北海道大学 研究シーズ集

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Life Sciences

カルニチンを用いた胸部外科術後の心房細動予防法の開発

新宮 康栄 講師 Yasushige Shingu
博士(医学)

心臓弁膜症においては周術期のカルニチン内服が術後心房細動 (POAF) を抑制しうるかどうかを無作為割り付け多施設共同研究により明らかにする。肺癌および食道癌においては類似の先行研究がないため、単群介入試験を行う。

研究の内容

胸部外科術後の心房細動(POAF)の頻度は高く、脳梗塞・心不全・感染症の増加につながり、入院期間の延長をもたらす点で問題となっている。唯一β遮断薬が有効とされるがその有効率は50%未満であり、副作用の点から使用できない場合も多い。脂肪酸代謝改善薬であるカルニチン製剤は近年、その抗炎症作用や脂肪酸代謝改善効果などから心筋梗塞後や冠動脈バイパス術後の不整脈抑制効果が報告されている。本プロジェクトでは、心臓弁膜症においては周術期のカルニチン内服がPOAFを抑制しうるかどうかを無作為割り付け多施設共同研究により明らかにする。肺癌および食道癌においては、単群介入試験により安全性とPOAF減少率の検討を行い、今後の無作為割り付け試験の検討に役立てる。

  • カルニチン内用液

  • 研究計画

社会実装への可能性

  • 胸部外科術後の心房細動予防法の開発

産業界や自治体等へのアピールポイント

脂肪酸代謝を改善する薬剤や栄養の観点から、安価で安全、有効な合併症予防方法の発掘につながる可能性がある。

研究キーワード

2019/1/19公開