北海道大学 研究シーズ集

Human and Social Sciences

ガバナンスの理論と実践を踏まえた
行政システムの設計・構築

村上 裕一 准教授 Yuichi Murakami
博士(法学)

官民協働による安全・安心な地域・社会づくり

安全・環境規制や科学技術政策、地方創生などの事例研究を踏まえ、様々な「技術」の社会導入・普及に係る政策問題の解決に資する行政システムを利害関係者の「協働」により構築していく手法について、ガバナンスの理論と実践の観点から研究しています。

研究の内容

「技術」は、地域・社会に大きな便益をもたらす反面、様々なリスクを孕んでもいます。したがって、そうした「技術」を社会に導入し普及させていく際には、そのリスクを軽減する行政システムを設計して、その社会的便益を最大化できる公共政策のあり方を考えていく必要があります。
そうした公共政策について抱くイメージは、例えば自動車の事例でもメーカー、規制当局、そして我々ユーザーといった利害関係者で異なっていることが多く、また、規制は国際基準によって規定されていたりもします。
そうした中で、「技術」の社会導入・普及の政策問題を丁寧に抽出してその全体像を俯瞰し、利害関係者が折り合える点を模索し、合意形成を図っていくとともに、官・民が手を携えて行政システムを構築し運営していく手法を考えます。

  • 2016年5月刊行の私の規制研究の成果です(ISBN: 9784000611213)。規制基準の国際調和化、技術情報の分散化、官民関係の多元化が進む中、規制行政機関はどのようにして自らの裁量を確保しようとしているか。国内外に広がる「規制空間」の構造は、それによりどのように変容しているか。木造建築、軽自動車、電気用品の安全に関する技術基準の設定、規制の実施過程を素材に分析しました。

  • 2016年4月刊行のこの論文集(ISBN: 9784832968257)には、2001年の中央省庁等改革における科学技術の省庁再編の研究成果が掲載されました。旧科学技術庁は、その一部が内閣府に引き継がれ、一部が旧文部省と統合されて文部科学省となりましたが、科学技術・イノベーション政策の「司令塔機能強化」が実現するかどうかは、今後の運用次第です。

  • 2018年7月刊行の地方創生に関する共同研究の成果です(ISBN: 9784000238953)。私はまず、北海道と四国の政策担当者への聞き取り調査の結果から、地方創生に地方分権と中央集権の両側面があったことを論じました。その上で、戦後日本の国土政策(東京一極集中の是正)と内閣主導の地方創生の推進体制などを比較することにより、今後の地方創生のあり方を検討しました。

社会実装への可能性

  • ・地域・社会の安全・安心に資する技術・制度の導入・普及に当たっての政策問題の抽出、その全体像の俯瞰、利害関係者間の合意形成。
  • ・国内外事例との比較も踏まえた、行政システムの構築と運営、展開。

産業界や自治体等へのアピールポイント

様々な行政現象の事例研究を進める中で、多くの実務家やエンジニアの方の興味深いお話を伺うことができました。官と民、実務家と専門家、文系と理系、…。様々な分野・バックグラウンドの利害関係者間の「対話」を通して形成される公共政策について、これまでの研究成果を踏まえて、考えていけたらと思っています。

研究キーワード

2019/1/19更新, 2018/4/3公開