研究紹介
えんじにあRing No.416 [2018年10月号] 「熱」を運ぶ
えんじにあRing No.411[平成29年7月号] 変なモノ
研究者紹介
工学系連携推進 すごいね!クールラボラトリー
産学・地域協働推進機構
固液相変化時の潜熱を利用する潜熱蓄熱法は高密度蓄熱可能な点で魅力的です。潜熱蓄熱材のマイクロカプセル化により蓄熱のみならず、熱輸送、熱制御用途への展開が可能となります。500 ºC超の高温域で利用可能な潜熱蓄熱マイクロカプセルを開発しました
500 ˚C超に融点を持つAl基合金を新たに潜熱蓄熱材として見出し、この合金のマイクロ粒子(約20μm~)へ化成/酸化処理を巧みに施すことで、コア(Al基合金)–シェル(Al2O3)型潜熱蓄熱マイクロカプセルの開発に成功しました(図1)。このマイクロカプセルは固体顕熱蓄熱材と比べて約5倍以上の高蓄熱容量を持ち、機械的特性に優れます。また、シェルがAl2O3であるため「セラミックス粒子」として扱えます。即ち、現行セラミックス顕熱蓄熱技術の利用形態を継承したまま性能をグレードアップできる画期的な蓄熱材料です。
開発した高温潜熱蓄熱マイクロカプセルをキーマテリアルとして高温領域の蓄熱・熱輸送・熱制御技術の新基盤確立が期待できます(図2)。今後は省エネ、新エネへの応用を問わず、 革新的な熱利用デバイス開発へと展開していく予定です。