北海道大学 研究シーズ集

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光複素振幅計測技術

光の空間位相情報を検出可能にする「見えないものを見るための技術」

本技術は、2台のセンサと偏光光学素子によって、空間補完誤差を生ずることなく1回の計測で光位相分布の精確な検出を可能にします。3D画像計測、3D断層計測、デジタル位相共役、3D光メモリ、空間モード光通信など多岐にわたる応用が期待されます。

研究の内容

ホログラフィックダイバーシティ干渉法では、複数のイメージセンサを偏光光学素子と組み合わせて配置することで、空間補完誤差を生ずることなく1回の計測で精確な光位相分布の検出を可能にします。これまでに、2台のイメージセンサによる干渉光学系の開発と計測アルゴリズムの大幅な改良を行い、高精度な位相計測を実現すると共に、計測された位相分布データを用いた3D情報処理を可能にしました。この技術は、3D光情報の取得やデジタル位相共役による光断層撮影、ならびに、3D光メモリに直接応用することができます。また、本研究では、信号光に空間フィルタリングを施した光を信号光と再干渉させる参照光不要型位相検出装置の開発にも成功しました。これにより、空間モードを用いた次世代超高速光通信システムやリモートセンシング分野への応用が期待されます。

  • ◆ホログラフィックダイバーシティ干渉計の構成

  • ◆位相計測例(リング状の構造を有する光学素子)

  • ◆複素振幅虚部の計測例(ファイバから出射した空間モード)

社会実装への可能性

  • ・3D画像計測
  • ・3D断層計測
  • ・デジタル位相共役
  • ・3D光メモリ・ホログラム
  • ・空間モード光通信

産業界や自治体等へのアピールポイント

光複素振幅の計測・制御は、光情報処理とデジタル信号処理の融合を加速し、ITシステムの高速化や低消費電力化に貢献するだけではなく、医療計測や製品設計など幅広い分野にわたり新規技術を創出します。

本研究に関連する知的財産

PCT/JP2013/005774 「光位相測定方法、光位相測定装置および光通信装置」
(日本:特許第6202499号 米国:特許第9,459,155号)  
PCT/JP2011/005841 「ホログラフィックメモリ再生装置およびホログラフィックメモリの再生方法、復調装置および復調方法、ならびに観測装置および観測方法」
(日本:特許第5862896号 米国:特許第.8,817,585号 欧州:11834044.7 中国:特許第ZL201180050717.1号 韓国:特許第10-1785761号)
PCT/JP2010/068158 「光通信システムおよび光通信システムの動作方法」
(日本:特許第5713405号 米国:特許第.8,649,680号 欧州:10826539.8)
2018/4/3公開