北海道大学 研究シーズ集

Information and Communication

圧縮センシング法を用いた電波の状態推定

◎共同研究者

高精度な位置推定・チャネル予測をめざして

圧縮センシング法は、必要とする未知数の数よりも少ない観測データから、ある条件の下で解を求める手法である。この研究では、圧縮センシング法を用いて、電波の到来方向推定や、チャネル予測、散乱体検出を行っている。

研究の内容

必要とする未知数の数よりも少ない観測データからは、一般にその未知数を一意に求めることはできない。ところが、未知数の大多数が0であるという条件があるとき、その解を正確に得ることができる場合がある。圧縮センシング法は、この性質を利用して、観測をできる限り少なくしつつ正確な解を得る方法である。当研究室では、図1に示すような電波の高精度な到来方向推定への応用や、それを利用して到来波を素波に分割してチャネル予測する方法(図2)、およびレーダシステムにおいて圧縮センシング法を利用した散乱体検出(図3)について検討を行っている。

  • 図1.電波の到来方向推定のイメージ図
    受信機の周囲を細かい角度に分割して,各角度において到来波があれば複素振幅を(到来波がなければ0を)ベクトルの要素とすることで、圧縮センシングのアルゴリズムを適用する。

  • 図2.到来素波を合成することによるチャネル予測
    端末に到来する電波を細かく分離し、それを再合成することで未来の通信状況(チャネル)を予測することができる。

  • 図3.散乱体検出の模式図
    送信アンテナから電波を送出し、散乱体からの反射波を複数の受信アンテナで受信する。送信信号と受信信号の変化、若しくは、受信信号間の差異を分析することで、散乱体の位置を検出することができる。

社会実装への可能性

  • ・レーダー
  • ・歩行者検知
  • ・電波監視
  • ・端末位置推定
  • ・通信チャネル予測
  • ・散乱体検出

産業界や自治体等へのアピールポイント

スマートホンの爆発的な普及に伴い、無線通信のトラフィックは上昇を続けています。限られた周波数資源を有効利用するためには、電波の到来方向や端末の位置、通信チャネルを正確に知ることがとても重要です。本研究で可能となるこれらの高精度推定は、今後の無線通信システム開発に大いに役立つものと考えております。

関連情報

2018/4/3公開