Arctic Research
光るプランクトン
山口 篤
准教授
Atsushi Yamaguchi
博士(水産学)
カイアシ類のGFPとルシフェラーゼ
海洋生物の中には生物発光をする様々な生き物が居ます。プランクトンの中で最優占するカイアシ類から、蛍光タンパク質(green fluorescent protein: GFP)と分泌型ルシフェラーゼ(発光酵素)を同定しました。
研究の内容
動物プランクトンは、海洋生態系において基礎生産を高次生物に受け渡す、エネルギー転送者としての役割を持っています。北極海に優占する動物プランクトンはカイアシ類で、大半の種が1年以内の世代時間を持ち、かつホルマリン固定にて、半永久的な試料保存が可能なため、該当海域における生物生産の経年変動を評価するのに適した分類群です。またカイアシ類のうち、いくつかの種は生物発光能力があります。これは、暗い海の中で、捕食されそうになった時に発光し、捕食者への目くらましに使用すると考えられています。カイアシ類から、蛍光タンパク質(GFP)とルシフェラーゼ(発光酵素)を同定しました。
社会実装への可能性
- ・光る花(NECソリューションイノベータ)
- ・レポータータンパク質としての応用
産業界や自治体等へのアピールポイント
当研究グループ(産総研との共同研究)がクローニングしたカイアシ類ルシフェラーゼは耐熱性があり、pHによる発光スペクトルの変動も無く、細胞外分泌型レポータータンパク質として優れた特性を持っています。
2018/4/3公開