北海道大学 研究シーズ集

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Nanotechnology / Materials

高速超親水および滑落性制御型超撥水・超撥油表面の構築

水が油が、よく濡れる、すぐ滑り落ちる、よくくっつく

高速で水が濡れ広がる超親水や、水・油をとてもよく弾くけれども表面に吸着していたり、簡単に滑り落ちたりと、滑落性を簡単に制御できる超撥水・超撥油表面を創り出す方法についてご紹介します。

研究の内容

アノード酸化(陽極酸化)は、金属の表面にさまざまなナノ構造をもつ酸化物を形成する手法です。新規な電解質化学種を用いたアノード酸化により、sub-10 nm(10 nm以下)の直径をもつナノファイバー酸化物を大量に形成する手法を開発しました。ナノファイバーの生成密度は、1 cm2あたり1010本(100億本)オーダーと極めて高密度です。このような高密度ナノファイバーを形成した金属表面が、1秒以下の高速の超親水性や滑落性制御型の超撥水性・超撥油性を発現することを見いだしました。微細パターニング技術を用いて濡れ性の異なる表面を混在させることもできます。

  • 超親水・超撥水・超撥油表面

  • 滑落性が制御できる超撥水表面

社会実装への可能性

  • ・熱交換器や太陽光発電などのエネルギーデバイス
  • ・微小流体技術
  • ・表面技術
  • ・ナノテクノロジー

産業界や自治体等へのアピールポイント

表面を変えると、材料がもつ性質をがらりと変えることができます。とてもよく濡れる表面、水や油をよく弾くが吸着しやすい表面、反対にすぐに滑り落ちてしまう表面、さまざまな濡れ性を材料表面に創り出すことができます。

関連情報

•Influence of sub-10 nm anodic alumina nanowire morphology formed by two-step anodizing aluminum on water wettability and slipping behavior [Applied Surface Science, 546, 2021, 149090]
•A superhydrophilic Aluminum Surface with Fast Water Evaporation Based on Anodic Alumina Bundle Structures via Anodizing in Pyrophosphoric Acid [Materials, 12, 2019, 3497]
•Mirror-finished superhydrophobic aluminum surfaces modified by anodic alumina nanofibers and self-assembled monolayers [Applied Surface Science, 440, 2018, 506-513]
2021/2/24更新, 2019/1/17公開