北海道大学 研究シーズ集

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Nanotechnology / Materials

顕微インデンテーション

微少領域の硬さ/変形の「見える」化

押し込み硬さ試験中の圧痕形状変化および周辺の表面変化を「その場(In-situ)」観察できます。動画撮影による高い時間分解能の情報と硬さ試験を組み合わせた高度データの“ハイスループット”収集によって、材料開発や事故原因解明に貢献できます。

研究の内容

硬さ試験は局所的な負荷によって生じた変形から物質・材料の強度を明らかにする手法であり、高い簡便性・再現性から広く用いられています。この手法の簡便性を生かしつつ高度な応力応答情報の取得を目指して、硬さ試験のIn-situ試験化(顕微インデンテーション)を行いました。
押し込み試験中に透明圧子を通して圧痕内部並びに周辺の試料表面を観察するには光学的条件の最適化が必要ですが、透明圧子の屈折率に近い屈折率を有する液体を圧子周辺に導入することで広範囲の表面観察を可能としました。

  • 図 NiTi超弾性合金における負荷-除荷観察結果

社会実装への可能性

  • ・ブリネル圧子による超弾性NiTi合金の変形挙動解明とスクリーニング。
  • ・ブリネル圧子周辺におけるマグネシウム合金の変形双晶導入。
  • ・ビッカース圧子による亀裂形成過程の直接観察。

産業界や自治体等へのアピールポイント

本発明は基礎研究のみならず、製品管理などにおいても用いることができるような、簡便なシステムです。産業技術総合研究所、東京工業大学、弘前大学との共同研究の成果であり、利用に関しては産学・地域協働推進機構にお問い合わせ下さい。

関連情報

技術紹介
◇小さな脆さを計る
えんじにあRing No.401[平成27年1月号]「破壊」がつくる私たちの未来─壊れ方を調べ、壊し方を考える─

本研究に関連する知的財産

特願2016-210069 「圧子透過式試験体表面観察装置、観察方法及び動画像解析・装置制御・特性値演算用プログラム」
2018/4/3公開