Manufacturing Technology
誤嚥防止ロール状ガーゼの開発
川本 千春
助教
Chiharu Kawamoto
博士(歯学)
患者さんの安全を目指して
歯科治療において使用頻度が多いロール綿だが、誤嚥事故が後をたたない。そこで誤嚥防止ロール状ガーゼを開発し、現在使用しているロール綿に変わるものとして使用できるよう、さらにコストを抑えることを目指して開発を行っています。
研究の内容
歯科用ロール綿は歯科治療における防湿、圧排などを目的として日常的に使用されていますが、誤嚥による事故が度々報告され、中には患者が死亡にいたるという残念なケースがあります。
そこで、ロール綿をより安全に使用し誤嚥による事故を減少させるため、糸付きにすることを考えました。従来のロール綿は加工上糸を縫い付けることが難しく、また、糸が外れる危険性も有するため、ガーゼを使用して「誤嚥防止ロール状ガーゼ」を開発しました。このロール状ガーゼは糸がついているため誤嚥防止の他に、置き忘れ防止や取り出しを容易にするというメリットもあります。また、吸水性、吸水速度も従来のロール綿と同等です。
今後は臨床試験を重ね、現在使用しているロール綿に変わるものとなるよう開発していきたい。
社会実装への可能性
- ・修復処置
- ・根管治療
- ・インプラント
- ・補綴処置
- ・フッ素塗布
産業界や自治体等へのアピールポイント
本発明は歯科治療をより安全に行う上で必要であり、いろいろな歯科処置で誤嚥防止ロール状ガーゼを使用してもらいたい。技術的にも新規な部分は少なく、そのため、このような加工ができる企業と協力して廉価な製法を開発して行きたい。
本研究に関連する知的財産
特許第5710963号 「医療用糸付きガーゼ」
2018/4/3公開