北海道大学 研究シーズ集

Life Sciences

バイオ界面へのナノ物質修飾技術

宮治 裕史 講師 Hirofumi Miyaji
博士(歯学)

再生医療・歯周病治療への展開

バイオマテリアルや生体の界面にナノ物質を応用する技術です。細胞活性の向上など再生医療に不可欠な生体適合性制御を行います。また歯の表面を抗菌性ナノ物質で修飾して歯周病などの歯科治療に役立てます。

研究の内容

再生医療に用いる生体材料(バイオマテリアル)の表面組成や構造は、そこに付着する細胞の活性に強い影響を与えます。そこでナノ物質を用いたコーティング法やバイオミメティック法、ナノインプリント技術によって、バイオマテリアルや生体の界面をナノスケールで変化させる技術の確立を目指しています。ナノ表面修飾を行った再生用足場材(スキャフォールド)は優れた生体活性を示し、標的組織の再生量の増加と足場材の生体吸収性の向上を認めました。また、本法を応用して歯の表面の抗菌ナノコーティング法の開発を行っています。ナノ物質の凝集性を利用することで、歯の表面に抗菌性ナノ物質のコーティング被膜を作製することに成功しました。口腔細菌の付着増殖が強く抑制されたことから、歯周病等を対象とした歯科治療への応用が期待されます。

  • 応用例(上図):金属(チタン)表面のナノカーボンによる修飾(左)、市販コラーゲンスポンジのリン酸カルシウムナノ粒子修飾(右)。

  • 歯科応用例(下図):ナノ修飾足場材による歯周組織の顕著な再生の様子(左)、カーボンナノシートを用いた歯の抗菌コーティング(右)。

社会実装への可能性

  • ・骨補填材
  • ・組織再生用スキャフォールド
  • ・歯科用インプラント
  • ・歯科治療用抗菌性医療機器
  • ・歯のコーティング剤、歯磨剤
  • ・含嗽剤、義歯洗浄剤

産業界や自治体等へのアピールポイント

当研究室では新しいバイオマテリアルを臨床応用することを目的に、生体応用に関するスクリーニング試験,前臨床試験,ヒトを対象とした臨床試験等の橋渡し研究を行っています。バイオマテリアル開発には医工・産学連携推進が重要であり、研究者間のミーティングを頻繁に開催し、データを企業側へ十分にフィードバックすることに注力しています。

関連情報

2018/4/3公開