北海道大学 研究シーズ集

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地熱資源モニタリングと誘発地震のリスク評価

高橋 浩晃 教授 地震火山研究観測センター長 Hiroaki Takahashi
博士(理学)

地球物理観測による地熱資源モニタリングとリスク評価

重力探査や震源精密決定による地熱資源開発に必要な地下構造の評価。精密重力測定や地殻変動観測による地熱貯留層資源のモニタリング。地熱井開発に伴う誘発地震のリスク評価や地震活動予測の研究。

研究の内容

○近年開発が盛んな地熱資源開発では、基盤構造調査から地熱貯留層の検討が行われる。重力探査と精密な震源分布、地震波速度構造解析などから、基盤構造に関する調査を実施している。
○地熱発電では、蒸気を生産するとともに熱水を地下へ還元するが、資源を持続的に利用するためには、地熱貯留層の収支をモニタリングすることが必要である。精密重力測定および地殻変動観測を利用して、地下流体の状態を物理的に評価し、適正な資源利用量を検討する。
○地熱井への高圧流体の注入などにより、有感地震が誘発され問題となることがある。地熱開発地域の地殻応力状態や、周辺の断層、地震活動特性、流体注入量などのパラメータから、誘発地震のリスク評価を行う手法を開発することで、適正かつ持続的な資源開発の指針を与える。

社会実装への可能性

  • ・温泉資源ポテンシャル調査
  • ・温泉資源モニタリング評価
  • ・地熱資源ポテンシャル評価
  • ・二酸化炭素地中処分(CCS)影響評価
  • ・石油開発による誘発地震評価
  • ・応力場解析による掘削井設計

産業界や自治体等へのアピールポイント

地熱発電事業に必要な地熱貯留層のモニタリングに,地震や地殻変動研究の成果を活用できます。地域の理解を得ながら開発や事業化を進めるためには、地熱開発が引き起こす誘発地震のリスクを定量的に評価し、発生を抑制することが社会的に求められます。火山学や地震学の知見を活かして資源量モニタリングからリスク評価手法を提案します。

関連情報

研究キーワード

2018/4/3公開