北海道大学 研究シーズ集

Life Sciences

光ファイバを利用した小型線量計の開発

石川 正純 教授 Masayori Ishikawa
博士(エネルギー科学)

極微小シンチレータと光ファイバを組み合わせた
超小型線量計を放射線治療・診断分野へ応用

近年、X線透視による重篤な皮膚障害に対する被曝防護への関心が高まっている。本研究では、晩発性放射線障害予防を目的として、光ファイバの先端に極微小プラスチックシンチレータを取り付けた単純な構造をした、X線透視画像に写らない線量計を開発した。

研究の内容

X線透視を伴う血管内治療(IVR; Interventional Radiology)では、長時間にわたるX線透視を行われる。心筋梗塞などでは繰り返し手術を受ける可能性があるため、潰瘍などの重篤な皮膚障害が発生する可能性がある。従来の線量計は、透視に映るものや検出部分の体積が大きいなどの問題があった。特に、エネルギー依存性が測定の精度に影響を及ぼすため、小型でエネルギー依存性が少なく、かつ透視に映らない線量計は存在しなかったが、本研究にて開発を行ったSOF線量計は、センサー部分は生体と密度が近いためにX線透視下で全く映らないという特徴がある。また、現時点で60~150kVの範囲において感度変化5%以内を達成しているが、さらに感度変化を小さくするために、企業と共同でセンサー物質の改良を進めている。

社会実装への可能性

  • ・血管造影撮影装置
  • ・X線断層撮影装置(CT装置)
  • ・一般X線撮影装置(胸部X線撮影装置、腹部連続X線透視装置など)
  • ・密封小線源治療

産業界や自治体等へのアピールポイント

診断X線などの医療用途では製品名MIDSOFとして既に販売しており、基礎的な技術は確立しています。小型かつ透視に映らないといった特徴を有しているため、応用範囲は非常に広いと考えています。この技術を用いた応用製品開発などの共同研究などを積極的に行いたいと考えています。

本研究に関連する知的財産

PCT/JP 2007/68675 「放射線線量計および放射線線量計算プログラム
(日本:特許第4766407号  米国:特許8,044,357号  欧州:07807890.4)
2018/4/3公開