Nanotechnology / Materials
含フッ素芳香族カルボン酸類の合成
仙北 久典
准教授
Hisanori Senboku
博士(工学)
二酸化炭素から電気を用いて有用カルボン酸を作る
有機電解法により、数個のフッ素原子を有する容易に入手可能な芳香族化合物と二酸化炭素から、新規含フッ素ビルディングブロックとして有望な種々の含フッ素芳香族カルボン酸を位置選択的に収率よく合成することに成功した。
研究の内容
有機化合物へのフッ素原子の導入は医農薬や機能性材料等の分野において非常に重要である。含フッ素有機化合物の合成法として、含フッ素ビルディングブロックを用いる方法があるが、ビルディングブロックとして用いることが可能な含フッ素有機化合物はまだまだ高価でかつ限られており、その開発研究のニーズは高い。今回本研究では、容易に入手可能な含フッ素芳香族化合物と二酸化炭素から有機電解法を用いて種々の官能基を有する含フッ素芳香族カルボン酸を収率よく合成することに成功した。今回合成した含フッ素芳香族カルボン酸類には従来法では合成が困難な新規化合物も種々含まれており、有望な新規含フッ素ビルディングブロックとして医農薬や高機能性物質合成に利用されることが期待できる。
社会実装への可能性
- ・新規含フッ素ビルディングブロック
- ・医薬、農薬などを含む新規生理活性化合物の合成原料
- ・機能性高分子、有機ELなどを含む新規高機能性物質の合成原料
- ・二酸化炭素固定化技術
産業界や自治体等へのアピールポイント
本研究により、従来法では合成が困難であったいくつかの新規含フッ素ビルディングブロックを合成することに成功した。現在も引き続き、同様の研究による新規芳香族カルボン酸類の含フッ素ビルディングブロックの合成を展開している。産業界において応用が期待できる含フッ素ビルディングブロックがございましたら、ご連絡いただきたい。
2018/4/3公開