Manufacturing Technology
半導体精密加工技術
佐藤 威友
准教授
Taketomo Sato
博士(工学)
電気化学反応を利用した
低損傷かつ制御性のよい半導体エッチング技術
電気化学反応を利用した半導体エッチング技術により、従来法と比べて加工ダメージの抑制と深さ方向に対する精密な加工制御を達成した。AlGaN/GaNへテロ構造トランジスタのゲートリセス加工へ適用し、トランジスタのノーマリーオフ化を実現した。
研究の内容
半導体表面のエッチング加工は、トランジスタなど半導体素子の作製に欠かせない工程の1つです。本研究室では、半導体表面の電気化学的酸化・溶解反応を利用し、従来のドライエッチング法と比べて、深さ制御およびダメージ抑制の両面において優れたエッチング手法を開発しました。パワートランジスタ材料として有望視されているAlGaN/GaNヘテロ構造に適用した結果、電気化学条件の最適化により、所望の加工深さでエッチングが自己停止することを明らかにしました。これにより、先行技術で必須となるエッチングストップ層が不要で、より簡便な方法でトランジスタのしきい値を精密に制御することが可能となりました。また、本手法によるエッチング表面は、ドライエッチング表面と比べて加工損傷が少なく、トランジスタの性能向上に有望な手法として期待されます。
社会実装への可能性
- ・半導体エッチングの精密な制御
- ・トランジスタのしきい値制御
- ・半導体ナノ構造の形成
- ・半導体表面のダメージ除去
産業界や自治体等へのアピールポイント
III-V族化合物半導体を中心に、半導体電気化学反応の制御とデバイス応用に取り組んでいます。電気化学エッチングの導入に興味のある企業との共同研究や技術指導など、幅広く連携していきたいと思っています。
本研究に関連する知的財産
特願2017-095458 「エッチング法及びエッチング装置」
2018/4/3公開