北海道大学 研究シーズ集

Nanotechnology / Materials

高純度ナトリウムの製造

上田 幹人 教授 Mikito Ueda
博士(工学)

電解精製でナトリウム資源の循環を

大型の二次電池で主に産業用として用いられているナトリウムー硫黄二次電池があります。本研究ではこの電池の使用済みの状態のものから、電池内部に含まれる金属ナトリウムを回収して、これを電解精製し高純度ナトリウムを製造するプロセスを開発しています。

研究の内容

本研究は、不純物を含む金属ナトリウムを電解精製によって高純度化するプロセスの開発です。原料となる金属ナトリウムは、使用済みナトリウムー硫黄電池の中から回収したものになります。これを図1の電解槽模型の左上(陽極)に設置し、電流を流す事でナトリウムイオンが電解液に溶解し、ナトリウムのみが右上の高純度ナトリウム(陰極)側に順次析出します。このプロセスは200℃以下で操業が可能になります。この電解で得られた高純度ナトリウムは電池の原料や他の用途としても使うことができる純度です。ナトリウム資源を海外に依存している本邦であるからこそ、この技術が今後広く応用できると考えています。  

  • 図1 ナトリウム電解精製槽の模型

  • 図2 電極上に析出する粒上の液体ナトリウム

社会実装への可能性

  • ・高純度ナトリウムは電池の原料、有機化学合成の際の触媒、半導体製造の際のフラックス、反応容器の冷却媒体として応用できます。

産業界や自治体等へのアピールポイント

・電解液であるイオン液体の特性が、金属の純度や生産速度を左右します。現状ではイオン液体はまだ高価なものであるため、より安価なイオン液体を企業と共同で開発したい。
・ナトリウム以外の活性金属の高純度化についても挑戦したい。特に海外からの輸入に大きく依存している金属の国内での循環に本手法を活用したい。

関連情報

2018/4/3公開