北海道大学 研究シーズ集

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社会技術システムとしてのバイオマス利活用に関する研究

石井 一英 教授 Kazuei Ishii
博士(工学)

◎共同研究者

地域循環によるバイオエネルギー普及を目指して

循環計画システム研究室では、生ごみ、下水汚泥、家畜ふん尿、林地残材や稲わら等のバイオマスを地域内で利用し、地域分散型のバイオエネルギーを創り出すための、技術と社会の仕組み作り(社会技術システム)に関する研究をしています。

研究の内容

本研究室では、バイオマス(生ごみ、下水汚泥、家畜ふん尿、林地残材、稲わらなど)から燃焼やメタン発酵によって回収されたエネルギーを、地域内に存在するエネルギー需要者(公共施設や介護・福祉施設、ビニールハウス等の農業施設、食品工場等)と結びつけることにより、環境と地域振興(経済)の両方に貢献できるシステム提案(実験やフィールド調査に基づく計画、モデリング、評価)を行っています。さらに、民間企業の協力を得て、寄附分野循環・エネルギー技術システム分野(古市徹客員教授、藤山淳史特任助教、http://labs.eng.hokudai.ac.jp/labo/mces/)とも連携し、エコで安全なエネルギーに関する研究を行っています。

  • 左図の説明
    <バイオマス利活用システム構築で考慮すべき要素>
    健全なバイオマスの利活用システムを構築するためには、事業の目的を明確にした上で、(1)バイオマスを収集・運搬するインプット、(2)エネルギー利用や残渣の処理といったアウトプット、(3)インプットの性状に応じた変換技術の選択、(4)事業採算性(事業主体)、そして(5)地域特性のすべてを一体として考える必要があります。

社会実装への可能性

  • ・バイオエネルギー事業化と地域振興
  • ・地域再生可能エネルギー利用の向上
  • ・廃棄物等の適正処理と循環利用促進
  • ・公共施設における化石燃料使用量減
  • ・地域分散型エネルギー源の確立
  • ・水素社会の構築

産業界や自治体等へのアピールポイント

・GHGネガティブエミッション型バイオガスシステムの開発
・稲わらと木質ペレットの利用拡大
・地域のウェット系廃棄物(生ごみ、し尿・浄化槽汚泥、下水汚泥、ふん尿など)の集約バイオガス化(運転方法、液肥性状)
・混合焼却を前提としないWaste to Energyシステム構築

研究キーワード

2018/4/3公開