北海道大学 研究シーズ集

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燃焼機器で生じる音響振動解析

燃焼装置や燃焼ガス排気系統でしばしば音響振動が生じ、騒音の発生や燃焼措置の寿命低下を引き起こす。これは、燃焼装置や排気系統で生じる発熱変動と音響圧力変動が連動することより生じる。本研究は、この物理過程の解析とその抑制技術の検討を行っている。

研究の内容

燃焼装置や燃焼ガス排気系統でしばしば音響振動が生じ、騒音の発生や燃焼措置の寿命を低下につながる。これは、燃焼装置や排気系統で生じる発熱変動と音響圧力変動が連動することより生じるが、これが生じる物理過程の解析と抑制技術の検討を行っている。研究の手法としては、単一の円管内に可燃性ガスを封入しその一端に着火させ火炎が管内を伝播する際に生じる音響振動現象を用いる。この伝播現象に種々の境界条件(開放端条件・伝播方向・混合ガス組成・伝播管直径と長さ・火炎面の構造等)を与え、音響振動現象を引き起こした上で、その要因を燃焼の不安定性解析手法により理解する。ここで再現された振動現象は単純化された系で観察されるものであるが一般性のある現象であり、実際の燃焼機器や排気系統で生じる音響振動現象の理解に直接つながるものである。

社会実装への可能性

  • 本研究で取り扱う燃焼を伴う振動現象は単純化された系で観察するものであるが、実際の燃焼機器や排気系統で生じる音響振動現象と対応させることのできるものであり、実機の音響振動現象の理解とその抑制対策へ直接つながるものである。

産業界や自治体等へのアピールポイント

燃焼にともなう不安定振動現象は、ガスタービン、ボイラー、焼却炉、さらに燃焼ガスを排出するダクト内などでたびたび生じ、その抑制は技術的に容易ではない。これは、その発生要因を物理的に理解することが容易ではないことに起因する。本研究は単純な系で現象を再現したうえで、物理過程を理解しその抑制手法を見出そうとするものである。

関連情報

Experimental and theoretical study of secondary acoustic instability of downward propagating flames: higher modes and growth rates, Ajit K Dubey, Yoichiro Koyama; Nozomu Hashimoto,Osamu Fujita, Combustion and Flame(IF:4.12) 205 316 - 326 2019年07月
 
Ajit KumarDubey, KoyamaYoichiro, HashimotoNozomu, FujitaOsamu, Proceedings of the Combustion Institute 37 (2) 1869 - 1877 2019年01月
 
Yoon,Sung Hwan, TaeJoon Noh, Osamu Fujita, Proceedings of the Combustion Institute 36 2017年01月
2019/12/13公開