北海道大学 研究シーズ集

Life Sciences

合成高分子ゲルを用いた癌幹細胞標的
プレシジョンメディシンの確立

田中 伸哉 教授 Shinya Tanaka
医学博士

ハイドロゲルによる癌幹細胞への初期化方法の開発

癌の根治には癌幹細胞の根絶が重要です。本法では、北大オリジナルバイオマテリアル(合成高分子ハイドロゲル)を用いて癌幹細胞へのリプログラミング(初期化)を迅速且つ効率的に誘導、癌幹細胞の性状や再発時の治療反応性を予測することを可能としました。

研究の内容

がんの根治には治療抵抗性を示すがん幹細胞の根絶が必須ですが、その数は少なく、従来法では癌幹細胞の分離や性状解析は困難でありました。本研究は、北大オリジナル開発合成高分子ハイドロゲル(Science 344, 161-162, 2014)を用いて、迅速・簡便・低コスト・効率的に癌幹細胞のリプログラミング (初期化)を誘導、癌幹細胞の性状解析や治療反応性の評価、再発時の癌細胞の性状予測を可能にしました。本技術を用いることによって、癌幹細胞を標的とした薬剤スクリーニングを実施でき、将来的に発生の可能性がある再発腫瘍の性質を予測し、予防的治療薬を投与することで、癌患者に適確な癌幹細胞標的プレシジョンメディシン(予防先制医療)を提供できるようになることが期待されます。

  • ハイドロゲルによる癌幹細胞誘導。ハイドロゲル(A)上での脳腫瘍細胞のスフィア形成(B)と癌幹細胞マーカーSox2の発現誘導(C)。

  • 北大オリジナル開発のハイドロゲルを用いたがん幹細胞診断モデル。ハイドロゲル上でがん幹細胞を誘導し、その性質を解析することで、個々のがん患者さんに適切な治療薬を決定できると期待されます。

社会実装への可能性

  • ・がん幹細胞体外診断キット
  • ・癌患者における抗がん剤のスクリーニング
  • ・再発がんの性状予測と予防的最適薬剤の提供

産業界や自治体等へのアピールポイント

合成高分子ハイドロゲルを用いて癌幹細胞を誘導し、癌幹細胞の性質や遺伝子変異を解析することで、各癌患者に適確な癌幹細胞標的がん治療を提供することが可能となります。これにより、ハイドロゲルを起点とした新たな癌幹細胞診断技術の確立と治療法の提供を目指します。

研究キーワード

本研究に関連する知的財産

特願2017-028833 「癌幹細胞の製造方法」
2018/4/3公開