Tourism / Community development
風景から故郷(くに)づくりへ
上田 裕文
准教授
Hirofumi Ueda
Ph.D.
住民参加で地域の価値を創造する
風景計画の視点から、地域の環境を人々の認識や社会的な意味と結びつけて保全・活用する方法を研究しています。近年は、「健康」や「葬送」といった、社会とともに変容する価値観や空間的ニーズをどのように風景化できるかを実践的に研究しています。
研究の内容
地域資源を住民参加で守り育てるためには、人々の視点から地域を見る「風景」のアプローチが大変有効です。人々や社会の風景認識の研究を発展させ、場所への愛着を地域資源マネジメントに活かす実証的な研究を行っています。
健康保養地(クアオルト)の環境整備:
ドイツでは、温泉や海、気候などの自然環境を利用した療養・保養地を国が認定し、医療保険が適応されます。日本でも、地域住民の健康増進とヘルスツーリズムを両立させる健康保養地(クアオルト)の取り組みが始まっています。
樹木葬墓地による森林活用:
森林資源の活用として、ドイツを参考とした森林型の樹木葬墓地を日本で展開する実践研究を行っています。多死社会に対応する地域マネジメントとして、国土の7割を占める森林の新たな管理手法として、樹木葬墓地づくりを各地で進めています。
社会実装への可能性
- ・健康保養地支援(上山市/由布市/竹田市など)
- ・樹木葬墓地の開設(道内各地)
- ・観光まちづくり支援(寿都町/美瑛町/平取町/壮瞥町)
- ・風景認識の国際比較調査
産業界や自治体等へのアピールポイント
「健康」や「お墓」といった誰もが無縁ではない「自分ゴト」の問題を自然環境の活用によって解決する環境整備や仕組みづくりに取り組んでいます。産学官連携のコーディネートや、風景計画という専門分野を活かした地域環境マネジメントの仕組みづくりをサポートすることで、社会貢献につながる実践研究を行います。
2018/4/3公開