトルク式レオメータでは計測できない変形履歴応力をもつ物質(メモリー効果物質、チクソトロピ物質)の内部流動の特異性を抽出することに成功。

  • 水蒸気・水混合噴霧による超低環境負荷洗浄法

    『水蒸気+水』の物理作用を利用した、
              薬液を使用しない超精密安心洗浄法

    水と水蒸気を混合しノズルから高速噴霧する全く新しい水蒸気・水混相噴霧を用いた革新的洗浄法を開発しました。薬品を使用しない超低環境負荷であることに最大の特徴があり,半導体製造プロセス等の超精密洗浄で所定の性能を発揮することを確認しました。

    • 本洗浄法の概略図

    • 洗浄例:フォトレジスト剥離の様子

    • (a)空気中   (b)飽和蒸気中
      物理作用発生原理:アルコール液滴の衝突

    • (a)初期状態     (b)水蒸気・水噴霧  (c)空気・水噴霧
      洗浄例:ドライエッチ後の残渣除去における噴霧条件の差

    研究の内容

    私達は、これまでの研究成果により、凝縮性気体中を液滴が固体表面に衝突する場合には、空気の場合とは異なり、「飛沫(スプラッシュ)が抑制され薄い液膜(ラメラ)が高速で固体表面を伸展する」現象を発見しており、高速ラメラにより強力な流体せん断力が発生すると考え「水蒸気と水の混合噴流を用いた低環境負荷洗浄」が可能であると考えました。
    これまでの研究成果により、水と水蒸気だけを用いる事により、半導体、LED、 太陽電池などの製造プロセスで要求される超精密洗浄に対する所定の洗浄性能を、本洗浄法は発揮することを確認しました。また、本洗浄法は水と水蒸気のみを用いるために、人体に有害となる洗剤等の化学薬品を全く用いないため、人体および環境にとって安全である超低環境負荷特性を有しています。

  • 生体骨を模倣した3Dプリント可能で力学的高機能な多孔質構造体

    生体骨の持つ構造的な特徴と力学的な特性を基に、3Dプリント可能で力学的高機能な新しい多孔質構造体を開発。破壊の進展が抑制可能で、高い吸収エネルギ性が可能。等方的な力学特性も実現可能。樹脂や金属を用いて3Dプリンタにより製造可能。

    研究の内容

    規則的な構造の繰り返しを有する一般的な多孔質構造体には、内部構造に起因した特定方向の強度低下や一度破壊が生じると容易に破壊が進展するという力学的課題がある。本シーズでは、生体内環境に最適化された多孔質材料である生体骨(海綿骨)に着目し、海綿骨の構造的な特徴と力学的な特性に基づいて確率的に構築したネットワーク構造を骨格とする新しい多孔質構造体「海綿骨模倣構造」を開発した。樹脂や金属を用いて3Dプリンタにより製造可能であることを確認した。圧縮破壊試験の結果、特定方向の強度低下が抑制でき、初期破壊後の破壊進展が抑制され吸収エネルギが高いことを確認した。本シーズにより、設計自由度が高く力学的に高機能な多孔質構造が設計・製造できる。

  • センサレスで実装可能な非線形補償器

    PID制御系に容易に追加可能な非線形補償器

    現在、産業界ではPID制御が主力の制御手法として用いられていますが、PID制御則には摩擦や重力項といった非線形項の影響により制御精度が劣化するという問題があります。我々は、PID制御器に対し容易に追加できる非線形補償器を提案しています。

    研究の内容

    ディジタル加速度制御(DAC)はモデル化困難な非線形項やモデリング誤差が存在する系に対してロバストな制御則です。DACは非常に効果的な制御器ですが、加速度目標値に対して制御を行うため単体では位置制御ができません。そこで、一般的なPID制御系と組み合わせたPID-DAC併合制御系によりロバストな位置・加速度制御が実現できます。さらにPID制御器などに「センサレス」で「容易」に追加することができる新しい非線形補償器として、制御対象の加速度目標値を0とした「PID-DA0制御系」、加加速度目標値を0とした「PID-DJ0制御系」という2つの制御器を提案しています。双方とも既存のPID制御器に簡単に追加でき、さらには追加のセンサも必要ないことからセンサレスでシステムの性能を向上できるという大きなメリットを持ちます。

  • 先端複合材料の最適設計

    自由繊維形状による新機能複合材料

    先端複合材料(炭素繊維強化複合材)は広く構造材料として使用され始めているが、その異方性を効率的に利用できているとは言えない。当研究室では複合材の繊維配向(直線状・曲線状)を最適に設計する手法の開発を行っている。

    • 図1ファイバー縫付機による曲線繊維縫付け

    • 図2最適繊維形状

    • 図3ひずみ分布

    研究の内容

    比強度・比剛性の高さから構造材料として広く利用されている先端複合材料(炭素繊維複合材料、CFRP)は、その繊維配向技術の発展により繊維を直線状のみではなく、曲線状に配置することが可能となっている。直線状の繊維と比較して設計の自由度は大きく向上するため、部品形状や使用目的に特化したCFRP部材の作製が可能である。当研究室では刺繍機の技術を援用したファイバー縫付機(図1)を用いて曲線状繊維を有する複合材供試体を作製し、その力学特性評価を実施するとともに、独自の繊維形状最適化手法を開発している。例えば図2は複数の円孔を持つ翼モデルの孔周りのひずみ集中を軽減することを目的とした最適繊維形状であり、ひずみ分布は図3のようになる。これは直線繊維よりもひずみ集中を軽減できていることがわかっている。

  • 超音波と微細気泡を用いた液体微粒化技術

    液体微粒化量のアクティブ制御を目指して

    超音波を液体中から液面に向かい照射することで、液面で液体の微粒化が起こります。近年、この現象に液面近傍に存在する微細気泡が関係していることが明らかとなってきました。我々は超音波による液体微粒化量を制御することを目指しています。

    研究の内容

    超音波を液体中から液面に向かい照射することで、液体の微粒化が起こります。微粒化された液体は、直径が数マイクロメートル程度の小さな液滴となります。この液体微粒化技術は、省エネルギーで均一な微細液滴を生成することができ,現在も私たちの身の回りで広く利用されています。液体微粒化のメカニズムは未だ完全には解明されていませんが,我々のこれまでの研究から、液面近傍に存在する微細気泡(マイクロバブル)が微粒化を促進することが明らかとなってきました。本研究では液体中の微細気泡数に注目し、超音波による液体微粒化量を制御することを目指しています。気泡数を適切に調節することで、これまで超音波で微細化することができなかった液体の微粒化や、液体微粒化量のさらなる促進を目指しています。

  • 超音波流速分布計測による新しいレオメータ

    様々な分野にブレークスルーをもたらす流動物性の新たな基盤計測技術

    超音波流速分布計測と運動方程式の逆解析を用いた新しいレオメータです。食品など混相体の流動物性を瞬時に評価可能です。検査において従来法の死角を補うだけでは無く、生産ラインの状態・品質管理まで応用可能な技術です。

    研究の内容

    液体に与えられた変形は、粘性や粘弾性など、局所の運動物性を反映して伝播します。新たに開発したレオメータでは、理想的な状態で与えられた変形を、超音波による速度分布計測から求め、それを液体の運動を記述する方程式で逆解析することで、瞬時・局所の物性を評価します。対象の液体が固体や他の液体、気体の分散相を含む場合にも適用可能であり、また瞬時の粘度曲線を計測可能であることから、化学反応や温度による状態変化などによる物性の経時変化を計測できます。円管内流れへの応用では、管内を流れる液体の流動物性を、試料を取り出すこと無くインラインかつ非侵襲でリアルタイムに評価できます。