北海道大学 研究シーズ集

Life Sciences

リウマチAI診断研究

神島 保 教授 Tamotsu Kamishima
医学博士

単純写真による関節裂隙狭小化判定

関節リウマチ患者における関節破壊性変化の客観的かつ詳細な定量的解析情報を提供するコンサルティングシステムの開発を試みる。画像解析は、独自に開発したプログラムを用いて、X線画像の経年変化から計測し、国内外の研究・臨床機関に対し情報提供する。

研究の内容

我々はこれまで、単純X線写真上の関節裂隙狭小化進行を客観的に計測するソフトウエアの開発・バリデーションを進めてきた。最新のソフトウエアでは、独自の経時差分技術と輪郭抽出技術とを用いて、対象となる手足の関節の関節裂隙の変化を面積(平方ミリメートル)で表示することが可能となった。
一方で、世界的な視野に立っても、ソフトウエアで単純X線写真上の関節裂隙狭小化進行を自動的に検出することは困難であり、マニュアル操作に依存する工程が残されており、各病院・診療所レベルでの計測には無理がある。そこで、本研究の目的はインターネットを介して臨床試験・臨床研究を主導する国内外のクライアントのニーズに対応可能な、関節リウマチ破壊性変化定量解析のコンサルティングシステムを構築することである。

  • 中指指節間関節の単純X線写真(図1,2)
    関節遠位側の輪郭は帯状高吸収域として描出され、熟練者はその帯状高吸収域の内部に輪郭を設定する(true margin)ため、この職人芸とも言うべき熟練者の輪郭描画はコンピューターによる再現が困難となる(図1は文献から引用)。
    図2は我々のオリジナルの手法で、自作ソフトウエア上で治療前後の2画像の基節骨(上側の骨)側の輪郭を合わせることで中手骨頭(下側の骨)の位置ずれに基づき関節裂隙変化を検出・計測している

社会実装への可能性

  • 本システムの利用により、病院や診療所はリウマチの自動診断が可能となる。製薬企業では治療を滞りなく進めるための有効なツールとなる。地方自治体ではリウマチ検診に応用可能である。

産業界や自治体等へのアピールポイント

専門医不在であっても関節裂隙変化を鋭敏に捉えられるソフトウエアの利用によりリウマチの診断・スクリーニングを目指す。製薬企業との共同研究により進行リウマチ症例における有用性を確立する。また、地方自治体の検診に本システムを導入し、リウマチ検診実現を目指す。

2018/4/3公開