Nanotechnology / Materials
ソノプラズマ発生装置
佐々木 浩一
教授
Koichi Sasaki
工学博士
音響キャビテーションを定位置に高効率で発生させる方法
超音波によって水中に駆動される音響キャビテーションが崩壊するとき、気泡の内部は高温・高圧状態となり、プラズマ化する(ソノプラズマ)。音響キャビテーションを定位置に高効率で発生させる方法を見出し、プラズマ応用技術としての展開を図る。
研究の内容
液体中で生成されるプラズマは、ナノテクノロジー、環境工学、および医療工学の観点から高い関心を集めているが、プラズマの発生に高電圧を必要とすることが障害となる場合がある。一方、超音波工学の分野では、音響キャビテーションが崩壊する瞬間に気泡の内部がプラズマ化することが知られていた。我々は、超音波が印加された液中にパンチングメタル板を挿入するという極めて簡単な方法により、位置の固定が困難な音響キャビテーションを定在化させ、高効率に発生させることに成功した。高電圧を用いない液中プラズマ生成法としてユニークであるとの評価を受けている。現在は、本方式のメカニズムを解明し、大型装置を設計するための指針を得ることに注力しているが、今後は、新しいプラズマ応用技術としての様々な展開を図りたいと考えている。
社会実装への可能性
- ・ソノケミストリープロセスの高効率化
- ・金属系ナノ粒子・ナノコロイドの作成
- ・洗浄技術への応用
- ・環境浄化技術への応用
- ・細胞処理/滅菌技術への応用
- ・マイクロ/ナノバブル技術との連携
産業界や自治体等へのアピールポイント
本技術は、偶然の発見に基づくもので、その原理さえ未解明な段階ですが、従来のソノケミストリープロセスの効率化はもとより、様々な液中プロセス技術への展開が期待できると思います。企業の皆様には、それぞれの視点から本技術の応用技術をご提言いただき、共同研究により実現できれば幸甚と考えています。
2018/4/3公開