北海道大学 研究シーズ集

Social Infrastructure

セメント硬化体の物質移動予測モデル

胡桃澤 清文 准教授 Kiyofumi Kurumisawa
博士(工学)

Prediction of transport properties of cement-based materials

コンクリートは、広くインフラとして使用されており長寿命化はサステイナブル社会構築のため必須である。それを実現するためには適切な性能予測技術が不可欠である。そこで本研究ではコンクリートを構成している硬化セメントペーストの物質移動予測を行った。

研究の内容

コンクリートなどの多孔体の物質移動性能は含まれる空隙量に依存しているが、空隙量のみだけでなく各相の空間配置も影響を及ぼしている。そこでコンクリートの物質移動性能を予測するために、その構成材料である硬化セメントペースト(HCP)の物質移動性能の予測を行った。HCPの断面を反射電子像で観察した結果を図1に示す。各相が分散している様子がわかる。これより各相を抽出し自己相関関数を計算を行い、これに基づき各相を3次元空間に配置を行い、図2に示す3次元イメージモデルを構築した。このモデルにより拡散係数を有限差分法によって算出した結果と実測値の比較を図3に示す。推定値と実測値は異なる試料においてもよく一致していることから、本モデルによる拡散係数推定手法によりセメント硬化体の拡散係数は予測可能であることが示された。

社会実装への可能性

  • ・セメント系材料の物質移動性能評価手法としてミクロレベルから構築した3次元イメージモデルを適用することにより、イオンの拡散係数を精度よく推定できる。

産業界や自治体等へのアピールポイント

セメント系材料の微細構造から3次元イメージモデルを構築することにより、異なる材料を用いた場合においても物質透過性能を予測することが可能である。また、カルシウム溶脱などの劣化が進行した場合においても性能変化を予測可能なモデルであり、コンクリートの物質移動特性予測を行う上で有用なツールである。

研究キーワード

2018/4/3公開