北海道大学 研究シーズ集

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外来種アライグマ対策コスト削減のための
巣箱型ワナ開発

低密度状況で効果的・効率的防除手法を目指して

日本に侵入した外来種の防除対策について、対象種の生態・行動学的特性に合わせ、かつ人間社会の状況に対応した効果的防除技術・戦略の提案を目的に研究を進めています。本研究では、アライグマの樹洞営巣習性を応用した効率的な捕獲ワナを開発しました。

研究の内容

北海道を始め全国的に増加し、被害をもたらしている外来種アライグマの防除対策は喫緊の政策課題であり、対策現場では長期化する防除事業のコスト削減が最重要課題となっています。従来の捕獲方法は、誘因餌を用いた箱ワナによる捕獲だけに依存しており、他の動物の混獲予防と誘因餌の交換のために、捕獲の有無にかかわらず毎日の見回り・点検作業を必要とし、低密度化した後でも作業量は低減しないという問題がありました。本研究で開発したアライグマの樹洞営巣性という習性を応用した巣箱型ワナは、誘引餌が不要で混獲も少なく、毎日の点検が不要で防除コストを極めて低価格に抑えることのできるワナになっています。さらに、捕獲情報を電波によってオフィスで受信できるシステムを付与することで、少人数で広範囲な防除対策を低予算で実施することを可能にしました。

  • 野外に設置した巣箱型ワナと捕獲されたアライグマ

社会実装への可能性

  • ・低密度状況での効率的な捕獲
  • ・低予算で長期の防除対策の実現
  • ・ヒグマ等の危険獣生息地域での捕獲
  • ・原発避難地域等の人間が立ち入り困難な地域での防除対策実施

産業界や自治体等へのアピールポイント

本システムの活用で、担当者も少なく対策人員・予算の確保に苦慮している自治体においても、低コストで広範囲の長期的な防除事業を実施することが出来ます。地域特性に合わせた侵入初期対策(当研究室で開発中)に配慮することで、侵入初期から地域的根絶までの全ての段階での防除実施が可能となります。

関連情報

2018/4/3公開