Manufacturing Technology
先端複合材料の最適設計
本田 真也
准教授
Shinya Honda
博士(工学)
自由繊維形状による新機能複合材料
先端複合材料(炭素繊維強化複合材)は広く構造材料として使用され始めているが、その異方性を効率的に利用できているとは言えない。当研究室では複合材の繊維配向(直線状・曲線状)を最適に設計する手法の開発を行っている。
研究の内容
比強度・比剛性の高さから構造材料として広く利用されている先端複合材料(炭素繊維複合材料、CFRP)は、その繊維配向技術の発展により繊維を直線状のみではなく、曲線状に配置することが可能となっている。直線状の繊維と比較して設計の自由度は大きく向上するため、部品形状や使用目的に特化したCFRP部材の作製が可能である。当研究室では刺繍機の技術を援用したファイバー縫付機(図1)を用いて曲線状繊維を有する複合材供試体を作製し、その力学特性評価を実施するとともに、独自の繊維形状最適化手法を開発している。例えば図2は複数の円孔を持つ翼モデルの孔周りのひずみ集中を軽減することを目的とした最適繊維形状であり、ひずみ分布は図3のようになる。これは直線繊維よりもひずみ集中を軽減できていることがわかっている。
社会実装への可能性
- ・成型後の形状を考慮した最適な繊維配置(最適繊維配置による熱可塑性複合材料のプレス成型など)
- ・孔周りや段付き部など特異形状への最適部分強化
産業界や自治体等へのアピールポイント
当研究室では世界的にも早期から曲線状繊維の最適設計に関する研究に注目している。また曲線状繊維に限らず、複合材の最適設計に関する研究実績が豊富であり、国プロSIPへの参加や企業・公立研究所・海外研究者との共同研究の経験も豊富である。
2018/4/3公開